>>539サイド 到着
==ダンジョン板@ツルハシスレ(3)==
////シー…! お静かに願います! sage進行中////
223:名無しさん@迷宮警備員
539、時間的にそろそろ到着してるはずだけどな
224:名無しさん@迷宮警備員
到着した。まだ会えてないけど
225:名無しさん@迷宮警備員
お、生きてた。
539よ、せっかくなんでコテハン付けてくれ。
コテハン付ける方法はこれな。
あとトリップってわかるか?
226:名無しさん@迷宮警備員
ごめん コテハンって?
実は掲示板の使い方がよくわかってない
227:名無しさん@迷宮警備員
固定のハンドルネーム。お前さんの名前な。
で、トリップはなりすまし防止のIDみたいなもん
228:名無しさん@迷宮警備員
なんでもいいの? やってみる
229:名無しさん@迷宮警備員
個人情報入れるのは止めとけ
あーコテハンのほうはジョブでもなんでもいいけど
230:Lares◆oESsH
あっ だめなの?
231:名無しさん@迷宮警備員
手遅れでワロタ
232:名無しさん@迷宮警備員
あまりにもキレイな失敗に吹いた
そのままの君でいて
・
・
・
「むぅ、掲示板とは……難しいな」
私は表示枠を流れていく掲示板の文字を見る。
……フフッ……え、そうなの?……意外と参考になるな。
…………
……いけない。これくらいにして、目の前のことに集中するか。
私はまだ
「こら、マリア。画面を叩かない! もうおしまい!」
私が掲示板を消すとマリアは不満げに、ぬいぐるみの手で画面を叩く。
私はそんなマリアをなだめようと手をやるが、彼女はぷうと頬をふくらませて、私の肩の上まで逃げていった。まるでリスみたいだ。
さて、私は目の前にある浜離宮ダンジョンの入り口を見た。
ポッカリと開いた黒い空間。
歩みを進めるたびに、穴へと流れ込む空気の流れが強くなる。
これは気圧の変化に寄るもの。魔法やオカルトではなく、ただの物理現象だ。
だが私にはこれが、このダンジョンがすべての命を飲み込もうとしている。
そんな風に感じられた。
入口の前に立った私は少しの時間、背中に風を浴びていた。
「……ふう」
迷っていても仕方がない。フィルターは有限だ。
私は、意を決して体ごと飛び込む。
「いつ
目に見えない、透明な
鎧の上からでも肉体をまさぐられるようで、実に不快だ。
そのまま入り口から下へ向かう階段を降り、一層の広場に向かう。
するとそこには、いつもの見慣れた光景が広がっていた。
どのダンジョンでも、一階入り口付近は基本的にモンスターが立ち入らない。
罠もなく、敵もいない。入り口はダンジョンで最も安全な場所なのだ。
だから大抵のダンジョンの入り口には、沢山の人が集まる。
そして、人がたくさん集まると、それを目当てに商売を始めるものもでてくる。
それでもっと集まると、現地で仲間を探すものも現れて――
ダンジョン探索者の「村」ができるのだ。
行き交う探索者は色とりどりだ。戦士に魔術師、盗賊に僧侶風の格好。
あの裸で股間に白鳥の作り物を着けてるのは……まぁ、ああいうのもいる。
全身緑色で、巨大な棍棒を持っている者、全裸で折れた剣だけの探索者。
意外とああいうのが、とんでもない強者だったりするから面白い。
探索者達がしていることも様々だ。何やら計画を話し合っているもの。
怒鳴り合っているもの。一人でうつむき、うずくまっているもの。
視線を移して市場を見れば……。
赤青緑のカラフルな水薬が並び、レトルト食品といった商品が収められたダンボールが山積みになっている。その箱と商品のスキマには、これまた何に使うのかわからないガラクタから武器防具まで、全てが適当に突っ込まれている。
私はこれが好きだ。
混沌とした活気のある空間。物資と探索者たちの体臭が混じって、なんとも言えないすえた匂いがするのを除けば。
「おい見たか?」
「ああ、あの配信だろ、ツルハシ男の――」
「CGとか、トリックじゃないのか?」
「いや、凸配信者が現場を見たら、マジで泥人広場から泥人が消えてたらしい」
「じゃあ、あの配信、マジモン……本物ってことか?」
「ああ」
「マジかよ……!」
「お前も登録しとけよ『ツルハシでダンジョン開拓します』ってやつ」
「……なんか、センスが
「な。」
すでに彼、ツルハシ男のことはかなり伝わっているようだ。
彼が今どこにいるか、何か手がかりが欲しいが……
「お、チャンネルの通知が来てる。配信するみたいだぜ」
「まじかよ。スピーカーに出してくれよ」
「ちょっと待てよ……ほらよ」
(ん……今何か? 配信が始まるとか、言わなかったか?)
耳をそばだてていると、ダンジョン探索者の表示枠から気の抜けた男の声が聞こえてきた。間違いない、彼だ!!!
『えー皆さんこんばんは『ツルハシでダンジョン開拓します』です。この間の配信は色々な方が見てくれたみたいで……登録とか、どうもです。』
私は手元の表示枠を操作する。
確かに配信が始まっている。しかし彼が見ている風景、これは……。
『それで、これからやることですけど……』
『みなさんが苦労してる、2層の【はぐれボス】の討伐を配信しようと思います』
(何……だと?)
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