第4話
世界各地で起こっている暴動と争い。
この動乱の中、自国の権益を伸ばそうと戦争を始める国も出てき始め、もはや一般人の暴動などいうレベルではなくなった本争い。
そんな中で、数多くの世界の上流階級にして特権階級であられる方々がなんとかこの動乱に終止符を打とうと必死に動いていた。
「やぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああ!!!」
当然王侯貴族であるミリア様たち三人もその中の一人であり。
そして、なんと。
その中に少し前まで病によってまともに運動することすらできなかったアスカまで加わっているのだ。
「クソッ!?誰か止められないのか!?」
「あんな化け物を相手にどう戦えって言うんだ!冗談じゃねぇ!」
「だ、誰かァァァアアアアアアアア!助けてくれぇ!?」
「や、やってやらぁぁぁああああああああああ!」
「あぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ!!!クソッ!なんなんだ!つまらねぇ!」
「お、俺は……こんなところで、終わるのか?終わると言うのか……あぁッ!神よッ!!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁあ!」
「嫌だ!死にたくない!?」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!」
轟く光の刃。
大地を焼き、肉を焼く灼熱。
地面を抉り、人を容易く打ち上げる格別の力。
「行け!聖剣ッ!」
一騎当千。
数多の暴漢に囲まれながらもその手に握られている聖剣を振り下ろし、他を圧倒しているその少女を現す言葉など『一騎当千』の他にないだろう。
ただ一人で何百と言う数を一蹴に帰す。
これが、この実力が、どうあがいても個人が個人に生物としての何を見ても埋められぬ格別な差が生まれるこれこそがこの世界を歪める原因だ。
さてはて。
今、僕の頭を支配しているのはそんな下らぬ世界の構造のことではない……大事なのは圧倒的な力を振るっているその少女のことだ。
「……なんでアスカがゲームの主人公の力使っているの?」
ゲームで見せた主人公の圧巻の力。
人知を超えたとしか思えない想像を絶する凶悪な強さを、ゲームの主人公が使っていた技の数々を見せるアスカを前に僕はただただ困惑の声を漏らす。
「え?アスカだよね?」
僕は確かに国王陛下より教えられたアスカが戦っているという戦域を訪れ……そして、僕の前で戦っている少女もアスカに見える。
だけど、彼女はゲームの主人公が使う聖剣を持っていて……うぇ!?
ど、どういうことだってばよ。
僕は己が血の翼を広げ、上空に滞空しながら困惑に首をかしげるのであった。
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