こいごころ
文章魚
君とあなたと
窓際の君と目が合う偶然を
奇跡と呼んでみる3限目
教科書の先人が詠む恋の詩に
思い浮かべたあなたの瞳
好きなの?と 友に問われて意識する
誤魔化し続けた気持ちの答え
本棚の少女漫画のヒロインに
尋ねてみたい恋愛観を
告白の仕方と検索してみても
正解なんて見つからなくて
靴箱の手紙の文字にときめけば
朝の予鈴さえ聞こえないほど
君を待つ胸の鼓動は高鳴って
屋上でひとり深呼吸ひとつ
ぐるぐると渦巻く気持ちそのままに
やや遅足で上る階段
シュミレーション繰り返しても向き合えば
言葉にならないその感情が
察してるあなたが言いたいその気持ち
だけど言葉で伝えて欲しい
溢れ出す想いは茜空に溶け
最後に残った「好き」のひとこと
嬉しさが涙となってこぼれ出す
笑顔でイエスと答えた後で
肩触れる相合傘の距離感に
初めて雨を好きになる梅雨
かき氷頬張るあなたの横顔を
独り占め出来ることの幸せ
秋風を口実にして手を繋ぐ
本当は寒くなんてないけど
雪の街並んで歩く関係が
続くことだけを聖夜に願う
アルバムを捲りて巡る思い出は
写真のようには色褪せぬまま
子や孫に語る青春の記憶よ
微笑むあなたと過ごした日々よ
沈みゆく意識の中で誇るのは
手を握る君に捧げた一生
別れさえ言わずあなたは眠るけど
握るその手で伝え合う愛
こいごころ 文章魚 @takotako8
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