バトル! バトル!
僕らは月明りのきれいな木がまばらに生えた山道を駆け上がりながら、冒険者たちと戦っているぅ~!
人数は30人ぅ~!
冒険者が僕らを追い立てるのは乙姫セリカによって1億円の懸賞が掛かっているからだったぅ~!
「こらっ。待て伊藤ぉおおおお」「逃げるなっ。1億円がああっ」「来いやああ」
今、僕とルルナを10人の冒険者に追いかけられているぅ~! ルルナの手を取って僕は逃げているけどぅ~!
たまに追いつかれて、ルルナを守りながら逃げるから戦いにくいぅ~!
「はぁ、はぁ、隆起ぃ。ごめんねぇ。はあはあ」
「大丈夫だから。僕がルルナを守るからぅ~っ」
今飛び掛かって来た一人の冒険者に回転飛び蹴りを食らわせて、僕はルルナを守ったぅ~!
ドカッ
「うごっ、」
ただ、そこにまたさらに3人の冒険者がぅ~! いや、もっと20人ぅ~!
ピンチぅ~!
ルルナが息を切らしていて身動きが取れないぅ~!
「はぁ・・・はぁ・・・ごめん。隆起ぃ・・・」
折り重なるように次々に襲ってくる冒険者をなんとか相手にするけど、うぅ。まずいっ。
ガキン!ガキン!ガキン!
そこにSクラス冒険者の寒月サクラさんが突っ込んで来て、サクラさんがムチャクチャ冒険者を蹴散らしてたぅ~!
ドッカーーーーーン!!!
「おらあぁあああああああ。アタシとやんのかあああああ。てめえらああああああああっ」
30人の冒険者に対して、サクラさんは素手で裸のまま、僕らを守って、追いついて来た冒険者たちをしなやかな長身のヒョウとような体をしならせながら、ぶっ飛ばし続けてるぅ~!
空は月明りがきれいな山道だぅ~!
明るい月明りの中、チラリとサクラさんの胸がぶるんと揺れるたびに、冒険者がガンガンぶっとんで行くぅ~!
ぶるん♪ ぶるるん♪
どかあああああああああん
「ぎゃあああぼおお」「うごおおおおお」「て、てめえ、寒月ぃいいいい」
山道をムチャクチャに走りまわるぅ~! 昇ったり、下がったりぅ~!
山道を逸れて森に入ったら、たぶんルルナがついて来れないぅ~!
あまり傾斜のきつい山道もルルナの体力じゃ持たないぅ~! だから、追いつかれやすい坂が緩やかな山道を逃げるしかないぅ~!
だから、冒険者は追いついてくるぅ~! そして、作戦まで使い始めたぅ~!
「おらっ。包み込めっ。人数でやればSクラス冒険者だからって倒せるッ」「フォーメーションだっ」「お前は後ろに回れっ」「おうっ」「槍をぶっこめっ」
冒険者がサクラさんを囲って、大勢全方向から突っ込んで来たぅ~!
ひぃいいいいい。やばいぅ~!
相手は30人いるぅ~! みんなBクラスからAクラスの冒険者だと思うぅ~!
サクラさんは僕とルルナに敵が寄って来る度にものすごい勢いで走って来て、そいつらをぶっとばしてくれるぅ~!
「ごらぁああああっ。弱いヤツに手ぇええええ出すんじゃないよおおおおお。イジメっこみたいなマネをするヤツは本気でぶっ殺すぜえええええ。アタシはぁあああああっ。おらあああああああっ」
ドコーーーーン!!!!
また、冒険者がぶっ飛んだぅ~! 平野部に待ち伏せて、全方向を囲んでいた冒険者たちをサクラさんは体を台風みたいに回転させて、思い切り全員ぶっとばしていたぅ~!
かっこいい鍛えられた傷だらけのお尻がそのたびに、ぷるんと震えて場違いなのに、そのお尻の方に目が行ってしまうぅ~!
だが!!!!!
僕らをかばって縦横に跳びまわって戦うサクラさんの相手をするのは分が悪いと考えた冒険者たちがそのとき一斉に僕らを一気に狙って来たぅ~!
しかも、ターゲットは弱い女のルルナだったぅ~!
「ちっちゃい女を狙え。サクラじゃ分が悪いっ」「女を人質に取って、サクラをぶっ殺せっ」「人数で一気に狙えっ。サクラは俺ら20人で抑えるっ」「任せろっ」
「「「「「フォーメーーション!!!」」」」
20人が一気にサクラさんに突っ込んで、逃げ回っていた僕らの方に10人がやって来るぅ~!
「くぅううう。やばいねええええええええ。隆起ぃいいい。耐えなああああああっ」
「隆起ぃ。ごめんなさいっ。私のためにぃ」
10人の筋肉ムキムキの男たちが包み込むように突っ込んで来たぅ~!
「ルルナは僕が守るぅ~!」
体にモリモリと力が沸いてくるぅ~! 僕はルルナを守るためだったら無限の力が沸いてくるぅ~!
筋トレで鍛えられた僕の体を徹底的に使ってルルナを守るぅ~!
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
僕は走り込んで行って、ルルナを攻撃しようとする冒険者たちの10の攻撃を全部、ウサギの素早さでガードしたぅ~!
ガッキン!ガッキン!ガッキン!ガッキン!
ぴょんぴょん ぴょんぴょん びゅーーーん
ウサギガーーード! ウサギガーード! サウザンガード!
「ぐっ。なんじゃコイツ」「つええじゃねえかっ」「どういうことだ? 伊藤隆起は弱いって話じゃ?」
「隆起ぃ・・・。ごめんなさい。私のために」
ルルナが僕にかばわれて、ポロポロ泣いているぅ~!
僕は冒険者の攻撃を受けて、体中に傷が出来ていたぅ~!
冒険者は一応殺さないように、剣の平で僕を狙ってくるけど、それをガードする度に痛みが走るぅ~!
くぅぅ~!
だけど、痛くないぅ~! 大切な幼馴染を守るためにどんな攻撃だって耐えてみせるぅ~!
ただ、後ろから攻撃されたときに、僕は少しよろけたぅ~!
「チャンスだっ」「伊藤隆起が動きが止まったっ」「今、女を狙っちまえええええっ」「おらあああああ。女子高生だって勘弁しねえぞおおおお」
やらせない!!!!
僕は高速で体制を立て直して、思い切り冒険者たちのみぞおちに蹴りを次々にぶち込んで行くぅ~!
シャープなバネ付きコンパスのようにスピンして動くぅ~!
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
キック!!!! キック!!! キィーーーーーク! ウサギキーーーークっ!!!
ぐしゃぐしゃどむ
無我夢中で気づくと10人の冒険者たちが倒れていて、僕はボロボロになっていたぅ~!
そこに20人を倒してサクラさんが戻って来て、笑いながら裸のまま僕を逞しくて、カッコよくて、女性的な体で抱きしめてくれたぅ~!
ぎゅむ♥
「あはははっ。やるねえええええ。隆起ぃいいい。アタシは自分は強いが、弱いアンタが人を守って強くなろうとする姿にずいぶん興奮するよおおおお。なんか、火照ってきたねええええええ。このまま、エッチしないかああああい?」
ルルナが僕に抱き着いてきたぅ~!
「隆起ぃ。ありがとう。私のためにぃ。私、隆起のこと・・・すごく好きだからね」
抱き着かれた二人の体は火照っていて、その体温を感じると、どうしても、そんな場合じゃないのにエッチな気分になってしまうぅ~!
いや、雑念だぅ~! 雑念だぅ~!
僕は雑念を振りはらうために握力を鍛えるハンディグリップを取り出したぅ~!
それから、サクラさんにポーションをもらって体の傷を治した。
後は移動しながら訓練だぅ~!
移動しながらでも握力は鍛えられる~! 筋トレちくちくやろぅ~!
ハンディグリップッ! ハンディグリップッ! ハンディグリップッ! 伊藤ッ!
・・・握力は常につけておくとどんな場面でも冒険に役に立つ・・うおおおおおぅ。
ひぃいいいいい。なんとか危機は去ったぅ~!
ただ、このままだとまずいぅ~! どこか潜伏できる場所を探さないとぅ~!
そのとき、草陰から玉石さんが顔を出したぅ~!
「・・・近くにいい逃げ場所を見つけた・・・ついて来て・・・」
よかったぅ~! これでルルナを守れるぅ~!
ルルナは絶対に守りたい・・・大切な子だから・・・
僕らは玉石さんについて行ったぅ~!
そこは寂れた人のいない山奥の山荘で、そこで僕らは一息つくことになったぅ~!
ルルナが泣いていたぅ~!
「ごめん。隆起ぃ・・・私、足ずっと引っ張っちゃって・・・なんの役にも立たなくて」
「ルルナがいてくれるから僕は頑張れるからぅ~」
・・・この手を離さない・・・ルルナを絶対に離さない・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます