第1部 第2話
事件前日の天気が良い土曜日、空を飛んで登校していたヒイロは前方にフワフワと空を飛ぶ人を見つけました。スピードを上げ、距離を詰めたヒイロが「おはよう。」と挨拶すると、声を掛けられた少年は眠さを全然隠しきれていない表情のまま「おはよ~。」と挨拶し返しました。
ヒイロは口に出した言葉と一致していない少年の表情に苦笑しつつ「見たよ、チカラ。今朝のニュース。昨日は大活躍だったらしいじゃん!」と肘で相手を突っつくような動作をしながら茶化しました。
ヒイロにチカラと呼ばれた少年のフルネームは有働
チカラは少し照れながら、「そんなたいしたことないよ!結局怪物には逃げられちゃうし!」と謙遜しつつ、「まあでも、怪我人が出なかったことはよかったかな。」と笑いながら言いました。
「そうそう。十分すごいことをしたんだから素直に喜んでいいと思うよ。」
ヒイロは心の底から思っていることを言いました。だけどそれに続く「俺には到底できないことだから。」という言葉は口に出したくなかったので胸にしまっておきました。
「そうだね。ありがとう。」
ヒイロの言葉に少し照れながら、チカラは言いました。
「今日も活動はあるの?」とヒイロが質問しようとした瞬間、バサッと翼が羽ばたく音が聞こえたのと同時に視界が暗くなりました。
「おはよう!ヒイロ!チカラ!」
ヒイロたちを太陽の光から遮った翼の持ち主の挨拶に、ヒイロとチカラはやれやれといった感じで「「おはよう。ツバサ。」」と返しました。2人にツバサと呼ばれた少年はフルネームを白鳥
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