第104話
「皆さん、おはようございます。今日はいつもと違う時間の生放送になります」
〈この前発売の雑誌見ました! ¥3000〉
〈澪奈さんの衣装見ました! めっちゃ可愛かったです! ¥10000〉
〈マネージャーさんも似合ってました! また見たいです¥2000〉
〈昨日の動画見ました! 来週の放送、楽しみです!〉
〈獅子原さんと戦ったんだよな……? どっちが勝ったのかめっちゃ楽しみだわ〉
〈さすがに四大クランのSランク冒険者相手だから、勝つのは難しいとして、どうなんだろうな……〉
〈もしSランク冒険者になっても日本に残りますよね!?〉
「そうですね。特にクランへの所属などは考えていませんので。えーとコメント欄が凄い勢いで全部には触れられないですけど……とりあえず、今日は能力の再検査を行っていきたいと思います」
生放送を開始してすぐに、多くの人が集まっていた。
……視聴者は、土曜日の午前十時という時間にも関わらず、すでに五万人を超え、今もなお増している。
普段と違い早い時間の生放送にしているのは、今日が再検査を行う日だからだ。
あれから三週間ほどはだらだらとレベル上げと装備品の購入に励み、ステータスの強化をしていった。
茅野圭介 レベル65 筋力:301 体力:65 速度:394 魔法力:65 器用:65 精神:65 運:65
ステータスポイント:0
スキル:【格闘術:ランク11】【石投げ:ランク7】【鼓舞:ランク5】
職業:【商人】
装備:【キングワーウルフの指輪 筋力+30 速度+30 スキル:雷迅】【速度のネックレス 速度+80】【筋力のネックレス 筋力+80】【速度のネックレス 速度+30】
装備合計:筋力+110 速度+140
ステータスポイント割り振り:筋力+16 速度+49
神崎澪奈(かんざきれいな) レベル62 筋力:203 体力:35 速度:334 魔法力:40 器用:147 精神:25 運:25
ステータスポイント:0
スキル:【氷魔法:ランク4】【剣術:ランク8】【銃術:ランク8】
装備:【ロングソード 筋力+40 速度+40】【ハンドガン 速度+40 器用+40】【ロングソード 筋力+27 速度+27】【ハンドガン 速度+27 器用+27】
装備合計:筋力+57 速度+105 器用+57
今日のために、俺たちはそれぞれ装備を購入し、ステータスを底上げした。
倒したウォーリアリザードマンたちの素材をすべて売却し、今月分のMeiQubeの収益も合わせれば、かなりの金額になったので、それぞれ装備を一新した結果、ここまでステータスが伸びた。
一応、現時点で買える装備の最高数値が+80だ。
まだ今の俺たちは二つも装備品を入れ替える余地があるのだから、驚きだ。
これほどまで強化できる装備は市場には出回っていないので、装備によるステータスの強化は俺たちが世界一だと思われる。
……まあ、一応迷宮でのドロップも含めればどうなるかは分からないが。
ていうか、この商人のショップはやはりぶっ壊れスキルだと思う。
俺が四つ装備品を購入し、それを誰かに装備させるだけで、ステータスが単純に320も増える。
筋力と速度に割り振っても、160、160だ。……これだけでBランク冒険者くらいにはなるだろう。
これから先また装備品が解放されれば、その能力はさらに伸びるわけだ。
これを、ぶっ壊れ以外にどう表現するのだろうか。
俺たちが生放送を開始したところで、秋雨会長が軽く手を挙げた。
……今日の検査には、秋雨会長も来ている。彼の警備を務めるボディーガードや、細かな仕事のための職員もいる。
先ほどの秋雨会長の動きは、検査の準備が整った合図だ。
「あっ、準備ができたようなので……それではまずは私からにしましょうか」
澪奈がそういって、待機していた職員の方へと近づく。
俺も澪奈を追うようにカメラを向けると、職員が検査機を澪奈へとむける。
「さて、それじゃあ早速検査していきましょうか」
〈いよいよか……!〉
〈これって数値でSランク冒険者かどうか分かるんだっけ?〉
〈99でSランク冒険者。それ以上はこの検査機だと測れない〉
〈つまり、99が出ればいいってことか……!〉
皆の期待を胸に、澪奈が検査機に片手をむけると、検査機がゆれながらすぐに数値をはじき出す。
この場に静寂が訪れる。俺を含め、皆が覗き込むようにしてその数値を見る。
すかさず検査機にカメラを向けると、そこには「99」という数字が表示されていた。
〈おおお!?〉
〈予想してたけど、やっぱりSランク冒険者だよな〉
〈ていうか、澪奈ちゃんでSランク冒険者じゃなかったら、誰がSランクなんだよって話だよな〉
〈おめでとう! ¥20000〉
〈Sランク冒険者誕生の瞬間に立ち会えてうれしいです! ¥10000〉
検査機の記録に、コメントは一気に伸びていく。
……さらに視聴者も増えていき、あっという間に十万人を超えてしまっていた。
外国語も飛び交い、かなりカオスな状態のコメント欄はさらに盛り上がっていく。
……これ、下手したら十五万人くらいいくのではないだろうか?
むしろ、澪奈からではなく俺からのほうがよかったのでは?
そんな疑問を抱いていると、パチパチと拍手がされる。
秋雨会長の許可はもらっていたので、そこでカメラを向ける。
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