第十七話ー真相ー
話しあいは、先生を交えて行われた。彼女たちで行うのが1番良いが、そうすると何が起こるかわからないからだ。
「では、由菜さんのノートをなぜ取ったのですか?」
先生が言う。一人の犯人が手を挙げる。話し始めたのは事の経緯。
「取るつもりはなかったんだけど、机の下にノートが落ちてて、俺が置こうとしたら「見よーぜ」って他の人と話してて…それがこいつらです。」
由菜は黙ったまま、彼の方を見つめていた。すると
「あのさ、質問いい?」
といきなり言い出した。
「お前、なんで私のノートってわかったの?あれは名前も書いてないし…」
「由菜の机の下に落ちてたから由菜のかなーって…後そのノート持ってるとこ見たことあるからさ、そうかなーって思って置いとこうと思ったんだ」
「そっか。わかった。なら良い。」
由菜は納得した表情を浮かべ、声のトーンが若干明るくなった。
「んで、そのあとはこいつらが勝手にノート取って遊んでた。飽きた頃にこれどうしよう、ってなって…持って帰って2、3日して燃やした」
「まじで燃やすの意味わかんねー…」
「海里…そうだよね…」
海里と心子は俯き暗い顔になる。一方由菜はあまり表情を変えず事を話した彼を見つめていた。(土井…こいつ悪いやつじゃなかった)
土井は、事の経緯を話した人物。(目の色がおんなじだ…何かあったのかな?)
「ねえ。ノートってどこで燃やした?」
「俺の家。」
もう一人の犯人の人物の家。庭が広く、バーベキューもできるほどの大きさを持つ。
「はぁ…まっさかあんたたちがやるとはね」
由菜は声のトーンをそのままに、本物の声で言った。
「「え?」」
海里と心子の声が重なる。
「もうさ、別にあのノートめっちゃ大切なわけじゃないし、いいよ」
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