密猟しないでくだサイ
夢水 四季
第1話
ぼくが、動物園に行ったとき、こんな声が聞こえたんだ。
「やあ、こんにちは」
「だあれ?」
「ここだよ、ここ」
「わあ、サイが喋ってる」
「そうだよ、おいらはサイだよ」
「わあ、すごい」
「突然だけど、おいらのツノがいくらで売れるか知ってるかい?」
「さあ、知らないよ」
「6千万円さ」
「ろ、ろくせんまん?」
ぼくは、それがどのくらいのお金か、想像できなかった。
「ツノを求めて、人間は、おいらたちを密猟するんだ」
「みつりょう?」
「やっちゃダメなのに、おいらたちを捕まえることさ」
「なんで、やっちゃダメなことをやっちゃうんだろう?」
「おいらたちの命より、お金もうけが好きなのさ」
「そんなのひどい!」
「おいらは、この動物園に守られているけれど、アフリカにいる友達は、どうなったか分からない」
「心配だね」
「ああ。だから、君には忘れないでほしい。密猟される動物がいるってことを」
「うん。分かった」
家に帰って、お母さんに今日の話をしてみた。
「そういう動物のことを絶滅危惧種っていうのよ」
「ぜつめつきぐしゅ?」
「密猟とか、人間のせいで、地球上からいなくなってしまうかもしれない動物のことよ」
「そんなの、さみしいよ」
「だから、忘れちゃダメよ。そういう動物がいるってこと」
「うん、分かったよ」
ぼくは、このことを色んな人に話そう、そして知ってもらおう、と思ったよ。
さあ、君はどうする?
密猟しないでくだサイ 夢水 四季 @shiki-yumemizu
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