第3話 最悪な朝のひととき

レオとの話しは弾まないまま……というより

僕が話しを弾ませないまま歩いていると

いつのまにか学校に着いていた


古ぼけた校舎に入り自分の学年のフロアに着くと

今日も見たくもない顔ぶれが集まってくる

僕と同じクラスの椎名と財前だ

僕がレオと一緒にいるのを見てたっぷりの皮肉を込めてこう言う

「お前ら今日も一緒に登校か?仲良いな!付き合っちゃえよ!

てかもう付き合ってるのか?」

朝から口の回る椎名の饒舌に財前は顎の肉を揺らしながら大笑いしている

こうなるからレオと仲良くするのは嫌なんだ

中性的なレオと暗い僕

こいつらの様な人を見下すことに喜びを感じるやつらにとって

僕たちみたいな人間が格好の餌食になるのは言わずもがな

「レオたち付き合ってないよ!トオル噂立てられるの嫌いなんだからやめてよ!」

「聞いたか?トオル噂立てられるの嫌いなんだからぁ!って彼女ヅラかよ!こわっ!」

椎名はレオの台詞を誇張した表情で言った

「関わらない方がいいぜ!」

財前がそう言うと標的を廊下で話す女子の群れに変え

二人は僕達の元を去っていった


毎日懲りもせず僕達をいじる、関わらない方がいいと言いつつ

きっとまた明日もこの調子だろう

「ごめんね、レオのせいでトオルまで……」

「そう思うなら、僕に話しかけないでよ」

申し訳なさそうにうつむくレオを尻目に僕は自分のクラスに入っていった

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