短編小説 「言の葉紡ぎ」

@kotonoha-tsumugi

第1話

生きる事とは期待を持つということ。


それは明日に依存して今日を失うこと。



私は三度目の春の中にいる

広い世界の退屈な日常

広いと思っていたこの世界で

私は窮混な陽射しに揺られていた


水溜りが空を映し灰色に騒めく

心と心が触れる度に

片隅に置き忘れた記憶が揺れ動く


深い深い意識の底で

それだけが意味を成し


手を差し伸ばしたら

儚くも消えてしまう



それは

かけがえのないもの


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