大剣のアリスティア

雉子谷 春夏冬(きじたに あきなし)

プロローグ 傲慢にして怠惰/羽であり翼

 私がしるすと決めたときから、もうこの本の名は決めていた。それしかなかった。きっとみなも、あいつも納得するだろう。

 ここに、私の知り得るアリスティアの全てを記す。

 この本の名は──

 


 ・・・

 闇夜を切り裂く炎の色を見て、銀髪の少女は決然と火の源へと走りだす。この行為に自分が見いだした希望があると信じ、火の明かりもってしてもなお暗い森へと進む。その炎が人と人の営みをくべて燃えるものと知りながら。

 少女がゆく森の道は、木々に根本に紛れ、破損した人体の欠片が散乱していた。散らばる断面と、苦痛の片鱗へんりんすら浮かべぬ無表情な死に顔が、あまりにも鋭利な刃物で瞬断されたことを無言のうちに主張していた。

 血であちこちに張り付いた衣服から、死体は農民かと見紛うが、かたわらに落ちている彼らの遺品は農具ではない。軍すら極一部しか配備されない殺傷能力が高められた絡繰からくり仕掛けの最新式の弓や軍槍であり、質素で素朴に見える服装も下級貴族では手には入れることは難しい獣皮製と人蜘蛛ひとぐも製によるものだ。決して農民が身にまとえるものではない。

 その農民にふんした武人達の、むごたらしい斬殺死体を踏みつけることなく、少女は走る速度を緩めることなく奥へと突き進む。空にわずかな星明かりと、遠くに村を焼く火はあれど、足元を照らす光などない。そもそもとして少女は足元を見もしていない。胸の前で指を祈るように動かしながら、危なげなく走っている。

 やけに曲がりくねった森の中の道を抜けた先は、遠くに山をのぞむ平原が広がっていた。少女の目は山のふもとにある、盛大な火に沈む集落を捉える。

「おやぁ、もしかしていきなり大本命かな?」

 まさに集落に向かおうとした少女の背に、森の暗がりからねっとりと声が被さる。

 死体溢れる暗黒の森から響くにしては場違いなほど明るい声は、少年のように甲高くもあり、同時にしゃがれてもいて、聞くものに不快感と不安感を煽る響きを持っていた。

 その声に銀髪の少女が振り返ると、巨大な6本の爪が視界いっぱいにせまって来ていた。声の持ち主が話しかけておきながら、少女の応答を待たずに、人よりもはるかに大きい手で握りつぶそうと手を伸ばしたのだ。

 その掌だけですっぽり人を収めて挽き肉にできる手は、しかし少女を捉えてはいなかった。

「ん?」

 避けられる間などない。そう確信していた巨大な6本指の持ち主は、思わず疑問の声を上げる。そして少女の姿を確かめようと、木々の暗がりからその身をさらした。

 もっとも近い見た目は蛇だろうか。といっても、恐ろしい牙をずらりと並べた口は成人した大人を何人も丸呑みに出来そうなほど大きく、顔もまたその口に相応しく巨大である。

 人間であればこめかみにあたる部分には、闇夜にあってそれよりも黒々しい滑らかな角が太く背に向かい伸びている。ただ目に写る範囲が鱗のようなもので覆われているから爬虫類はちゅうるいじみた印象をあたえるだけで、決して蛇などではない。

 なにより不気味なのは、明らかに人ではない姿ながら、大きな赤い瞳には紛れもなく知性が宿っている点だった。

 少女はいつのまにか飛びずさったのか、数十歩先にたたずんでいる。常人離れした反応と身体能力である。

 その少女は化け物に対し驚くでもなく、日常動作の如く左手を真横一文字に切るようにして振った。剣を払う動作に似ているが、肝心の剣はその手に握られていない。だが手の払った軌道上に、空気の波のような衝撃波が刃の形となって、その化け物に向かう。

 夜に溶け込む透明な刃となった衝撃波を、怪物はなんなく首を動かしてかわす。

「詠術、なんて言っているんだっけ? 命令文も実行文も唱えずに、変換式もないのに一瞬で実行するのは、ほんとに本物の証だねぇ。まぁ当たらなきゃ意味ないけどねぇ」

 楽しそうに少女を馬鹿にして笑う化け物に、彼女は無表情に口を開く。

「あなたのいるその森は、人がいちから手を入れて作った言わば人工の森。この集落の狩師が築き上げた備えです」

「はあ? それがぁ?」

「私の術はあなたを狙ったものではない、ということです」

 そういうと少女はくるりと化け物に背を向け走り始める。

「逃がすとでも?」

 少女を追うべく身を乗り出そうと足に力を入れた瞬間、化け物の耳が木が倒れ込む音を捉えた。

 はっとして化け物は上を見上げると、まさに大木が化け物に向かってくる最中だった。

 慌てて振り払おうと手を伸ばすが、全てがもう遅かった。倒れてきたのは一本ではなく、幹の太い木々が何本も何本も化け物に向かってきた。

「人もどきがこの僕を! この程度で!」

 さらに化け物が立つ地面の土が突然液状化し始めて、沼のようになっていく。倒れてきた木々の重みと、泥と化した地面のせいで怪物はもがきながらも、どうにもならず轟音ごうおんとともに沈みゆく。

「おまえは僕が殺す! 必ず僕がぐちゃぐちゃに殺してやる!」

 悔しまぎれの化け物の咆哮で成功を確信しても、少女の顔はむしろ苦しげに歪む。

 全部、少女の狙いどおりではあった。もともと衝撃波を放つのに、手を振る動作など必要ない。そうすることでわかりやすくして、避けさせたのである。そのあと会話につき合ったのも、化け物をその場に留めるため。なにもかも少女の予想通り事が運んで化け物は生き埋めになった。

 それでも表情に苦悶が浮かぶのは、少女の耳に、悲痛な年若い男の断末魔だんまつまが集落の方向から届いていたからだった。少女はその悲鳴の方へと再び向かい始める。

 熱気が肌でありありと感じられるほど、焼け落ちていく集落に近づいたところで少女は立ち止まる。そして胸の前で複雑にまた指を動かしはじめた。

 それは祈っているようであり、何かの儀式のようでもあった。

 少女の指の動きがぴたりと止まると、近い位置の炎が、水をかけられたわけでもないのに空中から細く縮まって消えた。その効果に満足したのか、少女は再び走り出すと、近い位置の炎から順に先ほどと同様に消えていく。火が彼女を避けている。そう形容するしかない現象が起きていた。

 少女が村の中心であったであろう広場にたどり着くと、そこには1人の武装した大男が佇んでいた。その大男の足元には今しがた命を奪ったのか死体が3人分転がっている。

 最も目を引くのは、その手に持つ大剣だった。なんと男は、人1人すっぽり隠せてしまうほどの幅がある大剣を、それぞれの手に一振りずつ持っているのである。

 巨大な剣を難なく振れそうな、丸太と見紛う太い腕の持ち主ではあるが、それでも大剣を2本も持って振り回すのは正気の人間の考えることではない。

 かと言ってはったりの雰囲気が全くないのは、両の剣から滴り落ちるどろりとした液体と、大男の足元近くの死体が証明していた。

 その大剣使いが体の向きを変えず、首と視線だけ少女へじろりと向ける。

 対する少女は、恐らくこの集落を蹂躙じゅうりんしたであろう大剣使いに対し、怯む様子もなく、村の火を前にした時と同様に胸の前で複雑に指を動かす。

 途中まで目を細め様子見していた大剣使いは、明らかに動揺した。そして体ごと少女に向き直ると、いきなり距離を詰めて剣を振りかぶる。

 砕かれる地面。破片と形容するには巨大すぎる地面の塊が飛び散るも、真っ二つにしたはずの少女はいない。

 あらかじめ剣の軌道が、いや、もとより大剣使いの接近がわかっていたかのように、少女は素早く身を引いていた。

「待って! 私はあなたの願いを叶えることはできないけれど!」

 大声で呼びかけるも大剣使いに聞き入れる様子はない。剣をゆらりと構え直す。

「お願い、話を聞いてください!」

 大剣使いの返事は、再びの斬撃だった。少女はやはり指を複雑に動かしながら、かすっただけで体が吹き飛びそうな斬撃を紙一重にかわす。

 らちがあかないとでも判断したのか、大剣使いは大剣を振り回すのは一旦やめて、構え直した。

 少女もまた、指を動かすのをやめて身構える。

「お前は、なんだ?」

「あの子の、友達です」

 涙で震える声で一句一句言葉を絞りだして少女が答えると突然、彼女の身体が空中に放り投げられる。見えない手で乱暴にすくい上げられたかのようだった。少女は短く悲鳴を上げながらも、なんとか空中で姿勢を整えて受け身をとり、素早く立ち上がる。その目線は大剣使いを越えて、その背後に向けられていた。

「はじめまして、なんて私達の間では白々しいですよね。だから趣向を変えた挨拶にしたのですが、少々乱暴でしたか」

 大剣使いの発した声ではない。村のさらに奥、少女が来た方からは全く真逆からふらりとあらわれた、線の細い男だった。

 突如出現した男、その容姿は凡庸ぼんようだった。印象に残りづらいほど特徴がない。目、耳、鼻、口、そして長くも短くもない髪。人が顔だと認識する最低限の部品があるだけの容貌で、強いていうなら仮面めいている顔だった。

 無表情なのか微笑んでいるのかすら判別しづらいのは、周囲にわずかに残る炎の揺らめきのせいだけではない。

「自己紹介、一応しましょうか?」

 凡庸ぼんような男は場違いなほどのん気に語りかけてくる。対照的に少女は嫌悪感を露わにはねつけた。

「結構です。グゼ。そう名乗っていたことは知っています」

「古語ですけど、いい呼び名でしょう? ねえ姫様」

「あなたに! 姫だなんて呼ばれたくない!」

「それではラティカ王のほうがいいですかね? おっとっと、怖い怖い」

 姫、そしてラティカ王と呼ばれた少女は怒りのあまりに声すら発せずに睨みつける。

 グゼはまるで同意でも求めるかのように肩をすくめては、大剣使いの大男へと視線を移す。

 大剣使いの返事はその手に持つ大剣だった。少女と、新たに現れたグゼなる凡庸な容姿の男へ、それぞれ2振りの大剣を投げつけたのである。

 矢とは比較にならない太さ重さの大剣を、矢よりも速い速度で放つ。常人ならば剣が放たれたとも認識出来ずに、大剣に上半身を消滅させられただろう。

 恐ろしい点は、なにもその威力だけではない。大男は大剣を投げる所作に力をことさらにこめた動作がなかった。腰をおとす、振りかぶるなどの、体全体の力を利用とせず、ただ腕の力のみで巨大な鉄の塊を射出してのけたのだ。

 その大剣が壊したのは、結果的に焼け落ちた家屋だけだった。生活の大部分を占めていたであろう建物は、粉々に砕かれて残骸ざんがいとなり果てる。

 少女もグゼも、なんなく大剣をかわしていた。そしてグゼは一歩また一歩と大男に近づく。

「そこの姫様、いえ新しいラティカ王は言いましたね。あなたの願いは叶えられないと」

 大剣使いは吠える。

「だからどうしたというのだ」

「私ならあなたの力になれる。その子には無理でも」

 大剣使いは怒りの表情で右拳を2人に見せつけるように握り締める。

「俺の願いは他人がどうこう言うものではない!」

 大剣使いの反応に少女は両手で口を覆い、大粒の涙がポロポロと頬を伝った。

 大剣使いは腰についた小さな箱に触れると、その箱からガリガリと甲高い轟音が鳴り響く。すると先程投げた大剣2本が物凄い勢いで大男のもとへ飛んできた。大剣と小箱が細い糸で繋がっており、糸を巻き取っているのだ。

 大剣の到着を待たず、大剣使いはグゼのもとへ駆ける。

 間合いに到達するやいなや、先に届いた大剣を手に取り、大剣使いは猛烈な連撃を繰り出す。もう一方、少女に投げつけていた大剣も到達すると、攻撃を少しも緩めることなく手にとり、連撃は剣による嵐に変わった。

 巨大な刃の奔流は、少しずつグゼの、やはり印象に残らない地味な衣服を削っていく。

 ついに剣が体を捉えようとしたとき、グゼが、大剣使いに何事かささやく。

 大剣の先端が、グゼの眉間みけんに触れるぎりぎりのところでぴたりと止まる。

「一手、遅いようだが?」

「振り下ろさないと、知っていましたから」

 大剣使いはつまらなそうに鼻を鳴らすと、これまでの攻撃などまるでなかったように剣を収め、目の前のグゼにも少女にも背を向けて、歩きだす。その背に彼女は叫ぶ。

「待ってください! お願い待って」

 追いかけようとする少女に、グゼは道を塞ぐようにして立ちはだかった。やはりどんな表情をしているのかすら、曖昧なまま。

「邪魔をしないで」

「いいえ、邪魔をしているのではありません。あなたならよくご存知でしょう。追いかけても無駄だということは」

 その言葉通り、大剣使いは炎の中に消えていく。

「あなたに人の、なにがわかるというの?」

「わかりますとも」

 少女の射るような鋭い視線にも、平然と受け流し男は続ける。

「むしろ、この私以上にあなたがたを理解できる存在がいるでしょうか?」

 一歩、グゼは近づく。大きく手を広げて異常なほど目を見開く。段々と男の表情が固まってくるようだった。

「生とは苦痛そのもの。あなたがたに与えられた役割とは現状維持。この2つの行き着く先は絶え間ない艱難辛苦かんなんしんく。私なら救える。あなたがたを今の役割から解放できる」

「今の役割から解放ですって? 代わりにあなたの玩具おもちゃになるだけでしょう?」

 グゼはようやく表情を表す。にんまりと顔の筋肉をうごめいた。

「創造主最大の失敗は、役割を与えておきながら、明瞭に伝えなかったこと。それを補おうというのです。明確に役割が与えられた世界。生き方に疑問の余地がない世界。私の下で、すべて平等な世界。なあに、大丈夫ですよ。私の玩具おもちゃになる存在が一定数いたとしても、それを見て、同情しながら安堵あんどするのがあなたがた人間ですから」

「そんな世界は地獄そのものだわ」

「あなたが仰ると、感慨深いですね。ですが……」

 グゼは少女に対し、実に芝居がかった仕草で自身の左を見るように促す。そのほっそりとした六本指が示す先から見えてくるのは、物凄い勢いで走り込んでくる巨大な影。形だけなら人に酷似しているが、人では有り得ない巨体が焼け落ちる建物をよけず真っ直ぐにぶち破りながら駆け込み、グゼの隣で轟音とともに地面をえぐりながら急停止する。

「力なきものとは話し合いはしない。これはあなたがた人類から学んだんですよ」

 周囲の家屋よりも頭1つ大きい巨体の体表は、金属光沢に覆われ、周囲の炎を鈍く反射している。

神罰獣しんばつじゅう。まだそう呼んでいるんですよねぇ。嬉しいなぁ」

「あなたは、あなたはどこまで……」

「もちろん、神話化させています。いいですよねぇ、あなた方の名付けかたは。皮肉がきいている。ほら自己紹介なさい」

 金属光沢を放つ化け物は、きごちなく口を動かす。

「文、明を、喰らう、もの、ベルセルクル」


 その様子に、グゼは腹を抱えて哄笑する。

「これで知能があるんですって! 滑稽でとても愛おしいでしょう?」

 姫は怒りを込めた叫びを男に叩きつける。

「あなたはいつまでアマリア様を、人を愚弄ぐろうすれば気が済むの!」

 仮面めいた容貌に笑顔の亀裂が入り、どこからともなく取り出した宝石を少女に見せつけながら弄ぶ。それは夜であっても周囲の炎に照らされて、蒼く美しく輝いていた。

「無論、永遠に。お気に入りですから」

 彫像の如く制止していた巨体の化け物、ベルセルクルが、突然少女に向かって殴りかかる。巨体に相応しい巨大な拳は、彼女のいた地面を深く穿つ。

 ベルセルクルの拳を鮮やかに宙がえりでかわした少女は、空中でなにか呟きながら祈るように手を動かす。

 彼女の着地を腕を振りかぶりながら狙っていたベルセルクルは、しかし動けない。巨体が踏みしていた地面が突如液状化し、飲み込みはじめたからである。

 もがくベルセルクルに、片手を向ける少女。透明の刃がベルセルクルの首目掛けて掌から飛んで行くも、いつの間にかベルセルクルの前に立っていたグゼがあっさりと素手で弾く。

 グゼがつま先を二度踏み鳴らすと、液状化した地面が元の固い土に戻る。そのおかげで下半身まで沈んでいたベルセルクルは、両腕を地面に叩きつけて土の中から脱出した。弾いた右腕にパラパラと光が舞った。

「さすが器用ですねぇ。口頭と同時に、指の動きで別の命令文を記述するなんて。涙ぐましい努力ですねぇ。わざわざ指で出来るように、言語をまるまる1つお作りになられるんだから。なぜそこまでするのか、理解には苦しみますけど」

 実に大袈裟に涙を拭うグゼに、彼女は冷ややかに反論する。

「理解できないでしょうね。信じて託す。あなたにはできないことだから」

 泣いていたはずのグゼの表情が、すぐさま笑顔に切り替わる。

「誤解されたのならば失礼しました。私、大好きなんですよ、人の努力を見ることがね。特にあなたのもがき、苦しむ様は格別だ。とはいえそろそろお暇いたします。大剣使いの彼とも打合せもありますので。なに、お気遣いなく。ベルセルクルをおいてゆきますから、どうぞごゆっくり」

 もう沼にはまらないように、と化け物ベルセルクルに声をかけると、男は少女に背を向ける。そしてなにもない空中を、まるで見えない階段があるかのように登りはじめた。

 少女は叫ぶ。

「私たちの間に言葉は無意味ですけれど」

 グゼは空中で静止し、首だけ振り返る。

「私は私を生き抜きます。最後まで」

 その言葉に微笑だけ返し、グゼは再び歩み始める。その背後からどんなに激しい戦闘音が響いても、もう振り返ることはなかった。




 プロローグ 了

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る