夜泣きの隣
@szap
夜泣きの隣
エアコンを使うにはまだ涼しい夜
窓を開けて寝ていると、踏み切りの音が聞こえる
私の生まれ故郷には、電車は走っていなかった
夜には海の波音が重く響いていた
思えば、遠くまできたものだ
暑くて寝返りを繰り返す長子と、踏み切りの音でなんとなく目を覚ます次子に挟まれて、ぼんやりと考える
この町に海はないから、この子達はあの波の音を知らないで育つ
それは、私とはまるきり違う生き方をするということだ
私が教えられることなんてあるのかしら
なんて、ぐずぐず考えていると、次子がいよいよ起き出して、ふにゃふにゃと泣き始める
私が今すべきことは、この子に乳をやること
そして、長子が起きる前に泣き止んでもらうこと
ぼんやりした未来の話は、また今度
夜泣きの隣 @szap
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コメント欄新作/@0pj329512
★0 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
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