第十二話ー感謝ー

「あのね、二人ともありがとう。私、二人に救われた。ずっと根気強く話してくれて。あそこでは一気に態度変えるとまた言われるから」

「まあ確かに」

「俺も思った」

「でね、相談したいの。私、これからどうしよう…。入院中は何とも思わずに過ごせるけど、学校行ったら私、どんなふうにしたらいいんだろう?」

「そうだね…まあ今は体直そ?ね」

そういい、心子はもう片方の手を握ってくれた。

「二人とも…ありがとうね」

「「うん!」」

「ま、本当にありがとう。」

「俺何にもしてないで?」

「私も…由菜が1番怪我ひどかったし」

「ま、そうかもね。でも、此処まで持ってきてくれたのは二人のおかげ。本当にありがとう。」


その時、またドアが勢いよく開いた。

「由菜!目覚めたか」

担任だった。いつもは少し気だるそうだが、今日はものすごく元気だ。目が爛々として眩しい。

「え?手繋いでる?もしかして…」

「「「違います」」」

「一斉に全否定された」

「…俺らすげえな」

「ねー息ぴったり」

「…うん。そうだね」

由菜は少し微笑んだ。それで、空気があったかくなる。

「とりあえず進んだ分の勉強一覧。わからんとこはまた聞きな」

「わかりました。ありがとうございます」

「じゃ俺時間やばいんでこれで」

「さよならー」

と言い、帰って行った。

「じゃ、そろそろ時間やばいし帰るね。また!」

と、心子も切り出した。

「じゃーなー」

「心子…また来てね。ばいばい」

「…うんばいばい!」


「…みんな帰っちゃった」

「そうやな…勉強する?」

「あ、やりたい…」

「何やろうか?わかるとこは教えるで?」

「うん。ありがとう。」

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