第13話『ガチャがしたい』


 俺はなんともいえない優越感でいっぱいだった。

 

 なぜなら、俺の場合、魔王だからだろう、初回無料で、なおかつ2回目から2千円だからだ。一般の、陽介や善司は、初回は無料はなく、1回、200万円である。武具ガチャ、装飾ガチャ、スキルガチャ、ペットガチャがね。後、ショップではウッドソードがなんと、1本、20万円である。

 神崎さんが教えてくれた。


「俺、魔法が使えるようになりたいんだ」

「拙者でもござる」

「いや、二人の気持ちはわかるが、そこは武具の装備が大事じゃないか?」

「確かにそうだが、俺達にはバッドがある」

「そうでござる」


 

 そう、二人はやっと窓(ウインドウ)を開く事に気づいた。まあ、スマホの情報から得たものだが。

『チュイッター』とかな。そして、俺達は善司の自宅に向かっていた。

 道には第1ゲームが終わったのに、ノーマルラビットがいた。だが、それ以上のモンスターはいない。俺達は軽く倒しながら、向かっていた。



「だったら、俺が武具を買って、お前らにあげるよ」

「え? いいのか!?」

「いいのでござるか?」


 二人は驚く。まあ、無理もない武具も高いからな。


「いいか二人とも、装備って滅茶苦茶、重要! RPGで裸で戦う主人公なんて、いるか?」


「ははは、いないな」

「いないでござる」

「だろ?」


 ウッドソードが1本、20万円。ブロンズソードが1本、50万円だ。ミスリルソードに関しては1本、5000万円もする。だが、ここは日本だ。第1ゲームで無法地帯となったが、今はどうだ?

 だが、うちの国は法治国家。本物の剣を持ち歩いたら、銃刀法違反で捕まるかもしれない。


「二人には杖をあげようと思うんだけど」

「杖か?」

「杖でござるか?」

「ああ、そうだ。日頃から、二人にはお世話になってるからな」

 俺は素直に言うと。


「ゆ、ユリオ……お前ってやつは!」

「ユリオ殿、良い奴すぎるでござる」


 二人は俺を近寄り、頭をわしゃわしゃ、撫でる。


「やめろよ!」

「「良い奴だ!!」」

 

俺は二人に1本100万円する魔法の杖(マジカルワンド)を2本、購入し、二人に渡す。


「うおおおお! 杖だ!!」

「魔法の杖でござる!!」


 二人は大喜びである。


「なあ、さっそくスキルガチャ、引いてみろよ」

「そうだな」

「そうでござるな」


 二人はおそるおそる、200万円を窓(ウインドウ)に投入。

 スキルガチャを引く。


「どうだ?」

「おおお!」

「何だ? 何が出た!」


「俺は《ファイヤーランス》だ」

「おお!」

 炎の槍か。


「善司は?」

「《アイスアロー》でござる」

「おお!」

 氷の矢か。

 二人とも、引きがいいんじゃないか?


 確か、炎の槍(ファイヤーランス)は、HR(ハイパーレア)だ。

 氷の矢は同じくHR(ハイパーレア)だ。


「よし、二人とも試しに使ってみよう!」

「やし、やるぜ!」

「使ってみるでござる!」

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