第6話 積分と深まる絆
夏休みが近づき、学校は静かになっていく。しかし、光司と莉緒の間にはいつものように活気が溢れていた。彼らの心は一つの方向に向かって大きくなっていた。
「今日は積分の問題を解こう。積分とは、微小な部分をすべて合わせて全体を表すこと。」光司が教科書を開き、莉緒に向けて話し始める。
「そうね、積分は部分から全体を理解するための手法ね。」莉緒が言うと、光司はにっこりと笑う。
「それは僕たちの関係にも当てはまるんだ。君と過ごす微小な時間を積み重ねて、僕たちは深い絆を築いている。」
その言葉に莉緒は少し驚き、顔を赤らめる。しかし、その表情は同時に喜びに満ちていた。
「私も同じように思っていたわ、光司。私たちの時間は、小さな部分が積み重なって大きなものになっている。」
その日の放課後、図書館が閉まる時間が近づくと、光司は莉緒に向けて深刻な表情を浮かべる。
「春野さん、僕たちはこれからも一緒に勉強し続けるよね?」光司の言葉に、莉緒は驚く。
「もちろんよ、光司。何故そんなことを聞くの?」莉緒が尋ねると、光司は緊張した表情を見せる。
「だって、僕たちはこれからも積分のように、小さな時間を積み重ねていく。その結果が、僕たちの絆になる。だから、これからもずっと…」
その瞬間、光司の言葉は途切れ、彼は深呼吸をする。そして、再び莉緒に向かって言葉を紡ぐ。
「これからもずっと、春野さんと一緒にいたい。それが僕の、最も大切な積分だ。」
「積分は、微小な部分を合わせて全体を表す。そして、僕たちは小さな時間を積み重ねて、一つの大きな絆を築いてきた。これからもその積分は続いていく。だから、これからもずっと、春野さんと一緒に新たな数学の世界を探求していきたい。」
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