第11話『第1ゲーム終了』

 


 そして、3日後の朝。

 

 俺達が早めの朝食をとった後、教室でその時を待っていた。

 他の生徒たちも真剣にスマホを見ていた。


「もうすぐだな」


 陽介のごくりと唾を呑み込み、スマホを見る。

 アプリで拾った、デジタル時計だ。


「ああ、そうだな」

「そうでござるな」


 俺と善司も陽介のスマホをのぞき込む、時計の針を見つめる。


「10、9、8、7、6――」

 陽介は数字を言う。


「5、4、3――」

 俺と善司も混ざる。



「2、1――」





「ゼロ!!」




「やったあああああああああああああああああああ!!」「うおおおおおおおおおおおおおおおお!」「よっしゃあああああああああああああああああああ!」

 俺達は叫び、一部のクラスメイト達も叫んだ!



「200万円ゲッドおおおおおお!!」



 クラス中が歓喜。

 隣のクラスも廊下にいる人たちも、喜びの声が聞こえてくる。



「200ま~んえん!」「200ま~んえん!」「200ま~んえん!」

 謎の200万円の歌が流れる。



「てか、あいつら、ノーマルラビットを倒したのか?」


 俺は小声で陽介に言う。


「ああ、あっちのリア充組も、俺達の後に野球部の部室でバッドを手に入れて、ノーマルラビットを倒してたみたいだぜ」


「そうなのか?」


「そうでござるよ」


 まあ、200万円、欲しいよな。俺は納得。


「てか、200万円って、いつもらえるんだ?」

「さあ?」

「銀行に振り込まれるので、ござるか?」

 俺達は疑問に思っていると、


「あれは何だ!」

「なんだ、なんだ!」


 俺達は、窓際に行く。

 空に門が出現していた。


「ま、まさかボスとかじゃないよな!?」

「いや、もうゲームは終わってるハズだぞ!?」

「そうでござるよ!?」


 すると、門は開き、おびただしい鳥が出てくる、出てくる。


「うおおおお、こっちにっくるぞ!」


 窓から鳥が入ってくる。

 俺は、隅っこに逃げる。


「なぜ、鳥が?」


 そして、1匹の鳥がこちらに、テクテクと向かってくる。

 害はないと思いたい。


「ユリオ様」

「しゃ、喋った!」

「私の首元にあるバッグの中をとってください」

「は、はい」

 俺は言われた通り、おそるおそるだが、鳥の首元にかかっている、小さなバックの中を開ける。

「か、カード?」

「おとりください」

「はい」

 俺はバックからカードを取り出す。


「これは何だ?」

「超越神カードです。超越神銀行で200万円を引き出す事ができます」

「マジで?」

「はい、マジです」


 これが、銀行のカードか。


「受け取り完了ですね。では、さらばです」

 そういって、窓に外に向かって羽ばたいた。


 俺は近くにいた、善司の所に行く。

「受け取ったで、ござる。ありがとう」

 そういって、善司は鳥を撫でる。そして、その鳥は羽ばたいて、外に向かって飛ぶ。

「善司」

「すごいでござるな。鳥が喋るなんて!」

 善司は嬉しそうに、俺の元に来る。

「そうだな。鳥が喋るなんて、すごすぎだろ」

「これで、200万円ゲットですな」

「そうだな」


 まさか、鳥にカードを受け取る事になるとは。アナログじゃないか?


「ユリオ、善司」

「陽介」

「カードだぜ」

 陽介はカードを持ち、ニヤリとする。

「そうだな」

「そうでござるな」


 3人で喜び合う。他のクラスメイトは羨望と嫉妬が混じった目を向けられたが、嬉しさは消えない。リア充組もカードを受け取り、歓喜。


「超越神銀行ってどこにあるんだ?」

「そうでござるな」

「調べよう」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る