「アナザーラウンド」(2020年 デンマーク)
酒は涙を忘れさせてくれるが、心の傷までは癒しちゃくれねぇ。
今日はそんな映画。
「アナザーラウンド」(2020年 デンマーク、オランダ、スウェーデン) 117分
監督 トマス・ヴィンターベア
脚本 トビアス・リンホルム トマス・ヴィンターベア
出演 マッツ・ミケルセン、トマス・ボー・ラーセン、マグナス・ミラン
【あらすじ】
しょぼくれた中年の高校教師・マーティン。
なにをやってもパッとしない日々が続いていた。
ある日、同じくしょぼくれた同僚たち3人と酒を飲んでいた時。
同僚の一人が「血中アルコール濃度が0.05%(ワインをグラスで2杯分)だとシラフ時よりも脳が活性化し、潜在能力が向上する」という理論を言い出す。※良い子は真似しちゃダメです。
実際、小説家や脚本家などの作家たちも飲酒しながら執筆していたそうなので、研究という名目で実際に試してみることに。
すると、以前よりも仕事の効率がアップ!
マーティンは生徒たちから一目を置かれる存在になり、絶好調。
調子に乗った4人はさらに血中アルコール濃度を上げればどうなるか?という検証を始めるのであったが……。
だんだんとアルコール摂取量がエスカレートしていき、4人は取り返しのつかない状況に陥ることに……。
【レビュー】
まあ、人間って大人になれば誰でも酒に溺れたくなる時ってありますよね……。
そして、次の日は二日酔いで地獄を味わう……。
適度な量を飲酒すると、血液の流れが良くなるからか、脳のリミッターが外れ、自身の潜在能力は上がるかもしれません。
しかし、あくまで適量を飲んだ場合の話。
飲み過ぎれば、もはや酒はただの毒。
みっともない姿を晒し、嘔吐や失禁などをし、更には失言や暴言などを吐き散らして醜態を晒してしまうのだ。
さらに最悪なのがアルコール依存症になってしまうこと。
これは、もはや病気である。
お酒は食事のお供であったり、嗜好品であったりと、人をストレスから解放する手段ではある。
こんなストレスだらけの社会を生きていくには、お酒でも飲んでないとやってられないのは非常にわかります。
この映画はそんな酒の力を借りて、自分を変えたかった中年男性たちのちょっとした実験が、だんだん取り返しがつかない状況になっていくことを描いている映画である。
一応コメディ映画にカテゴリーされているが、映像が全然コメディになっていないので、とても温度の低い映画となっている。
酔っ払ってバカをやるというよりも、酒に頼ってしまい、依存して溺れていく中年たちの姿を描いた映画というべきか。
やはり、人が快楽を得るということは、なにかしらのリスクがあり、楽しんだ分だけツケが返ってくるというのが、この世の仕組みと言うべきか……。
私もお酒は好きですが、やはり程々にしないと後々後悔するので、お酒を楽しむのは程々に(スト□ングゼロを片手に)
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