ピーチ・メルバ。

猫野 尻尾

第1話:チャラ男。

今回は大人の話。

この話は「ダーリンは魔法使い」の冒頭のシーンのもとになった話です。

だから前半は内容が少しカブってます。


今回はSFやファンタジーから離れて純粋なラブストーリーです。




彼女の名前は「篁 莉子」たかむら りこ・・・22歳。

大手外資系の会社に就職したばかり・・・。

仕事はディスクワーク、書類整理とかその他雑用。

本人はマーケティング企画希望だったが定員オーバーで雑用に回された。


一応、簡単なポロフィールを・・・

身長は158センチ。

髪は前髪を下ろしたロングのブラウン系。

男なら誰しも放っては、置かないであろう美貌を持っていた。

本人は意識してないようだが・・・。


性格的にはポジティブ、少し抜けたところはあるものの大学時代はモテた。

でも本人は恋愛に無頓着、男にはまるっきり興味なし・・・。

男に対して、嫌な過去やトラウマがあるわけじゃない。

ただ、今はひとりがいいと思っていた。


今の莉子の興味は男よりバイク。

誰も彼女を見てバイク好きとは想像できなかったと思うが、彼女のバイク好きは

父親の影響。

ちなみに愛車はホンダ・レブル250。

当然、通勤もレブルだった。


そんな訳で仕事はまだ右も左も分からず忙しい毎日を送っていた。


莉子は入社して最初の休みの日、大学時代の友達「牧村 美咲まきむら みさき」とお洒落なカフェで待ち合わせをしていた。

美咲とは就職した会社がお互い違っていたが、今でも莉子の一番の親友兼よき

理解者だった。


その日、莉子が先にカフェで待っていると、テーブルの向かいの椅子に、

誰かがすっと座った・・・気配がした。

なので莉子は美咲かと思って声をかけようとしたら見たことない男が座って、

ほおずえをついて莉子を見ていた。


見た目はまあ、ダサくはない、髪は今時のツーブロック。

身長は・・・座っているのでよく分からない。

なかなかのイケメン。

でもなんとなくナルシストっぽい。

自分にかなり自信持ってるタイプ?


莉子は、それだけ分析した。


「君、今一人?・・・じゃ、なさそうだよね」

「誰かと待ち合わせ? 女友達・・・」

「当たってるでしょ」


「あなた、なんですか、いきなり」


「あ、ごめん自己紹介・・・僕、「芹沢 忠彦せりざわ ただひこ

「君は?名前・・・」


「なんで見ず知らずの人にそんなこと答えなくちゃいけないんですか」


「うん、ま正しい・・・」

「実は僕、君のこと知ってるよ・・・篁 莉子たかむら りこさん」


「え?、なんで知ってるんだすか・・・気持ち悪い」


「ねえ、莉子ちゃん」

「僕たち付き合わない?」


「あなたね、頭おかしいんじゃないですか?」

「会っていきなりですか?」


「そ、僕って思い立ったが吉日でね・・・」

「君のこと一目見て好きになっちゃった」

「こういうことってさ、待っててもダメでしょ」

「こういう出会いの機会、チャンス逃しちゃったらおしまいだもんね」

「二度と君とは会えなくなるかもしれないし・・・」


「私、あなたみたいな、図々しくてチャラい人キライです」


「最初はみんな同じことを言うんだ・・・」

「でもさ、僕がどう言う人間かなんて付き合ってみないと分かんないでしょ」

「だから、付き合ってみない?・・・僕と」


芹沢と名乗ったその男はチャラいわりに子供みたいに澄んだ目をして

しっかり莉子を見て彼女から目をそらさなかった。

よほど自分に自信があるんだと莉子は思った。


それが忠彦と莉子の出会いだった。


To be continued.

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