通過する 電車に映る 君の目が 映す僕は 笑えていたか
二人で登校するのは久しぶりだった。彼女も僕も約束をするのは苦手で、いつもの時間がだいたい決まっている。けれど最近は朝練に委員会と時間がずれることが多く突き合わせるのも悪いから、とどちらかが先に行ってしまって1人で登校していた。おはよう、という彼女はまだ少し寒い空気に頬を赤くしてとてもかわいい。僕も少し遅れておはよう、と返したけれど、変な顔になっていなかっただろうか。直ぐに目をそらしてしまって、通過する電車によって少しの間ができる。電車の窓に僕を見る彼女が映って普段通りの表情にほっとした。
第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト短歌の部 成董 @seitouhbk
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