LV-13:ルッカ再び

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◆インディ(魔法使い)LV-49

右手・キラーソード

左手・なし

防具・ガッテラーレの鎧

アクセ・守りの指輪

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◆ティシリィ(戦士)LV-46

右手・ホーネットソード

左手・光りの剣

防具・ガッテラーレの鎧

アクセ・守りのブレスレット/雨の恵

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◆ナイリ(賢者)LV-39

右手・キラーソード

左手・ガッテラーレの盾

防具・ガッテラーレの鎧

アクセ・守りのバングル

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◆エクラウス(僧侶)LV-35

右手・魔道士の杖

左手・ガッテラーレの盾

防具・ガッテラーレの鎧

アクセ・守りのブレスレット/雨の恵

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 俺たちは見た目だけのアクセサリーも含め、装備を改めルッカへ向かっている。


 俺とエクラウスさんはお揃いのイヤリングを、ナイリは緑の宝石を埋め込んだような、賢者感満載のイヤリングを装着していた。


 装備に関しては、王様から贈られた戦士専用の剣『光りの剣』。この剣は、腰に下げているだけでキラキラと眩しい光りを放っている。ルッカのプレイヤーたちも驚くことだろう。


「光りの剣を持ってたら、ホーネットソード要らないんだけどなあ……まあ、どっかで売り飛ばせばいいか」


 光りの剣は、縦に振ると単体攻撃、横に振ると全体攻撃となる。とても便利かつ、強力な剣だった。しかも、飛行するモンスターにも届くため、ティシリィ以外は戦闘を眺めているだけの事が多かった。ルッカへの道中に出てくるモンスターなんて、今や俺たちの敵ではない。


「だ、大丈夫か、みんな。アタシだけ楽しんでるようで、なんだか申し訳ないんだが……」


「何を言っておるんじゃ。ワシら休憩できて言うことないわい」


 エクラウスさんのセリフに、俺とナイリはウンウンと頷いて見せた。



 そんなペースで和やかに進んでいると、ティシリィが「静かに!」と両手を広げて、俺たちを制止させた。


「アイツだ……アイツが出た……」


「何? 何も見えませんが!?」


「静かに……虹色のスライムだ。今、茂みに隠れた。ロクサスはどうやって倒したか知らないが、インディが倒したときは背後から斬って捨てた。……インディ、茂みの左側から入って、アイツと向き合ってくれないか。アタシは右側から回り込んで、背後から斬る」


 俺はティシリィに無言で頷き、静かに茂みの左側に回り込んでいく。初めてティシリィと出会って、スライムを倒した時の逆パターンだ。


 いた……


 虹色のスライムは俺を凝視している。逃げるか攻撃するかで、迷っているのだろうか。よく見ると可愛い顔をしている。すまないな、俺たちのさらなるレベルアップの為に、その身を捧げてくれ……


 次の瞬間、スライム背後の茂みからティシリィが飛び出した。光りの剣は大きく振り上げられている。そして、俺の時と同じように、虹色のスライムはティシリィに気付くと同時に仕留められた。


「よっしゃあああっ!!」


 ティシリィは雄叫びを上げた。


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◆インディ(魔法使い)LV-56

右手・キラーソード

左手・なし

防具・ガッテラーレの鎧

アクセ・守りの指輪

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◆ティシリィ(戦士)LV-60

右手・ホーネットソード

左手・光りの剣

防具・ガッテラーレの鎧

アクセ・守りのブレスレット/雨の恵

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◆ナイリ(賢者)LV-50

右手・キラーソード

左手・ガッテラーレの盾

防具・ガッテラーレの鎧

アクセ・守りのバングル

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◆エクラウス(僧侶)LV-55

右手・魔道士の杖

左手・ガッテラーレの盾

防具・ガッテラーレの鎧

アクセ・守りのブレスレット/雨の恵

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「おおお! 凄いのう! 虹色のスライムとはこんなに経験値を恵んでくれるのか!! 『雨の恵』との相乗効果で凄い事になっとる! ほれナイリ、今度はお主が持っておけ」


 そう言って、エクラウスさんはナイリに雨の恵を渡した。


「ありがとうございます! ティシリィなんてインディのレベルを追い抜いちゃったんですね。ああ凄い、私たち無敵じゃないかしら!」


 いつになく、ナイリもはしゃいでいた。


 それでもやっぱり、一番喜んでいるのはティシリィだ。端末を見ているその顔は、子供でもめったに見せない程の笑顔だった。


「なあ、インディ……テセラの塔でワシが背後から襲われたとき、ティシリィは『汚い奴らめ!』って言っておったよな」


 エクラウスさんが小声で言ってきた。俺もおなじ事を思っていた所だった。



***



「おい……アイツら誰だよ……」


「見ろよ、あの剣。ピカピカ光ってる……」


「剣だけじゃなく、他の装備も凄いぞ。あの大きいイヤリングは何の効果があるんだろう……」


 ルッカに辿り着いた俺たちに、他のプレイヤーたちの視線が突き刺さった。


 第1便のプレイヤーが今日で10日目、第2便が7日目、第3便が4日目だ。にも関わらず、思ったより多くのプレイヤーが、ルッカにはまだいた。


「アタシがインディに会ったのが4日目だったもんな。まだ、ここに多く残っていても仕方ないか」


「ワシもズルズルと、ルッカで飲んでおったからの。なんか懐かしい気持ちになってきたわ。どうじゃ、まずはレストランで休憩しようじゃないか」


 そう言って、エクラウスさんは俺と初めて食事を取った時の席に腰を掛けた。どうやら、ここがお気に入りの場所なんだろう。


「あら! エクラウスさんじゃないですか! まあまあ、立派な装備になられて……どうしてまた、ルッカに戻ってこられたんですか?」


 レストランの店員が声を掛けてきた。毎日通っていたエクラウスさんは、馴染みの客になっていたのだろう。


「おおお、ご無沙汰しておったな! 王様へ謁見した所、ルッカへ戻れとの指示があっての。あっ……これ以上は進行の妨げになるかもしれんからの、これくらいにしておくが……」


「あ、あのっ、どこまで進まれたんですか? 噂では、最前を走るプレイヤーは、テセラの塔を攻略したとか……」


 辺りを見渡すと、俺たちを囲むように多くのプレイヤーが集まっていた。その中の一人、若い男性が質問を投げかけたのだ。色々と俺たちに聞きたい事があるのだろう。


「ああ、最前のプレイヤーとは、アタシたちの事だ。テセラの塔を攻略し、訳あってここに戻ってきた。なかなか手強いぞ、テセラの塔は」


 周りから、「おーーー」という歓声が上がる。


「ちなみに、そのピカピカ光っている剣はお幾らなんでしょうか……? この付近で売っている剣とは別格の雰囲気を漂わせていますが……」


「ああ、これは……実際に自分たちで確かめてくれ。多分、その方が手に入れた時の感動も変わると思うから」


 ティシリィは何でも話してしまうと思ったが、そんなことは無かった。


 周りのプレイヤーの視線はティシリィに集中している。赤い髪という理由だけでなく、ティシリィには不思議なオーラがあった。


「質問ばかり、すみません……正直、この先進められるかどうか、本当に不安なんです。何か助言とかありますでしょうか……」


「それに関しては、ハッキリとした答えがある。もし、アンタたちもここから先に進みたいなら……良い仲間を見つけろ!!」


 ティシリィのそのセリフに、プレイヤーたちは大いに沸いた。


 その言葉はプレイヤーたちを励まし、感動を与えた事だろう。


 もちろん、俺とナイリ、エクラウスさんも含めて。





 エクラウスさんが聞いたところによると、第1便150名、第2便150名、第3便200名を合わせた500名の内、既に150人程がリタイヤしたとの事だった。


 オフレコで聞いたとの事だが、余りに金を使わせるシステムに、激怒したプレイヤーも何人か居たらしい。ある程度、この世界ではお金が必要な事を明記はしていたが、俺も同じような感想を持ったのではないだろうか。


 そう、虹色のスライムを倒していなければ。

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