プロローグ 〜箏峰柚葉〜
私は、何度か告白されたことがある。でも、一度もいいよと言ってあげられたことがない。好きな男の子でも、その場で即答は出来ない。時間が欲しいと言って保留にし、覚悟ができたらオッケーする。そうしようと思っていた。
でも、それを伝えようとその子に合うと、その子は灰となって消えていってしまう。自分の前から。
そんな経験を幾度か繰り返した。その場でオッケーした事もあった。それでも、翌日に合うと、相手の男の子は消えて、気付けば灰が自分の前を舞っていた。
私は目を逸らしてきた。認めたくなかった。自分には恋をすることが許されないなんて、そんなの不公平すぎる。嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ───────────。
こんな自分が、たまらなく許せなかった。
だけど、私は彼に出会って、とても救われた。私と同じ、異端な体質を持った、同じ高校のクラスメート。彼は優しくて、頼りがいがあって、だけど少し甘えん坊で、かっこよくて.......。
私はそんな彼を愛してしまった。誰かを愛することは、意識して止められる訳じゃない
それなら苦労なんてしない。
例えできたとしても、どこかで必ず爆発する。
そして、私は自分を悔やんだ。
でも、だからといって、どうすることもできなかった......。
これは、彼を愛してしまった私の、最後の恋の物語─────。
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