第22話 花束

人の死は人を不幸にする。

人間はいつか死ぬ。

その時がくれば多分わかるのだろう。

だけど、人と関わり自分に優しくしてくれた人の言葉は一生忘れることはないだろう。

忘れることができないから余計に苦しんでしまう。

死んだ人から聞こえてくるのはいつもの優しかった声が言霊ように包み込んでくれるはずだ。


叔母さんの葬式をよく覚えてる。

花がいっぱい飾ってあって真ん中に写真があって、叔母さんが寝転んでるの。

でも、死んでるようには見えなかったな。

叔母さんきっと浮遊力増してきっとみんなの前に立ってそうだったな。

悲しいより叔母さんがどんな人生を生きてきたのか子供ながらに気になってたな。


誰も人に興味がないことぐらい知っている。

友達と会う時に友達に『待った?』と聞かれて『待ってない』と答えるけど、実際は2時間待った。でも、友達には怒れなかった。

友達との縁が切れるのが嫌だったから。

友達に会いたい時がたまにある時、素直に会いたいとは言えない。

トイレに頻繁に行けないし、誰かに合わせることがすごく苦手だったから。

年賀状を通して会おうねと約束するけど、約束はいつも約束で終わる。

きっと過剰反応なんだろう。

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