第28話 オーガ


 中に入れて貰い、オーガの巣を討伐して来たことを言うと団長に通された。

「団長聞いてくださいっす!また賢者が無茶してるっすよ」

「なんだ?賢者がどうした?っていつもの事か」

「いつもの事じゃないっす、オーガの巣を一人で壊滅させて来たっす」

「はぁ、賢者殿?ワイバーンの後はオーガですか?」

 団長は呆れているが、

「その喋り方をやめい!ちゃんとギルドにも貼ってあったやつだぞ?」

「でもCらんくですよね?たぶんオーガの巣はAランク何組かでレイドしないといけない難易度ですよ?」

「くそ、その喋り方辞めないつもりか?オーガキングの標本を作らせてやる!」

「だ!なんだ今度はオーガキングを傷一つなく倒したって言うのか?!やめろよな!そう言うの!」

 やっと普通に喋って来た。

「いいんです、傷ひとつないオーガキングの標本はさぞかし立派でしょうな」

「お前はうちの城を標本でいっぱいにするつもりか!」

「それも良いですよねー?」

「良くないわ!ワイバーンでも置き場に困ってるのに!あれが怖くて王子がトイレに行けなくなっただろうが!」

「おーほっほっほ。やがてモンスター城と呼ばれるまで」

「やめい!はぁ、朝一でギルドの解体場に集合だ」

「らじゃ!」

 なんとかなるもんだな。


「次はないぞ?」

「はて?なんのことやら?」

「仕事を増やすなと言っているんだ」

「俺はギルドの仕事をしただけですぅー」

「くっ!こいつは!」

 さっさと家に帰ろっと、



「分かりましたね?」

「はい」

 ミクスの奴がチクリやがった。

「まだお説教が足りないんですか?」

「いえ、足りました!」

 足が痺れてピリピリする。

「それでは危険な事はしないでください!」

「はい!」

 レーナに怒られるのはほんと嫌だ。

「もう。心配させないでください」

 抱きしめてくる。が、足が痺れて。

「あっ!やめて!」

「あはは、ここですか?こうですか?」

「あ、あっだめだって!やめて!」

「なーにいちゃついてんすか?主」

「お、お前がチクるからだろ」

「報連相は大事なんです、前みたいに倒れられたらどうするんすか」

「ご、こめん!わるかった」

 ミクスも入って来やがった!

 でも足の痺れもなくなって来た!

「お前達のご主人様がだれか教えてやらねばな!」

「「きゃー」」

 俺の部屋で良かった。これでなんでもできるぜ!



 次の日は朝からギルドに向かう。

 もちろん全員一緒だ。

「団長」

「おう、おはよう」

「おはようございます」

みんなそれぞれ挨拶をする。

「で?昨日倒したオーガキングから出してもらおうか」

 オーガキングを鞄から出す。

「デカいなぁ。こんなの城に置いてほしくない!解体だ!」

「はい!」

 解体班も同行していたのか。

「つぎは?」

「オーガの首なしです」

「よし!解体だ」

 次々と解体して行く作業員達。


 最後のオーガを解体した後に、

「もう勘弁してください」と言われた。

 流石に百匹以上のオーガが山積みになってると凄いなぁとしか思わないよね。

「これは国で買い取る事ができるがどうする?」

「ちょ、ちょっと待って下さいよ。うちにも卸して下さい」

 冒険者ギルドのギルマスが出てくる。


「解体したのはウチの作業員だぞ?」

「それも了解してます。でもうちの解体場です。少しで良いんでこっちにも回して下さい」

 二人とも俺の方を見る。

「あ、好きにして下さい」

 侃侃諤諤と言い合っている。

「ハルさん凄いですね」

「そうか?勇者ならこれくらい」

「出来るわけないっすから」

 ケンタロウが叫ぶと笑いながら、

「そりゃ無理っすよ、俺達でも無傷でこれはありえないっす」

 キースがフォロー?してくる。

「どうやって倒したんです?」

「魔法で動けなくして首切って行った」

「あははは、ありえねぇ!」

 キースが大笑いだ。

「キングも?」

「キングはさすがに一撃死の魔法を使ったな」

「そんなのあるんですか?」

「俺が作った」

「またチートだ」

「ぶははは、そんなんだから賢者って呼ばれるんすよ」

 くそっ、なんか馬鹿にされてる気分だぞ。


「ま、まぁいいや!鍛冶屋に行こう!これ渡さないとな」

「お気をつけてぇー」

 キースあのやろういつかギャフンと言わせてやる。


 鍛冶屋に連くと、親父が出て来てまた大量のエアコンとドライヤーの外側を渡して来る。

「今回はこれはどうでも良くて、これ作れるか?」

「あ、自転車に台車?あーまぁあったほうが楽ですね」

「だろ?」

 ケンタロウは図面を見てすぐわかってくれた。

 親父はハテナをいっぱい浮かべたような顔をしている。

「この台車ってのは便利そうだけど、自転車ってのはどうやって乗るんだ?乗り物だろ?」

「試作に一台作ってくれたら乗り方を教えるよ。それからよければ生産すれば良い」

「あいよ!んじゃこれで作ってみますよ」

「お願いします」


 あと忘れてたけど王様にもエアコンとドライヤーを大量に作ったんだったな。

 団長のところに戻ると、7:3でキングも国がとるらしい。

 と言う事で団長にいってエアコンを大量に持ってると言うと団員宿舎に連れて行かれてつけさせられた。

「つぎは仕事場な」

「はいはい」

 団長にはお世話になってるからつけてやる。ドライヤーもちゃっかり貰っていくし、団長としての威厳はどこに行ったのやら。

「暑くて仕事にならんのだ。それなら暑くない仕事場にすれば良い」

「当たり前に言ってるけど、これ大丈夫か?」

「ばれても賢者が付けてくれたと言えば良いしな」

「んなっ!」

 

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