ゲンジボタル

@yuremarchan

ゲンジボタルとの運命の出会いそして別れ

到来






1.

打ち水の 虹が呼び込む 蛍かな


うちみずの にじがよびこむ ほたるかな




2.

手の内で 小さな魂 預かりし


てのうちで ちいさなたましい あずかりし




3.

おちょこ水 草で覆いて 蛍乗せ


おちょこみず くさでおおいて ほたるのせ




4.

指先で 溺れる蛍 救い上げ


ゆびさきで おぼれるほたる すくいあげ




5.

冷凍の リンゴ以外は 辛い水


れいとうの りんごいがいは からいみず




6.

蛍来て 静かに歩く 昼間かな


ほたるきて しずかにあるく 昼間かな








7.

夜なりて 草の闇から 光る宝石


よるなりて どくだみのすきま ひかるほうせき



 

8.

チカチカと 蛍光れば ドキドキし


ちかちかと ほたるひかれば どきどきし




9.

暗闇で 遊ぼ伝える スマホ光


くらやみで あそぼつたえる すまほこう



 

10.

スマホ持ち 素早くワイプ 君光り


すまほもち すばやくわいぷ きみひかり




11.

ワクワクか 威嚇の光か だんだんと


わくわくか いかくのひかりか だんだんと



 


12.

風揺らす 蛍乗るカゴ 遊覧船


かぜゆらす ほたるのるかご ゆうらんせん










13.

逃がせども 飛ばぬホタルに 月見せて


にがせども とばぬほたるに つきみせて




14.

カゴの端 よろよろ歩く 飛べじとも


かごのはし よろよろあるく とべじとも




15.

呼びかけに 神の声聞き 光る君


よびかけに かみのこえきき ひかるきみ




16.

殻光り 起こす体から 魂離脱


からひかり おこすたいから かいりだつ




17.

霧の朝 魂いっぱい 吸い込んだ


きりのあさ たましいいっぱい すいこんだ




18.

扇風機 花びらと殻 震わせる


せんぷうき はなびらとから ふるわせる




19.

探してる 標本にする瓶 ふらふらと


さがしてる ひょうほんにするびん ふらふらと




20.

蛍漬け 光にかざす ジャムの瓶


ほたるつけ 光にかざす じゃむのびん

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ゲンジボタル @yuremarchan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ