不登校義妹と朝~学校に行きたくない義妹は何が何でも家から出てくれません
エレメント
第1話
ドンドンドンドン
「うーん?」
私の安眠を邪魔する朝のノック音が聞こえてきた。
そして続けざまに兄に声が飛んできた。
「おーい、春香~、朝だぞ。お前今日こそは学校に行けよな。」
「いやーですー。家に引きこもってる方がよっぽど有意義なのでー。」
「なんでだよ。俺はお前の将来を心配してだな……。」
私はうざったらしい兄の言うことなんて聞く気はない。
私は自室のベッドの上で布団を被り聞こえないふりをした。
「お前なー。後でどうなっても知らないぞ?」
兄の
朝は時間がない。私がちょっとでもこのような行動を取ればもうベッドから私を引き剥がすことはほぼ不可能である。
そのことを兄は充分に理解しているのだろう。長年の経験というやつだろう。
私は中学生になってから段々と家から出ることが少なくなってきた。もう今年で4年目だろうか。今では私は高校生になってしまっている。
華のJK、それが私、の性格が捻じ曲がらなけらばなっていたものだろう。
今の私はそんなものから対極に位置する。
そう、私は引きこもりなのだから。
引きこもりでも何かしら理由があったらマシなのかもしれない。
いじめとか、色々ならまだ許されることもあるだろう。
でも私はそんなことはない。
ただひたすら自分がしたいことを今するために引きこもっている。
中学生の頃にハマったラノベに影響を受け、殆ど誰にも読まれることがないweb小説を書くだけの毎日。
そんな私でも両親がとやかく言ってくることはない。両親も諦めているのだろう。
もしくは実の娘でない私を無視しているのか……。
それでも兄は毎日私を学校に行かせようとしてくる。
めんどくさいと思いながらもありがたいと思ってしまう。
この生活が楽しいと言えば楽しい。でもこの先の将来に不安を感じているから兄に感謝している部分もあるのだろう。
……――……
ドンドンドンドン
ドアをノックしている音が聞こえてきた。今日もまた兄が来たのだろう。
しかし、自分の身の回りに異変が生じているのか上手く身を起こすことが出来なかった。
いつもなら適当にあしらうために一旦布団からは出るのに……。
「おーい、今日こそは学校に行くぞー。お前も早く準備しろー。」
頭がくらくらしている。しかも体が熱い。
「い、や、だ。」
言葉もとぎれとぎれにしか出ない。
「?、お前顔真っ赤だぞ?熱でも出たのか?」
「そ、う、か、も。」
私がそう言った後急に意識が暗転した。
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