蛇帯の少女は落ちこぼれの祓い屋に恋をする

ことり

帯金華蛇と別れの日


───黄昏時。

そう呼ぶのにふさわしく陽を落とした青い空は、今や目を刺すような眩しい緋色に包まれて細い路地を照らし続けている。

都心から少し外れた通りは街の喧騒と程遠く、息が詰まるほど寂寞とした空気を醸し出していた。

そんな妖しく光る道の小石をザリと鳴らして歩く青年が一人。



───祓戸椿はらえどつばき

ナチュラルショートの黒髪と、爽やかに整った容貌を有した彼は、持ち前の上背の高さとスラリと伸びた長い足を活かして、今どきの若者らしいカジュアルコーデを難なく着こなしている。いかにも好青年といった装いが印象的だ。

骨ばった手にはビニール袋がぶら下がっていて、中の生鮮食品がガサガサと音を立てる。

彼はスーパーの買い出しを終え、今まさに帰路についている最中だった。


ザリザリとスニーカーと砂利を擦り合わせて歩く椿は、不意に足元に暗く伸びた影を踏んでふと足を止める。



視線を上げた先には小さな人影があった。

ポツリと佇む人物の顔も、身体も。逆光に沈んで深い闇を映し出すばかりだ。

黄昏───誰そ彼ともいう時刻の名の通り、あなたは誰ですか?と尋ねようとしたその時だった。


ゆらりと、その人物の背後に帯状の影が二本躍り上がる。それは大蛇のように自在にうねり、標的を狙い定めると───一直線に椿の元へ襲いかかった。


「なっ!?」


突然現れた命の危機に逃げるという思考すら働かず、衝撃に耐えようと椿は固く目を瞑る。

得体の知れないそれが、椿の身体にあと数センチで触れる範囲まで近づいたその瞬間だった。

二つの影は、椿バチッと見えない壁によって弾かれる。

跳ね返ったそれは力を失い、へにょりと地に伏した。

脅威の気配が去ったのを確認して、恐る恐る椿が瞼を開くとそこには、檳榔子黒と金色のいかにも高級感溢れる華美な幅広の布が横たわっていた。


「なんだこれ...帯...?」


呆然と口を動かした椿は、向かいから「や.と.....」という小さな声を拾ってハッと顔を上げた。

自分に襲いかかった相手だ。次は何を仕掛けてくるつもりなのかとごくりと唾を飲み込み、警戒しながらめ付ける。

目の前の人影は怒りからか、はたまたそれ以外の感情からか。心做しかプルプルと震えているようにも見える。

一向にアクションを起こさない影に、何か話しかけるべきかと椿が張り付いた唇を開こうとした時だった。


この場に似つかわしくないほど朗らかな声が響いたのは。


「やっとお会いすることが出来ましたわ〜、宗二郎そうじろう様ぁっ!!」


は、と思う暇もなく駆けてきた人物に椿はタックルをかまされる。いや違う。タックルではなくて、かなりの勢いがついた抱擁だ。

ぐっ、と低く唸ったもののギリギリそれを受け止めて、頭から地面に倒れることは何とか免れた。


「ずっと...ずっと探していましたのよ!まさかこんなところで出会えるなんて...僥倖ですわ!」


先程の緊迫とした雰囲気は何処へやら。もはや敵意の欠片も感じられない相手に椿は唖然としてしまって、何も言えずにただ真下の頭頂部を見つめるばかりだ。

しかし、引っかかる言葉を捉えて椿は正気を取り戻す。


「ちょっと待て。探していたって...俺はお前とは面識がない。人違いじゃないのか?」

「いいえ、人違いなわけがありません!先程の見事な結界...わたくしが見間違えるはずがないですもの!」

「そうは言っても、俺の名前は宗二郎じゃないし、本当にお前と出会った記憶なんて一切ない。お前は一体誰なんだ?」

「嘘をおっしゃらないでください!もしやお忘れになってしまったのですか!?私です、帯金華蛇おびかねかなです!」


そう言ってバッと勢いよく椿から離れた華蛇は、自分の姿を隅から隅まで見てもらおうと必死にアピールをする。


そこに居たのは和服に身を包んだ少女だった。

歳の頃はまだ18程度にしか見えない。身長は椿よりも頭一つ分くらい低いだろうか。背中の中頃まで伸びた、漆を塗ったように艶やかな黒い髪がサラリと揺れる。海緑色の着物の裾には蛇の牙にも似た棘のある蔓が装飾されていて、右肩から胸元にかけてブーゲンビリアが施されていた。濁りのない澄んだ瞳はパッチリと大きく、その黒々とした虹彩に鏡面のように世界を映し出す。透き通った雪に負けず劣らずの色白の肌は一見少女を儚く印象付けるが、頬に差した紅と活気に漲る強い輝きがそれを裏切っていた。


あえてその少女の容姿を一言で表すならば、稀代の美貌の持ち主だ。


「どうです?思い出してくださいましたか!?」

「だから、お前なんて知らないって言ってるだろ!だいたい、俺の名前は祓戸椿、お前の尋ね人の宗二郎ってやつとは別人だ!」


話を聞かない華蛇に対して業を煮やした椿はとうとう声を荒らげる。

途端に華蛇は先程までの勢いを無くして瞠目した。


「椿.........様?」

「あぁ、そうだ。な?人違いだったろ」

「あの、もう一度お名前を伺っても...?」

「? だから、祓戸椿だ」

「祓戸...はら、えど....」


椿の姓氏を、飴玉を転がすように舌の上でなぞる。

何度かそれを繰り返すと、やがて華蛇は魂が抜けたように地面に座り込んだ。綺麗な着物が汚れるのもお構い無しに。ただ何も考えられない、考えたくないというように。

先程までの興奮状態とは打って変わって突然色を失ったその表情に椿は当惑する。

一方で当の本人、項垂れた華蛇は静かに口の開閉を繰り返していた。時折何かを言おうとして、それを飲み込んで。言霊を宿したくない。現実にしたくない。

そう願うかのように言葉を声に出すのを逡巡し続けていたが、幾許もなく、下唇を一噛みすると意を決して震える声を絞り出す。


「...椿様。貴方の、宗二郎という方はいらっしゃいませんか...?」

「はぁ?いきなりなんだよ」



──────


正直なところ、椿は宗二郎という名に深く聞き馴染みがあった。

だから宗二郎と初めに聞いた時、すぐにある人物が椿の頭を支配した。

しかし、そのことを伝えようとしなかったのは何も少女を邪険に扱おうとしたからではない。

目の前の少女の指すが椿の知ると同一人物であるはずが無いと考えたからだ。

この二人の間に繋がりがあるだなんて、ifを考えてみようにも到底想像がつかない。


───祓戸宗二郎はらえどそうじろう


彼は椿のにあたる人物だ。

尤も、とうの昔───椿が小学校に上がる前に不帰の客となっているので、あまり記憶は残っていないのだが。



祓戸家には先祖代々受け継がれてきた家業がある。

───はら

その名の通り、人ならざるものを相手に様々な現象を解決していく、いわば怪異専門の何でも屋のようなものだ。

だが実際に妖を祓っていたのはもう遠い昔のご先祖さまのことで、現在は悩める人の話を気休め程度に聞くだけとなっている。


そんな椿の家系の中でも妙妙たる腕を持ち、祓戸家始まって以来の天才と謳われたのが椿の曾祖父、宗二郎であった。


どうやら生前は優れた祓い屋だったらしく、各地を転々としながら生業をこなし生活していたらしい。そうしているうちに人生の伴侶───曾祖母に出会い、本家に戻ってきてようやく腰を落ち着けた───というのが椿の知る宗二郎の情報だ。


つまり、生前の宗二郎を知る者は少なくとも齢24の椿よりも歳が上でなければ説明がつかない。そうでなくては、物心もついていない幼子で何も覚えていないはずだ。



しかし、問うた華蛇の覇気を無くしたその瞳はどこか懇願するようにも見えて。存外に真剣な眼差しは椿の目を射抜く。

自分に襲いかかってきた相手であることも忘れて、椿はその視線に絆されてしまいそうだった。


「...家族になら、。俺のひいじいちゃんだ」


。その発言の意味を華蛇は即座に理解して、強く瞳を揺らした。


「───あぁ、やっぱり...そうですわね...そんなことが、有り得るはずがありませんもの...」


弱々しく零した華蛇はくしゃりと美しいかおを歪めた。

哀しみ、遣る瀬無さ、戸惑い、歎き───傷みを堪えているように見える表情は、失意を大きく内含して弧を描く。感情の整理が上手くつかず、精神の崩壊から自分を護るために無意識で力無く笑っているようだ。


そうしてどれほど経っただろう。

まるで鉛の沼の底のように停滞した空気の中では時間の進みが遅く感じられて。その沈黙は無限にも思えた。


スポットライトのように二人を照らしていた陽はとっくに地平線に隠れてしまって、くらがりに覆われた地上は華蛇の心を表しているようにどこまでも闇が続いている。

いつの間にか濃紺の周囲にしろく滲んでいた街路灯がパチンと爆ぜた。

ジジ、とうなる照明は青年と少女の行く末を見届けようと佇立している。


「...もう辺りも暗くなってきたぞ。大丈夫か?」


椿はぶっきらぼうに言い放った。何となく───何の確証も持たないけれど、この少女が危険人物だとはとても思えなくなったからだ。放置して立ち去れば良いものを、性根の善い椿は見捨てて置けない。夜の路地に女一人を残して行けるほど器用な人間では無いのだ。

そこでようやく言葉を発した華蛇は地面を見つめたまま


「ひとつ...ひとつだけ、お願いがありますの。出会ったばかりで不躾なのはわかっていますが、どうか聞きいれてくださいまし。私を、宗二郎様に会わせてください」

「いや、もうひいじいちゃんは亡くなって───」

「えぇ、ですから御仏壇にご挨拶だけでも。あの方は、私の大切な...恩のある方なので...」


地面に座り込んだままの華蛇は姿勢を整えると黒髪を垂らして平伏する。傍から見れば異様な光景に映るだろうそれに椿は狼狽えた。


「わかった、わかったから顔あげろ!ったく...でも、お前に俺のひいじいちゃんと関わりがあるようには見えないぞ。一体どういう繋がりだ?」

「それは...」


言いかけて口を噤む。何かを振り払うようにふるふると首を横に振ると


「ごめんなさい。それはお教えできません...申し出を受けてくださってありがとうございます」


華蛇は礼を言って立ち上がると椿の三歩後ろに下がった。天真爛漫なのか奥ゆかしいのか。いまいち言動に一貫性がなくて輪郭がぼやけている。

そんな華蛇を引き連れて椿は路地を抜けた。



路地を抜けて歩くこと数分。そのかん二人の間に会話はなかったが不思議と居心地の悪さはなく、スニーカーと草履の調子が異なった足音と袋の音が重なり合う。



その音は暫くしてふと途絶えた。


『祓戸』

そう書かれた表札の横にはやや塗装の剥げた門があり、それは囲う対象の持つ歴史を暗に物語っていた。奥には石畳敷きの細道に続いて荘厳と聳え立つ屋敷が見える。由緒の正しさが伺える一軒家は名家特有の威厳が漂っていた。

───正真正銘、椿の家だ。


立ち止まった椿は華蛇を先に通し門を閉める。小道を行き、ガラガラと滑りの良い玄関の戸を引くと、純和風の外観とは一風変わって和モダンな作りの室内が見えた。

椿は先に靴を脱いで上がると、自分に着いてくるように華蛇を促す。

そうして一番突き当たり、右奥の部屋の襖を開けた。


中は畳の並べられた日本式の部屋で、充満した藺草いぐさの匂いが空気の流れに乗って布散する。濃厚な草の匂いに不快感はなく、むしろ心地の良さすら感じる。椿も華蛇も、日常を逸脱した巡り合わせに知らず知らず緊張していた心は少しの穏やかさを取り戻した。

目的を果たすため、華蛇は畳を視線で辿ると、壁際に絢爛にしつらえられた仏壇を発見する。質素な和室に似つかわしくないほど華美なそれは、意外なことに異彩を放つことはなく、慎ましやかにこの部屋に溶け込んでいた。

その上部。

壁に掛けられた沢山の白黒の、そのひとつの額の中に呼吸も忘れて華蛇の目は奪われた。

刻まれた皺をくしゃりと縮めて幸せそうに笑う昔人の姿に。

華蛇の探し求めていた人物───宗二郎だ。

華蛇の知る宗二郎とは別人のように形姿が異なっている。それでも、それは華蛇の知る宗二郎以外の何者でもない。華蛇の知る宗二郎以外は有り得ない。

ふら、と覚束ない足取りで一直線に仏壇に向かい、その正面でへたり込む。

座布団の上で足を直すと、華蛇は瞼を閉じ、手を合わせた。祈りを捧げているようにも見えるそれは、まるで信者みたいだ。


敷居を跨ぐことなく廊下に立ったままの椿はその光景をただ黙して見ていた。出会った数刻前よりも更に小さくなった少女の背中に、曾祖父への強い執着と並外れた感情を悟る。


一体曾祖父と少女との間に何があったのか。


訊きたくても、本人が話したがらないのを無理に聞き出す訳にもいかない。


「...ふっ........」


そんなことを考えていると、やにわに嗚咽が耳に届いた。

椿がハッとして耳を澄ますと、少女の方から小さく「.....っく....ひ....」と抑えきれずに漏れ出る悲痛な聲が響き続けていた。狭くなった気道から無理に空気を吸い込もうとしてとても苦しそうだ。椿の位置から華蛇の表情を見ることは叶わないが、。それだけは理解出来た。

やがて、耐えられなくなったのか少女の身体は崩れ落ちる。

手を地について、今にも壊れてしまいそうなほど弱々しく身を震わせる華蛇。

そんな彼女に対して


話しかけるべきか、否か。


椿は思い迷うが、華蛇と曾祖父を二人きりにしてあげた方がいい。そんな気がして優しく襖を閉じ、場を後にした。

これ以上、痛々しい少女を見ていられないと思ったのもあるけれど。







あれから30分ほどが経っただろうか。

西洋の風を思わせるシックに洗練されたリビングでソファに体を沈め、椿がぼんやりとスマホを弄っていると、ダークブラウンのドアが内に開く。

おずおずと入室した華蛇に元気がないのは明らかだった。

ウサギのように目元を赤く染めて、長い睫毛にはまだ朝露の如く水滴が残っている。

華蛇は椿の姿を確認すると、眉を八の字に下げて


「お気を遣わせてしまってすみません...宗二郎様に会わせてくださってありがとうございます」


と笑った。掠れた声と無理につくっているのが透けて見える顔に椿は苦々しく溜息を吐く。


「別に。俺は家に連れて来ただけだし礼を言われるようなことは何も...」

「いえ、椿様のおかげで宗二郎様にお会い出来ましたもの。....本当は、まだ存命でいらっしゃるかもと淡い期待を抱いたのですが...今、はっきりと理解しました。あの方はもう、この世の何処にもいらっしゃらないのですね」


痛みを堪えるように華蛇は腕を強く握る。すると、サラリと長い髪を垂らして


「本日は、要望に応えていただきありがとうございました。...私はこれでお暇させていただきますわ....さようなら」


そう一礼を残して去ろうとした───しかし、椿はそれを阻止する。



今思えば、これが全ての始まりだったのかもしれない。



「待て、もう外は暗いぞ。若い女が一人で歩くには危険じゃないか?今日は泊まっていけよ」

「えっ?」

「......あっ、いや、危害を加えるつもりは全くない。ただ、そんな状態で帰らせてお前に何かあったら、寝覚めが悪いだろ」


言い方が誤解を招く、と思った椿は弁明しようと心の内を吐露する。

予想外の事を言われた華蛇はポカンと椿の方を見て───初めて、本当の意味で笑った。過去を重ねるように、何処か郷愁の念を込めて。


「ふふっ、椿様は、本当にお優しい方なのね...本当に、あのお方にそっくり。...では、お言葉に甘えてもよろしいですか?」

「あぁ、来客用の部屋がある。俺の部屋からなるべく遠い場所に案内するから、安心してくれ」

「そうまでなさらなくても、椿様のことは信頼しておりますわ。宗二郎様のお孫様であるのもあるけれど...それ以上に、親切でとても素敵な方だとこの短い間でわかりましたので」


弱りきっていた華蛇は少しの明るさを取り戻したようで、椿を柔らかく見つめる。

そこには、特別な想いが宿っているようにも見えた。



そうして奇妙な客人との夜が明ける。










「おはようございます、椿様!」


椿が眠い目を擦りながらリビングのドアを開けると、肩越しに振り返って華蛇が挨拶を告げる。

ふわり、と香る食欲を刺激する匂いに椿は一瞬停止した。


「...何してるんだ?」

「勝手ながら朝食のご用意をさせていただきましたわ。お口に合うとよろしいのですが...」


言いながらパタパタとキッチンとテーブルとを忙しなく行き来する華蛇に言葉を失った椿は、冷静になろうと椅子を引いて腰を下ろした。


「ありがたいけど、客人にそこまでしてもらう訳には...」


苦言を呈そうとした椿に、華蛇はふるふると首を振って


「いえ、もう客人ではございませんわ」


───は?と怪訝そうな面持ちで視線を投げた椿に、華蛇は太陽のように眩しい笑顔を向けて


「私をここに置いてくださいまし。私は...華蛇は椿様に恋をしてしまいましたの」


鈴の音のように澄んだ声でキッパリと言い放った。健気に聞こえるそれは、強い意志を持って椿を逃さまいとしているようにも思える。

突拍子もない展開に、当然ながら頭を真っ白にした椿は、なおも美しく笑う華蛇を唖然と見る。


「い、やいやいや、は、え?何言ってんだ?」

「ですから、貴方様をお慕いしております、と申したのですよ」

「そんな昨日の今日で───」

「えぇ、その昨日で椿様の優しさに私は感激しました!もうゾッコンです!」

「話を聞け!だいたい、置くって一緒に住むってことだろ?お前の家は───」

「宗二郎様を探す旅に出る、と決めた時に売却済みですから、今は宿を転々としている現状ですわ。ね、問題ないでしょう?」

「大アリだ!勝手に決めるな!」

「───では、椿様は私を追い出すのですか?」


華蛇は捨て犬のような目付きでじっと椿を見つめる。うっ、とたじろいだ椿は見た目に反して強かな...いや、傲慢な華蛇に何を言っても無駄だと悟ったのか、重々しく溜息を吐く。


「...わかった、けど、妙な真似したらすぐ追い出すからな」

「〜〜〜っ!やっぱり椿様は素敵な方ですわ!ありがとうございます!」

「言ったそばからくっつくな!」


目に見えないハートを飛ばしながら華蛇は思い切り椿を抱きしめる。

すっかりと往来の元気を取り戻したらしい華蛇は、少々鬱陶しいくらいに椿を煩わせた。



こうして二人の同居物語が幕を開けた。

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