第三話ー事実ー
この噂が回り、事態は急変してしまう。
ノートを見つけることに関しては何も難航することはなかった。そう。彼女本人の問題が回ってしまっていたのだ。そのノートの中身は、彼女以外誰も見たことがない。"そのはずだったのに"後悔が、何度もこの後襲うことになる。
窃盗の犯人が、中を見てしまったのだ。そこには彼女の痛い気持ちが文字に乗せられて描かれていた。全く関係ないものもあったが、日付を見るとノートが使い回しのものだとわかった。「A」「B」「S」そして「歌詞メモ」この言葉で彼らは確信したのだ。
「こいつは歌詞を書いてる」と。途端、そこは笑いに包まれた。
「こいつアホやん」
「マジでゴミ以下やな〜」
そう、信頼はここで消える。彼女も、彼も。
この噂が本人の耳に入って来るのにも、そう時間はかからなかった。
"え…?"彼女が聞いたのは、事実だった。彼らはSOSと捉えず、ただの遊びだと思っていたようだ。意思のままに読み取ったが、1番中心まで読み取らない。一部事実よりも軽く言われていたところもあった。結局何も撃つ手のないまま、悪い噂のみが広がった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます