第二十話ー先輩ー
その「先輩」に事の経緯を話し、彼女を救って欲しい旨を伝えると一発OKをくれた。
何日か後に予定を組み、由菜に内緒で段取りを進めていった。
会議室で話した先生が「水曜、昼休みに相談室来てね〜」と軽く伝え、彼女は何か思う顔を浮かべた。しかし、先生はわざと見て見ぬふりをした。
相談室に向かう水曜日。少し気が重い由菜は、決して軽くない足取りで向かった。
(あ、電気ついて扉あいてる…)
そう思い、扉へ向かった。
「失礼します…」
恐る恐る入ろうとした。すると、先輩が眼中に映った。
「え…?あ、あっと…」
「由菜さん、とりあえず入って〜」
「おいでおいで〜」
なんか不気味な宗教のような風だと思ってしまい、思わず笑みをこぼしてしまった。
先輩がいることに困惑しながら、由菜は席に着いた。
「え?先輩がいるのって…なんでですか?」
「俺が呼んでん。流衣先輩やったら話してくれるんやろ?じゃあ吐き出したほうがいいかなぁって」
「先生を呼ばなかったことに疑問を持っているんですが」
「なんとなくです」
「なんとなくって…なんかおもろいですね」
何度か笑みをこぼしながら、話をしていた。
「では俺はこれで。あとは先輩頼むで?」
「ラジャー」
そういい、相談室を後にした。
「…なんか先輩すいません。貴重な時間を割かせてしまって…」
「別に大丈夫やで〜由菜ちゃん困ってるの助けたいし」
「ちゃん付け嫌なんでやめてください…」
「考えとくわ〜」
「即決して欲しかったです」
雑談が弾んできた頃で、先輩が話を進めた。
「じゃあ、本題入ろうか」
「…はい」
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