第15話

あの後、ジュードさんはソフィアに感謝の意を述べながら、小1時間ほど涙を流していた。


「いやぁ~ごめんね。こんなおじさんが号泣するなんて、きもいよね..................ごめんね。」


「いえ、全然そんなことはないであります!!むしろ、ご褒美であります!!」


「............?ちょっと何言っているのか分からないけど..............ありがとうね。ソフィアの代わりにクソ共を掃除してくれて。そういえば、君の名前を聞いていなかったね。君の本当の名前は?」


「私の本当の名前は.............あれ?私の名前は...............。思い出せない!?!?どうしてっ?どうしてなの!!」


本の世界に入ってしまった副作用とかかしら??やばい、やばい!!覚えていることを整理しないと!!


「ジュードさん!この世界に来てしまったからか、私の元の世界での記憶がなくなってきてる!!1度部屋に戻って、整理してくるぅぅぅぅぅぅぅーー!!!!」


「わ、わかった!こけないようにねぇぇぇぇ!!!!

行っちゃった..............ジュードさんかぁ......................」


そのつぶやきは、誰にも聞かれること無く、静かに消えていった。





=  =  =  =  =  =  =  =  =  =  =  =  =  

紙に、今覚えていることを書き出した。


私は20歳の大学生で、父と母、私と弟の4人家族で曲がったことが大嫌いの性格で、喧嘩も多かったけどその分、友達も多かったと思う................。

友達(幼なじみ)とバイキングに行く途中で、気がついたら本の世界にいた。


幼なじみは、小学校からの一緒で、私にちょっかいばっかかけてきて、腹立つ奴くらいの感覚だったけど、高校に入ってから、急に落ち着きが出だして、私にべったりになった。本や、アニメの推しに嫉妬するくらいに。

でも、私が困っていれば、必ず助けてくれたし、迷子になっても、いつも最初に見つけてくれた。そんな彼に、私は恋をしていた。



忘れちゃいけない................!!彼の名前はっっっ..........................!!!



















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