無表情無抑揚なカノジョと送る日常ASMR

黒ノ時計

無表情で無抑揚なカノジョ

注:( )は環境音、状況説明、(※)はあなたのセリフです。


(〜〜あなたが帰宅すると、エプロン姿の彼女「瑠璃」がやってきた。しかし、その姿に何故か違和感を覚える〜〜)


(※ただいま)


「あ、お帰り。今日もお仕事お疲れ様。今、お夕飯作ってたところ。もう少しで完成するから、手を洗ってきてね」


(※それはいいんだけど……。何か、肌がよく見え過ぎているのは気のせいか?)


「え、肌が見え過ぎ? やだ、えっちな時間にはまだ早いでしょ。……なんて、別に気のせいとか、幻覚とかじゃないよ。紛れもなく、今の私はエプロン一枚しか着てない。つまり……。(耳元に近づいて)裸エプロン、ってやつだよ。あ、顔が真っ赤になった。私、一回やってみたかったんだよね。ご飯にする? お風呂にする? それとも……わ、た、し? うん、思った以上に効果的だったから、これは採用ね」


(※採用?)


「そ。ほら、私ってば昔から無愛想で感情表現が苦手でしょ? だから、日々あなたへの気持ちを上手く伝える方法を模索し続けてる」


(※もう十分に伝わってると思う)


「十分に伝わってても、十二分には伝わってない。愛情はどれだけ伝えても損はしないのだから、もっと伝えていくべき。だからこその裸エプロン」


(※ビジュアル的にアウトでは?)


「ビジュアル? ああ、つまり18禁じゃないかって言いたいんでしょ? 脱がなければ問題なし。ほら、私に見惚れてないで早く手を洗ってきて」


(〜〜それから手を洗って食卓はやってくると、瑠璃は向かい側ではなくあなたの隣に席を用意して待ち構えていた〜〜)


「遅かったね。ほら、早く食べよ」


(※あの、まだ裸エプロンを続けるの?)


「もちろん、裸エプロンは続行。愛を表現するのに必要って言ったばかり。今日は私があ〜んして食べさせてあげる」


(※また急に始まった謎の企画)


「謎の企画なんか始めてない。愛し合うために必要な行動ってだけの話。それとも、私から食べさせてもらうのはいや?」


(※いえ、食べさせて欲しいです。どうもすみませんでした)


「折れるの早すぎ。でも、素直なのは嫌いじゃないから良しとする。今日の献立は、豆腐の味噌汁、ハンバーグ、レタスのサラダにご飯。見て、ハンバーグは愛情を込めてハート型にしてみた。上にチーズも乗せて、豪華さ倍増」


(※それで? 何から食べさせてくれるのかな?)


「やっぱり、まずは野菜から。カロリーの吸収を抑えてくれるから健康には良い」


(※じゃあ、いただきます。あーん)


「ん。何気に乗り気なの可愛い。はい、あーん。……どう? 美味しい」


(※美味しい)


「良かった。でも、サラダはまだまだ序の口。メインはやっぱり、瑠璃さんお手製のハンバーグだから。まずは、このハートを真っ二つにして……。えい」


(ハート型のハンバーグは真っ二つになった)


(※早くも愛の崩壊!?)


「愛は永久不滅。ハート型のハンバーグを二つに割ったら、中から肉汁が溢れてくるでしょ? これは私の愛が溢れるくらい、このハンバーグには愛情がいっぱい詰まってるってこと。それに、ハンバーグを全部食べちゃえば質量保存の法則で私の愛情は全てあなたの中に取り込まれる。さて、ここで問題。私はあなたにどうして欲しいでしょう?」


(※残さずに全部食べる?)


「正解。私の作ったものは、どれも愛情たっぷり。ご飯一粒たりとも残すことは許されない。というわけで、ほら。あーん」


(※あーん)


「どう? 私の愛情が詰まったハンバーグの味は?」


(※美味しくて頬っぺたが落ちそう)


「そう、頬っぺたが落ちそうなくらい美味しいの。味に関しては申し分ない評価だとは思うけれど、頬っぺたが落ちてもらっては困る」


(※どうして?)


「それは勿論、頬っぺたがなくなったらキスができなくなるから。だから、どんなに美味しくても頬っぺたは落とさないようにして」


(※本当に落ちることはないよ)


「むぅ、そんなことは分かってる。単なる例え話。でも、もしも頬っぺたが落ちても安心して欲しい」


(※どうするつもり?)


「落とした頬っぺたは一生私のものになる。あなたのところには返ってこなくなるから、全力で死守して欲しい」


(※どちらにしても、落とすわけにはいかないね)


「その通り。ほら、分かったらもう一口。あーんって、口開けて。私の愛情、もっと沢山体に取り込んで。口の中も、胃袋の中身も、愛情でいっぱいにしてあげるから。はい、あーん」


(※あーん)


「ん。よくできました。でも、本番はまだまだこれから。だって、まだご飯も味噌汁も残ってるし、ハンバーグも半分以上ある。だから、ほら。もう一度あーん、して。良い子だから」


(〜〜それから暫くして、ようやく二人のご飯が終わった〜〜)


「ご馳走様。ん、よく全部食べた。偉いよ」


(※もうお腹いっぱい)


「そうなの? でも、私はまだお腹いっぱいじゃない。だって、こんなにも美味しそうなデザートが目の前にあるのに、待てなんてできない」


(※デザート?)


「そう、極上のデザート。あなた、もしかしてわざと焦らしてる? それとも、本当に分からないの?」


(※本当に分からない。アイスか、ケーキでもあるのか?)


「……もういい。分からないのなら、分からせるまで。私は、まだまだ愛情を伝えたりないし。それに、あなたからはまだ愛情を貰ってない。この二つを同時に満たすには……。デザートを食べるのが一番。ぺろり……」


(ちょっと、何を……)


「逃げないで。ほら、大人しくこっち向いて……。そう、それでいい。良い子だから、そのままじっとして……。……んちゅ、ちゅ。キス、好きでしょ? 私は好き。好きな人への好きを上っ面の言葉じゃなくて行動で示せるから。だから、もっと。私が、満足するまで……。んちゅ。ちゅ。ちゅ、ちゅ、んちゅ……。ちょっと、距離あるね……。あなたの膝の上に乗って、このエプロン一枚しかない体を全力で押し付けて……。はい、続行ー……。んちゅ。気づいてるか分からないけど……。んちゅ。私、今日は普段より唇柔らかいんだ……。んちゅ。保湿のリップ、ちょっと多めにつけてきた……。ちゅ、ちゅ。それで……。どっちの方が柔らかい?」


(※……どういうこと?)


「惚けてもダメ。分かってるくせに、またそうやって意地悪する。彼女の方から言わせるって、かなりの羞恥プレイ。……なら、言ってあげる。一度しか言わないから、よく聞いて。(胸を押し潰しながら、あなたの耳元に口を寄せて)私の胸と、唇。どっちの方が柔らかい? ねえ、ここまで言わせたんだから答えて。どっちの方が、柔らかい?」


(※それは……。どっちも柔らかい)


「どっちも? ……選べないのは悪いところだけど、二つとも平等に評価してくれるところは好き。でも、もしもこのまま選べなかった場合、キスも胸を押しつけるのも終わり」


(※そうなの?)


「どっちも同じくらいなら、気持ち良さもどっちも同じくらいってこと。これ以上、あなたを満足はさせられないと見た」


(※そんなことないよ)


「そうだとしても、優柔不断なあなたにはお仕置きが必要。据え膳を食べさせず、待てをさせる。味わえるのは、どちらか一つだけ。さあ、選んで。どっちの方が柔らかい?」


(※……胸)


「なるほど、胸。好きだよね、大きいやつ。たわわで、まるでスイカみたいに大きく実ったこれ。一緒に出かけても、部屋でのんびりしてても、寝る前とかも、結構見てくるし。もしかして、気付かれてないと思ってた? 女子は視線に敏感だから、むしろ見てたらすぐに分かっちゃうよ。特に私の場合、見てくる人って山ほどいるから余計にね。でも、そっか。唇より胸の方がいいんだ……。そ、れ、な、ら……。むぎゅ〜〜〜……。どう? 前から両胸を押し潰される感覚は……。ほら、潰れた胸はまるでマシュマロみたいで、このエプロンさえ無ければ直接見て堪能できたかもしれないのに。でも、今日は取ってあげない。焦らすだけ焦らして、今日はお預け」


(※瑠璃、どうしてそんな意地悪を……)


「意地悪? こんなの、まだ可愛い方。あなた、最近は仕事、仕事、仕事で帰ってきても夕飯食べたら寝ちゃうし。休日なんて寝て、ゲームして、ご飯食べて終わり。全然、構ってくれない。だからこそ、今日は私の番。ううん、これからはずっと私の番で主導権は渡してあげないから。ほら、もっと胸を押し付けながら、ついでに耳元に近づいて……。ふぅぅ~……。優しく息を吹きかけてあげるね。でも、唇は触れないし、舐めてもあげない。だって、胸が好きなんだからいいはずだよね? うん、そうだよね。じゃあ、思いっきり焦らしながら……。ふぅぅぅ~~~……。ふぅ、ふっ、ふぅ~~~~……。どうしたの? 何かソワソワしてるみたいだけど……。もしかして、私の胸を触りたいとか?」


(※……うん)


「そう。でも、ダメ。今日は、あなたに私を襲う権利はない。私が一方的にあなたを襲う寸前まではしてあげるけれど、襲ってはあげない。そういう日なの。分かったら、私の匂いでも感じていて。ほら、首筋とか、ふわっとかかった髪の毛とかから感じない? ちょっと、甘酸っぱい感じの香り……。今日ね、ローズの香りがするっていう香水を付けてみたんだ。いつもは柑橘系とか、ミント系が多いからあまり使わないタイプだったし、そもそも薔薇って直接匂いを嗅いだことないから本当にローズの香りなのかは分からないけれど……。でも、不快ってわけじゃないよね? だって、さっきからあなた、鼻息荒いし……。良いんだよ、もっと吸っても……。他の男の人は嫌だけれど、あなたにだったら幾ら嗅がれても平気。むしろ、私の匂いだけを嗅いで、私の存在だけを感じて、私にもっと夢中になって欲しい。だから、ね? もっと息を大きく吸って……。ほら、私の言葉に合わせて息をするの。はい、吸って~~、吐いて~~……。もう一度、吸って~~、吐いて~~……。うん、よしよし。もっと全身に私の匂いを付けて、私が傍にいなくて私のことを感じるくらいメロメロになってね……。はい、反対の耳にもちゃんと息、吹きかけるから……。ふぅぅ~~~……。ふぅ、ふぅ、ふぅぅぅ~~~~~……。耳の先まで真っ赤になって……。付き合ってもう二年くらい経つんだし、そう恥ずかしがることもないと思うけど……。それとも、ご無沙汰だったから溜まってるの? ……でも、何でも言ってるけど今日はダメ。これでお終い。……そんなに切なそうな顔をしないで。あなた、確か明日、明後日は久しぶりの休みだよね? なら、どっちかで出かけない?」


(※デートするってこと?)


「そう、デート。話が早くて助かる。私も、だーい好きな彼氏と一緒にお出かけしたいし、いいよね?」


(※うん、じゃあしようか。デート)


「やった。じゃあ、また明日」


(※え、本当にこれで終わりなの?)


「あ、何か期待してた? うん、今日はこれで終わり。それじゃあ、食器は片付けておくからね」


(~~次の日、二人は雲一つない青空の下、近所の公園のベンチにやってきていた~~)


「今日は快晴で良い天気。絶好のデート日和だね」


(※違うだろう。二番目に良い天気、じゃないのか?)


「……よく、覚えていたね。そう、快晴は二番目に良い天気。一番良いのは、青空にほんの少しばかり雲がかかった晴れの天気だよ。だって、日差しって暑いでしょ? でも、曇ってたらデートって気分じゃない。だから、晴れの天気くらいがちょうどいい。でも、一番はあなたとこうしてデートができること。デートができるのなら、天気何て別に雨でも雪でも関係ないかな」


(※嬉しそうだな)


「そう? 私、表情筋が硬いのか全然笑顔とか出ないのに……。そういうの、やっぱり彼氏だから分かるのかな?」


(※彼氏だからというより、ずっと傍で見てきたからかな)


「傍で見てきたから……。そっか。何か、あるんだよね。きっと、癖みたいなの」


(※例えば、それ)


「それ? ……ああ、前髪を触ったりとか? ふうん、そういうので分かるんだ。因みに、怒ってるときにする仕草とかは分かる?」


(※首筋に触れる、とか)


「ああ、首ね……。確かに、怒ってるときはつい触ったりしちゃうかも。自分の頭の中が沸騰し過ぎないようにって思ったら、手が勝手に動く。自然とやっちゃう行為って、あるよね。あなたにも癖があるよ。例えば、嬉しいときは目がちょっと右に寄る。嘘を吐いたときは、鼻の穴がちょっとだけ膨らむ。そしてデートをするときは……。必ず、こうして恋人繋ぎをする」


(ギュッとあなたの手を握りしめる)


「どちらともなく、自然に。二年前、まだ付き合う前はこうじゃなかったね。告白の直前、この公園の、このベンチで、こうして二人で座って……。遠く、西の空に浮かぶ夕日が地平線の向こう側に沈んでいくのを眺めていたよね。二人はまだ手を繋いだこともなくて、お互いの顔もまともに見れなくて……。隣に座っているのに、拳一個分の距離がやけに遠く感じる。まるで見えない空気の壁でもあるみたいに、私たちの間にはとんでもないくらい距離が空いていた。でも、あなたは無表情で、無愛想な私のことを魅力的だ、好きだって言ってくれた。永遠にも感じた距離が、一気にゼロへと近づいていった。私、あの時は人生で一番幸せだって思ってたんだけど……。今こうして、あなたと時間を共に過ごすことで一番幸せな時間が更新されていくのがすごく嬉しい。だから、もっとイチャイチャして私の一番を更新したい。それが、できればあなたの一番の思い出になってくれると嬉しい……。だから……。えい」


(瑠璃があなたの腕に抱きつき、服が擦れる音がした)


「真昼間の公園で、男女がベンチでイチャイチャしちゃってるの。ほら、あっちを見て。無邪気に駆け回っていた子供たちが、イチャつく私たちを見て動きを止めてる。せっかく観客になってくれてるみたいだから、私たちがどれだけラブラブなカップルかを見せつけてあげよう。ほら、こっち向いて。何をする気か、なんて聞かなくても分かるでしょ? ほら、こっちを向いて? ……今日は、素直じゃないね。なら、仕方ない。あなたが素直になるように、また調教してあげよっか。(あなたの耳元まで近づき)こっちを向きなさい」


(あなたはビクンと体を震わせ、素直に瑠璃の方へと顔を向けた)


「うん、やっと素直になったね。ほら、子供たちの熱い視線が集まっているけれど、私たちの世界には関係ないものね」


(※でも、こんな公衆の面前で……)


「(あなたの唇に人差し指を当てて)しーっ……。口答えはしないで。前にも言わなかった? 愛情は伝えても伝えても伝え足りなくて、伝え過ぎても問題はない。私はあなたへの愛が溢れて止まらない。だから、愛情をあなた自身から溢れ出るくらい伝えて、他の人にも分かってもらいたい。私が、あなたをどれだけ愛しているのかを。さあ、目は閉じないで。私のキス顔、その目に焼き付けて……。んちゅ。どう? この前、お預けにしておいたキス。大丈夫、今度はもっと濃厚なものをしましょう。唾液の橋がかかって、糸を引いちゃうくらいえっちなキスを、この真昼間の、しかも純情な子供たちの前で……。んちゅ、ちゅ、ちゅ……。もっと、舌を入れるね……。じゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる……。ほら、もっと吸って……。私の舌に、あなたの唾液が乗るくらい……。じゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる……。じゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる……。んちゅ、ちゅう、ちゅ、んちゅ……。ねえ、どうして舌を引っ込めるの? もしかして、遠慮してる?」


(※だって、子供たちが……。それに、周りの人も……)


「ん……ちゅ。関係ない。じゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる……。もっと、はしたない音を出しちゃう。じゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる、じゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる……。ちゅううううぅぅ……。んちゅ。あーあ、もう口の周りが唾液でベトベト。あの子たちもきっと想像しただろうね。自分たちが大人になったら、こんなにも濃厚でえっちいキスをするって……。あ、皆顔を真っ赤にしてどこかに行っちゃった。ちょっと、悪戯にしてはやり過ぎだったかな。いつの間にか、周りにいた人もいなくなっちゃったし」


(※たぶん、こんなキスをしてたせいだと思うよ)


「皆、気を遣ってくれたんだ。優しいね。でも、これで邪魔者はいなくなった。もっとイチャイチャできるよ……?」


(※どうするつもり?)


「どうするって、もちろん……。えい。あなたの膝の上に乗ってみた。あなたはこれから、私の専用ベンチになるの。え、髪の毛が鼻に触れてくすぐったい? それくらいは我慢して。私の椅子になれるんだから、本望じゃないの? ほら、腕を前に回して……。そうすると、腰の前に回した腕の上に私の大きな胸が乗っかるでしょ? 誰が見てるか分からないから揉んじゃダメだけど、偶然、私の胸に触れちゃうのは何も問題ないよね。ほら、もっと堪能していいよ? いつもは、正面からとか、上からが多いけど、下から楽しむっていうのは中々ないと思うから」


(※これも、焦らしプレイの一環なのか?)


「焦らしプレイ? そんなつもりはなかったけれど、でも、実際にそんな風にはなってるね。ふふ、このまま焦らし続けたら、私の彼氏がどうなるのかっていうのはちょっと興味あるね。じゃあ、焦らしプレイは続行ってことで。まだ、胸は揉んじゃダメだからね。うーん、でもこのままずっとこうしてるのって、何だか勿体ないね。でも、人の目を気にするとキス以上の大胆な行動はできないし……。そうだ、ならこれならどう? あなたの手をもっと上まで引き上げて……。私の胸の下まで持ってきて、こうして裏で潰してあげる。これなら、あなたの意思で揉んでるわけじゃないし、単純に恋人同士でくっついてるだけって言い訳もできる。どう? 私の胸に押し潰された感想は? 彼女の胸が大きくて良かったね。誰もが羨む我儘ボディが、今は彼氏であるあなただけのもの。贅沢なんて言葉じゃあ、説明できないくらいじゃない? どうなの? 感想を聞かせて?」


(※凄く幸せ)


「凄く幸せ? 本当にそう思ってる? 言わされてるとか思ってない?」


(※思ってない)


「そう、ならいい。私は……。こうして、あなたの体温や息遣いを感じられて幸せ。胸が大きくて好きって言ってくれるのも、あなたの口からならどれだけ言われても幸せに変換されて、満たされていく……。また、今日も私の一番の幸せが更新された。ありがとう、一緒にお出かけしてくれて。いつも仕事が忙しくて、きっとお休みだから家でゆっくりしたいって本当は思ってるんじゃないの?」


(※それはあるかもだけど……。瑠璃と出かけられる方が嬉しい)


「私と、お出かけできる方が嬉しいの? 嬉しい。それが嘘じゃないって、分かるから。ほら、あなたの手にちょっと力が入った。あなたが真剣なときって、手をちょっとだけ握る癖があるよね。あなたが私をよく見ているように、私もあなたのことをよく見ているってことを知って欲しかった。私はそれくらい、あなたのことを愛してる」


(※僕も愛してる)


「あなたも、私を愛してるって? 知ってる。そうでなかったら、こうしてされるがままになってないでしょ? もっと、こうして依存していいよ。もっと、私に溺れて欲しい。私のことを手放したくなっても、そのときには手放せなくなっているくらいにね。さあ、デートを続けよう。今日はまだまだ長いんだから……ね?」


(~~その夜、あなたの家のベッドで久しぶりに瑠璃に添い寝をしてもらっていた~~)


「今日は、楽しかった。あの後、水族館に行って、夕ご飯も食べて、最高のデートだった。そして、久しぶりにこうして添い寝をしてる。最近は、仕事が忙しいからって、一緒に寝るのは控えてたよね。我慢できなくなるかもしれないからって。でも、こうして誘ったってことは……そういうこと?」


(※どうだろうね)


「どうだろうね、か……。まだ、知らないフリをするんだ。まあ、いいけど。あなたがどこまで耐えられるのか、一番の特等席で見せてもらうから。さて、私はこうして隣に来たわけだけれど、このまま何もしないって言うのなら、私からしてもいいんだよね?」


(※何をする気?)


「何って、あなたを焦らす。だって、ずっと正直になってくれないから。だから、あなたが正直になれるように……。(唇が触れるくらい近い耳元で)もっと性欲、煽ってあげる。私は、何もしない。ただ、こうして囁いてあげるだけ。言ったでしょ? 私は表情とか愛情を表現するのが難しい。だから、行動や言葉であなたへの愛情を示す。こんな風にね……。(息を大きく吸って)好き。どう? 好きって言われると、体がゾクッてしない? あなた、好きでしょ? 好きって囁かれるの。だから、もっと言ってあげようかなって。ほら、大人しくして。(布が擦れる音)もっと、あなたにくっついて……。これで、よし。さあ、とくと味わって。私の愛情たっぷりの、愛の囁きを……。……好き。好き。好き、好き。すーき。好き。大好き。好き。すーき、すきぃ、好き。好き、好き。大好き。愛してる。あなたのことが、世界一好き。だから、お願い。あなたも一緒に好きって言って。ほら、一緒に。好き。好き、好き。大好き。好き、すーき、好き、好き。どう? 好きって言葉にするだけで、体の中に溜まっていた好きな気持ちが溢れ出てくるでしょ? 普段、感情が表に出ない分、私は好きって言ってる時は自分の感情を曝け出すことができてるみたいで気持ちが良いんだ。もっと、こうやって胸を押しつけて……。あなたの可愛らしい耳に……。ちゅ。キス、してあげちゃう。それとも、それ以上のことをしてほしい? 例えば……。こうして舌を使って耳の表面を……。じゅるるるるる……。ザラザラした舌で舐めたら、ビクンって体を震わせちゃって。耳舐め、って言うんでしょ? 普段はやらないから、ちょっとやってみたかったんだけど。あなたの反応も良さそうだし、もう少し奥まで舌を入れてみよっか。舌先を、狭い耳の穴の中に突っ込んで……。じゅるるるるるるるるる……。どうかな? 舌で耳穴を啜られるようにほじくられる感覚……。きっと、彼女になってもしてくれる人はそういないと思うよ? 私はするけどね。あなたの体なら、どこだって喜んで舐めてあげる……。ほら、今度は舌先を細やかに動かして、ペロペロってしてあげる。じゅるるる……。レロレロレロレロレロ……。んちゅ。じゅるるるるるるるるるる、じゅるるるるるるるる、レロレロレロレロレロレロレロレロレロレロレロ……。こうして、耳たぶにも触れて……。ちょっとつねったりするのも面白いね。耳を舐めながら……。反対の手で乳首も弄ってあげる。ほら、服の下から手を入れて……。右の乳首をギュッと摘んであげる。乳首の先からチクッて刺激が脳に伝わるでしょ? じゅるるるるるるる……。こうやって、乳首の先を指で弾いて程良い刺激を送ってあげる。ビクン、ビクンって弾くたびに体が魚みたいに跳ねて面白い。偶に、乳輪の周りを優しくなぞって……。じゅるるるるるるるるるる……。んちゅ。息、荒いね。暗くてよく見えないけど、きっとあなたのことだから顔が溶けちゃってるんじゃないかって思うんだけど、どう? 前にも言ったと思うけど、顔を本当に溶かしたりしたらダメだからね。顔が溶けちゃったら、あなたとこんな風に……ちゅ。キス、できなくなっちゃうから」


(あなたは少し身じろぎをする)


「ああ、ダメ。動いたりしたら、ダメ。言うこと、聞けないの? なら……。動くな。はい、また素直な良い子になっちゃった。さあ、今度は反対の耳もしてあげるから。体をゴロンって転がして。……うん、良い感じ。じゃあ、私は待たないから。このまま……。いただきます。じゅるるるるるるるるるるる……。舌で激しく耳穴をほじられると気持ち良いのは分かるけれど、ひゃあって声を上げたら私が襲ってるみたいじゃない。まあ、襲ってるんだけど……。さあ、今度は舌先で……。レロレロレロレロレロレロレロ……。高速で舐めてから、耳の中で舌をピストンさせて……。じゅる、じゅる、じゅる、じゅる、じゅるるるるるるるる……。んちゅ。どう? 気持ち良かった? さて、そろそろ私も眠くなってきたし……。ひゃあ!?」


(あなたは我慢出来ずにベッドから飛び出し、彼女に馬乗りになった)


「どうしたの? 目をギラギラさせて、口から鼻から息を垂れ流し……。もう完全に獣の目だね。私のこと、襲いたいんだ? 結構焦らしたから、そろそろ我慢の限界って感じ? でも、いいの? 明日は平日、このまま襲ったら私が満足するまで返してあげないけど?」


(※大丈夫。予め、会社には休むって連絡しておいた)


「へえ、いつの間に有給なんて取ったんだ。だから、今日は誘いを断らなかった……。これで、謎は解決。でも、いいの?

夜の戦いでは今のところ、私の全戦全勝だけれど。私を襲って食べるつもりが、逆に丸呑みにされちゃうかもだけど。まあ、でもどうなっても良いよね。だって、私たちはお互いに愛し合っているんだから……。(彼女は舌なめずりをした)ぺろり。じゃあ、いただきます」


(〜〜それから、次の日の昼〜〜)


「あ、おはよ。目が覚めたんだ。私も、覚めたところ。結局、あの後はどっちも譲らない戦いになったね。二人とも、掛け布団を脱いだら生まれたままの姿だし。初めて、あなたと引き分けた気がする。でも、強くて攻めの姿勢を崩そうとしないあなたも大好き。また、新しい一面が見られて嬉しい。ね、キスしよ。ほら、こっちを向いて、舌を出して。うん、そう。ちゅ、んちゅ。じゅるるる、んちゅ。うん、美味しい。ありがとう。無愛想な私のことを好きになってくれて。ほら、私って感情が表に出ないから何を考えてるから分からないってよく言われてたけど。あなたは、他の人と変わらないように接してくれて、むしろ、私が何を考えてるのか知ろうと努力しようとしてくれたでしょ。だなら、私はあなたのことが好きになったんだ。いつしか、もっと私を見て欲しいって思うようになって、それが私だけを見て欲しいって気持ちに変わって……。だから、これからも私はあなたに愛を伝え続けるね。あなたがもう要らないって言っても、愛を注ぎ続ける。あなたの体から溢れ出しても、ずっとね」


(※全部受け止めるから。安心して)


「私の愛を、全部受け止める? ふふ、それは大変ね。もしかしたら、この世界には収まりきらないほどの量があるかもしれないのに。でも、言ったからにはちゃんと受け止めてもらわないと。そんなわけだから……。えい。ふふ、今度は私が上になる番。たっぷりと、受け取ってね。私の、抑えきれないくらい大量の愛を。一滴残らず、全て……。これからもずっと、ね。私の愛しい彼氏君。ちゅ(バッドの軋む音が徐々に遠ざかっていく)」

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