逃亡LIVE配信

ルルナと僕は今電車に乗って逃げている~!


ごとん・・・ごとん・・・

ごとん・・・ごとん・・・


僕らは二人とも目深に帽子をかぶって、冒険者の追手に見つからないようにしてる~!


そう。僕らは逃亡者だ~! 全国に1000万人いる冒険者~!


もしかしたら、警察まで追われているかも知れない身~!


僕らは田園伊豆線の電車に乗り、静岡を脱出して、北に向かうか、南に向かうかで迷いながら、話し合ってたんだ~!


ルルナ。ルルナがいてくれてよかった・・・


車両の最後尾にボックス席に向い合せで座る僕らの車窓からは、伊豆の素朴な家の街並みと、田んぼのきれいな景色が流れていた~!


ルルナが言った~!


「・・・このままじゃまずいわね。冒険者はネット公開で私たちの情報を集めて、集合で動いてるし」


「どうしよう? うまく逃げる手が考えらればいいんだけど・・・」


「私たちもネット公開で対抗しましょう。言葉通信だけで、ネット画像で私のファンに協力を求めるの?」


「えっ? でも、それって・・・。それじゃあ見つかってしまうんじゃ?」


「大丈夫。サポーター限定配信という機能があって。公開を私のファンだけに絞ってネット配信することができるわ」


「・・・わかった。それじゃあやってみよう。音声だけのライブ配信だね」


「うん。そう。ファンのみんなならわかってくれるわ」



ごとん・・・ごとん・・・

ごとん・・・ごとん・・・



それから、ルルナはスマホでネット中継をはじめた~!


「こんばんわ。下僕さんたち(ファンネーム)。私ソフィ―ナよ。今から私たちの逃亡を配信するけど、みんな手伝ってくれるかしら? 手伝ってくれないと、悪役令嬢がお仕置きしちゃうわよ♪」


> おお。ソフィーナちゃん。


> ソフィーナちゃんやっぱり君だったんだな。伊藤隆起と逃げてるヤツ。


> おっ、はじめまして。よろしく。手伝うよ。


「よかった。そう。今、私、伊藤隆起くんと逃げてるの。30億の借金なんて返すことできないし、なんとか逃げて糸口を見つけたいの。手伝ってくれる?」


ルルナはそう言って話ながら、僕に軽く笑いかけてきた~!


(・・・ごめんね。隆起。悪いけど、しゃべってくれる?・・・)


僕はうなずいてルルナの差し出したスマホに声を出した。


「こんばんわ。伊藤隆起です。僕は今30億の借金から逃げるためにソフィーナ(ルルナ)と逃亡してます」


> 破産宣告はできないのか?


> その方が早しははやくねか? 俺もそう思うぜな? 伊藤よ。


「破産宣告はできません。アメリカからの圧力で国際認定として、僕の破産宣告は止められてるんです。だから、逃亡を助けてください」


そのときルルナが会話に入ってきた~!


「ごめんね。ファンのみんな。悪いけど、逃亡だけじゃなくて、30億の借金を逃げながら返すための情報も募集したいのッ」


そのとき、突然、警官が電車の車両に中に入って来て、きょろきょろした~!


とっさにルルナが僕に抱き着いて来た~!


むぎゅっ


ルルナの形のいいおっぱいが僕の胸にぶつかってくる~!


「な、なにをッ・・・ルルナ」


(しっ。仲のいいアベックの振りをして警官をやり過ごすの)


ルルナがアベックの振りをして、電車の車両のボックス席の中で、僕に抱き着ついて、キスをする振りをした~!


「いやーーん。もーー、たーくんたら。我慢できないだから。ちゅっちゃっ」


ルルナが僕の頬のキスする振りをして顔を近づけてちゅっちゅっと音を鳴らしたので、そういう場合じゃないのに、僕はドキドキした~!


うわっ。ルルナの顔面ドアップ。かわいい・・・


けど、まもなく警官は嫌な顔をしながら、僕らから遠ざかった次の車両に入って行った~!



ごとん・・・ごとん・・・

ごとん・・・ごとん・・・



「やりすごしたわね。ええと、視聴者のみんなに報告するわね。今、電車の中で警官が入って来て、演技して私たちは逃げたとこ」


> おおお。大丈夫か? ソフィーナちゃん。

> 気をつけろよ。


ルルナは僕にウィンクして話を続ける。僕は周りを警戒しながら、スマホの画面で、視聴者のコメントを読んでいた~!


> それで破産宣告はできないって話だったろ?

> なにか手はあるか?

> おっ、俺あるぜ?

> なになに?

> びっくり連気釜っていうのがあるんだよ。


> えっ? 錬金釜?

> えっ? 知らない。


> ああっ。それな。なんか、インドのリジャル・ゲイスがそれを使って50憶稼いだっていうヤツだろ?


> そうそう。それだ。


おっ。すごい。そんな話があったんだ。それは使えそうだ~!


僕でも一発逆転できるかも知れない~!


思わず興奮して本が出た~!


ポンっ


https://kakuyomu.jp/works/16817330658480674724


慌てて、僕は本をポケットに隠した~!


「それを教えて! お願い。下僕さんたち」


車窓が終わりが終点に近づいていた~!


📢「まもなくーーー。終点みしまーーー。終点みしまーーーー。みなさーーん。三島に来たらコロッケを買いましょう~♪ 100円で買える名物です~♪」

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