或る世界の話

白鳥彰

プロローグ

僕がこの物語を執筆しようと思ったのは、僕がデビューする数ヶ月前に知り合った『親友』の存在があったからだ。

その『親友』は、犯罪者だ。

僕は、知り合ったばかりの頃彼から五冊の手記を貰ったその際に条件をつけて。その条件は以下の通りだ


「君のデビュー作を読んで、僕の手記を作品として世に発表して欲しい」

「自分のした事を世に発表するのは、コレが初めてだし書かれていること全てが真実だが信じない人も居るだろう」


正直に白状しよう、僕も彼から貰った手記を手当り次第に読み漁ったが俄に信じられる内容には思えないし「本当にあった出来事なのか?」と疑ってもいる。

だけど、彼が今までに嘘をついたことは無いし何度か作品に協力してくれた彼だからこそ少し変換はあるけれども、この作品を書こうと思った。

今回は、その中でも気になった彼の『共犯者達』こと通称『■◆▲▼♦●』について気になった、今回僕は改めて謁見をすると同時に一物書きとして彼への取材を府中刑務所に申し込んだ。


脚色を付けた作品のため検閲されない事を条件に出し、許可を得ることは出来たが当然の事ながら██████が見張りとなり、創作は面会室で行われることが決定づけられた。

今書いているこの文章は、彼に取材を始める前に書き下ろしている。


それではまずは最初の質問を彼に投げかける「スクラップと瓦礫の女王」こと「●●●●●」について書き出していこう。

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