完璧美少女の幼馴染婚約者を裏切って、小悪魔でエッチな姉と恋をした

軽井広💞クールな女神様 漫画①3/12

第1話 真実の愛と幼馴染

 真実の愛は、亡霊のようなものである。

 地上の誰もがそれについて語るが、それ――真実の愛――を目にしたことがある者はほとんどいない。


 フランスの思想家ラ・ロシュフコーの格言だそうだ。

 それは事実なのだと思う。真実の愛だなんて、そんな嘘くさい言葉、今も昔も誰も信じない。


 でも、と俺は考える。もし、本当に「真実の愛」を――あるいは本当の恋を見つけてしまったのなら。

 人はその亡霊のために、すべてを犠牲にできるのだろうか?


 少なくとも、俺はすべてを犠牲にした。

 千桜マリヤという少女を好きになってしまったからだ。

 

 彼女は少し年上で、意地悪で、とても可愛くて、俺のことを大好きと言ってくれて――そして、俺の腹違いの姉だった。


 俺の見つけた「本当の恋」は、世界中の誰もが認めないものだった。

 俺の――羽城勇人の物語は、マリヤを好きになったところから始まったのだと思う。





「は、や、と、くん♪」


 俺を呼ぶその声は、とても綺麗に澄んでいて、弾むようだった。

 

 振り返ると、そこには完全無欠の美少女がいた。

 放課後の校庭。四月の桜並木のなか。

 

 つややかな美しい黒髪を長く伸ばしていて、黒いブレザーの制服をまとった身体はやや小柄だけれど、モデルのようにスタイル抜群。


 顔はアイドルのように可愛らしくて、印象的な碧い瞳がきらきらと輝き、俺をまっすぐに見つめている。


「愛華……」


 名前を呼ぶと、彼女はぱっと顔を輝かせた。上目遣いに俺を見て、後ろ手を組む。


「勇人くん。一緒に帰りましょう」


 愛華は少し照れたように顔を赤くして、ささやいた。


 愛華は本当に可愛い。性格も良くて、おまけに成績は学年一桁順位で、スポーツ万能。まだ高校一年生なのに、次期生徒会長になるのも確実。


 雨橋家という超名門の生まれで、大財閥の経営者の娘。そして、幼い頃から練習しているピアノの腕は、天才と呼ばれるほどだ。


 愛華には、何一つ欠点がない。こんな美少女が、俺に甘い表情を向けてくれる。

 普通の男子なら喜ぶところかもしれない。


 俺は彼女と生まれた頃から一緒にいる幼馴染だ。だから、中学のときはもちろん、小学生時代ですら、周りの男子からたびたび羨ましがられ、妬まれた。


 でも――俺は、息苦しかった。彼女は完璧すぎて、俺は一緒にいるのがつらいのだ。


 そんな俺の内心を、愛華は知るはずもない。


 くすりと愛華は笑う。


「高等部に進学してから、勇人くんと一緒のことが少なくて、寂しかったんです」


「まだ高校生活が始まってから、一週間も経っていないよ」


 俺は肩をすくめる。


 愛華の通う学校は、名古屋の名門進学校・明文館中等教育学校だ。

 中高一貫だから、高校生になったからといっても、ほとんど変わり映えはない。


 愛華は小首をかしげる。透き通るような黒髪がふわりと揺れる。


「でも、私たちは婚約者です。いつも一緒にいるのが当然だと思います」


 愛華ははっきりした発音で、そう告げた。


 そのとおり。

 俺――羽城グループ当主の長男・羽城勇人と、名門財閥・雨橋家の長女・雨橋愛華は、親に決められた許嫁だった。


 21世紀も半ば。2048年のこの時代にもなって、許嫁・婚約者だなんておかしいかもしれない。

 けれど、それが羽城と雨橋の家では普通のことなのだ。


 そして、それより問題なのは――愛華は、その婚約を当然のように受け入れ、俺と結婚するつもりだということだった。





<あとがき>

ドロドロで不純、でも一途なヒロインたちの背徳系ラブコメ……です! 姉vs幼馴染婚約者vs義妹の修羅場とハーレムをお楽しみください!


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タイトル:【悲報】限界社畜な冒険者(27)、少女賢者たちの師匠となってしまう ~うっかり無双して女子高生ダンジョン配信者たちを助けた結果、彼女たちを最強冒険者にプロデュースすることに!?~

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