ドレスが二つ並ぶ控え室にて

蒼キるり

ドレスが二つ並ぶ控え室にて

ドレスが二つ並んではいけないのかな夢想する揺れる様を


シーツに伸ばした手足こんなに好きで明日から生きていけるかな


なにもしてなくとも泣けるほどに想いはここ胸にあるのよ永遠に


頬に触れた指に湧く怒り私の気持ちを察してくれなくて


恋って理不尽よね相手にも私にも無ければ世はマシになる


気がつくと全部好きになってる歪さ真っ直ぐ見る幸か不幸か


叫んで喚いて勝ち取ったもの大切にできない愚かな私


幼い頃には持っていたものいつの間に亡くしてしまったのかな


常に武器を構えて生きてる心地で少しも休まる気はしない


本当は自分を抱きしめて眠る夜の寂しさを知っているの


分け与えることが優しさと知っているからできないのがつらくて


良きものでありたかったね何者にもなれない自分は惨めでさ


魔法の言葉ひとつで変わる運命ならこんなに苦労はしない


回って下がるだけの人生をいっそ終わりにできたら楽かなと


言い出しっぺの己を憎んでいたことも忘れて嘘ばかり吐く


闇しか見えない先にいつか光は降るのでしょうか夢物語


何度でも恋するんだよ美味しいと何か頬張る君見るたびに


水しぶきたてて明日を消したい今日だけあればそれが全てさと


伸びた髪を一生撫でてたい嘘伸びないでと祈る時よ止まれ


同じ円が二つ並ぶのを永遠と呼びやすいよね指に嵌めてさ

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ドレスが二つ並ぶ控え室にて 蒼キるり @ruri-aoki

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