破章

破章解説




 『白玉はくぎょくそら』破章は以下の章立てとなります。



   序文

   1 喝破かっぱ

   2 地獄じごく

   3 覚醒かくせい

   末文



 カクヨム版は総文字数322,595文字。あとがきをふくめて全99話となります。




 「序文 親子」では、梶火かじほが孤児であること。育ての親である南方みなかた瀛洲えいしゅう災禍さいかで亡くなったこと。その遺体を背負い、指定された山中に土葬するところが描かれます。


 序章の末で、南方は同じ班(瀛洲邑エイシュウムラ東方ヒガシカタ三班サンパンに住所があります)の中に、災禍を起した蔓斑つるまだらの親戚があり、これがパニックを起こした邑人によって攻撃を受けないかを危ぶんで駆けつける様子が描写されました。



梶火曰く。

「長邸の状況見てから家の方に向かってった。ウチの近所にゃ蔓斑つるまだらの親戚がいるからな。あそこはあいつのとばっちりで一家丸ごと村八分食らってやがるから、こういう時にじじいみてぇな仲介ができる助け手がねぇとまずいんだよ!」



 邑長邸の近くですれ違った時に、西へ向かう梶火に南方が掛けた言葉が「死ぬなよ」でした。


 その南方の遺体を埋めるための穴を一人で掘り、一人で埋葬し、土饅頭をこしらえて、その場に腰を落とした梶火は独り呟きます。



「なあ爺。――俺、今度こそ本当に一人になっちまったよ」

「――俺、これから何のために生きりゃいいんだろうな」



 ***





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