第3話 最悪な朝のひととき
レオとの話しは弾まないまま……というより
僕が話しを弾ませないまま歩いていると
いつのまにか学校に着いていた
古ぼけた校舎に入り自分の学年のフロアに着くと
今日も見たくもない顔ぶれが集まってくる
僕と同じクラスの椎名と財前だ
僕がレオと一緒にいるのを見てたっぷりの皮肉を込めてこう言う
「お前ら今日も一緒に登校か?仲良いな!付き合っちゃえよ!
てかもう付き合ってるのか?」
朝から口の回る椎名の饒舌に財前は顎の肉を揺らしながら大笑いしている
こうなるからレオと仲良くするのは嫌なんだ
中性的なレオと暗い僕
こいつらの様な人を見下すことに喜びを感じるやつらにとって
僕たちみたいな人間が格好の餌食になるのは言わずもがな
「レオたち付き合ってないよ!トオル噂立てられるの嫌いなんだからやめてよ!」
「聞いたか?トオル噂立てられるの嫌いなんだからぁ!って彼女ヅラかよ!こわっ!」
椎名はレオの台詞を誇張した表情で言った
「関わらない方がいいぜ!」
財前がそう言うと標的を廊下で話す女子の群れに変え
二人は僕達の元を去っていった
毎日懲りもせず僕達をいじる、関わらない方がいいと言いつつ
きっとまた明日もこの調子だろう
「ごめんね、レオのせいでトオルまで……」
「そう思うなら、僕に話しかけないでよ」
申し訳なさそうにうつむくレオを尻目に僕は自分のクラスに入っていった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます