ギャル占い師が運気を⤴あげぽよ⤴してくれる占いの館☆運気上昇アゲアゲGIGA MAX!!

笹 慎

⤴あげぽよ⤴ お仕事運を上げちゃうよぉ⤴

<ロケーション設定>

 夜。駅近くの繁華街。大通りから一本裏道に入ったところの雑居ビルにある占い館の看板を見た仕事に疲れたサラリーマンが、フラッと来店したところから始まる。

 残業続きの毎日。上手くいかない職場の人間関係に、終わらない仕事。占いで何かが変わるとは思えないけど、誰かに話を聞いてほしい。そんな人のために。



***



//SE カランカランと店の扉が開く音

 占いブースの衝立から顔を出して、お姉さんは入口に向かって話しかける。



「はぁい。いらっしゃいませ!」//甘く元気いっぱいで


 お姉さんは、有無を言わせず手招きする。


「こっち、こっち! 座って、座って!」//可愛く少し強引に


「わー! お願い! 逃げようとしないで!」//必死な様子で



//SE 椅子を引き、客が座る衣擦れの音



「お客さん、占い初めてなの? えーめっちゃ嬉しい。ありがとう」//喜んでる


「ねぇねぇ。どうしてこのお店にしたの? 通りの看板を見て? そっか、そっか」


「お仕事帰りなんだねぇ。でもこんな時間まで残業、エグエグすぎっしょお……まぢ乙です(※お疲れ様ですの意)」//不憫そうに


「えー? あたしも十分遅くまで、仕事してるじゃんって?」


「ちがうんだよぉ。このお店、開店時間が遅いの~。それでね、実はね、あたし、今日からなの。初出勤!」


「それでさぁ、全然、誰も来てくれないし……」//しょんぼり感


「このままお客さん、ゼロだったらぁ~って、まぢ不安だったんだぁ」//安心した感じで


「え? 新人の占い師なのかって? だれでもぉ、初めての時はあるでしょ? そんなこと言っちゃダメ!」//プンプンしてる感じで


「ってか、もう逃がさないし。入口に鍵かけちゃうし」


「あはは。嘘だよ。君、真面目くんだね。カワイイ」//笑いながら


「君があたしの初めてのお客さん。優しくしてね」//誘う感じで可愛くセクシーに


「なんてな~。あはは」//からかう感じで



 お姉さんは、料金表を見せながら説明する。

//SE 硬質ファイルケースに爪が当たる音



「えっと、基本のコースは二つで、三十分の五千円コースと六十分の八千円コース。延長は十五分単位で、千五百円です」//まじめな感じ


「お試しなら三十分で、がっつり相談したいなら六十分のコースがオススメだよ♪」//ルンルンしてる感じ


「それに初来店のお客様はどちらのコースも二千円引きなの!」//ビシッとしたセールストーク風


「し・か・もぉ、あたしの占いはぁあああ~、なんとぉおお~ハンドマッサージ付き♥」//ちょっとエッチな感じ


「え~? それ大丈夫なのかって? なになにぃ~ちょっとエッチなこと想像しちゃったかなぁ~?」//ニマニマしてる感じ


「残念でした! 手相見ながらツボ押すだけデース」//てへぺろ感


「マッサージはね、いつもおばあちゃんに褒められるから自信あるんだよぉ」


「マッサージオイルね、アロマオイルの香り二種類用意してて、リフレッシュしたいなら、ペパーミント&ユーカリ。リラックスしたいなら、ラベンダー&ベルガモット」


「匂い嗅いでから決めたい? おけおけ(※OKOKの意)。ちょっと待ってねぇ」


「えっと、カバン、カバン……と」//背後をふり返る演出



 お姉さんは、背後に置いてあったカバンを取って、マッサージオイルの入った容器を探す。

//SE ガサゴソとカバンから物を探す音



「あれ。ちょっと待って。ちゃんと入れてきたはず……」//焦り気味に


「はぁ……もうまぢでカバンの中、ぐちゃぐちゃすぎる」//独り言・ため息まじりに


「なんかさぁ、あれもこれも必要かもって思うと、カバンの中身ってどんどん増えていかない? お祭りの金魚さぁ、飼ってるうちに超デカくなるみたいに」//照れ笑い



 お姉さんは、カバンから顔をあげて、お客さんの方を見る。そして、またカバンの中の捜索に戻る。



//SE カバンから物を取り出す音



「アハハ! 見て見て! ヘアアイロン、入ってたわ。超ウケる。カバン、重たいと思ってんだよね~」//笑いながら



 お姉さんは、カバンから取り出した物を、テーブルの上に次々と置く。

//SE 物がテーブルに置かれるガチャガチャ音



「あッ! 失くしたと思ってたピアス出てきた~! まぢ嬉しい♪ これお気に入りだったんだよねぇ」//かわいい感じ


「ねぇねぇ、このまぢピアス似合うっしょ? エグかわいくない? ゆらゆら耳で揺れるピアス好きなんだ~」//後半少しポエム感


「って、何探してたのか、一瞬、忘れてたわぁ~。あはは。ウケるぅ」



 再び、お姉さんは、カバンの中の捜索を再開。

//SE ガサゴソとカバンから物を探す音



「あった! あった! マッサージオイル出てきた! いやぁ、ここまで言っておいて、家に忘れてきたんじゃないかって、焦ったわ~」


「じゃじゃーん!」//得意げに



 お姉さんは、マッサージオイルの入った容器を二つテーブルの上に置く。

//SE コトッというテーブルに物を置く音×2回


 お姉さんは、マッサージオイルの入った容器の一つ目の蓋を開ける。

//SE 容器のキャップを外す音



「まずは、ペパーミント&ユーカリ!」


「え? ガムみたいな匂い? 確かに、ガムっぽいかなとは、あたしも思うけど、でもマッサージのあとも、しばらくスッとして気持ちいいよ!」


「それに、筋肉痛とかにも効く匂い!」


「うそ……君、仕事でパソコンのキーボード打ちまくりなの? エグエグじゃん! かわいそうすぎる……」//不憫そうに



 お姉さんは、ペパーミント&ユーカリの容器の蓋を閉めて、もう一つの容器の一つ目の蓋を開ける。

//SE 容器のキャップを閉める音



「次は、ラベンダー&ベルガモット!」


「ベルガモットってなにかって? オレンジみたいな柑橘系で、紅茶でアールグレイってあるっしょ? あれの匂いでもあるんだよ~」


「あたし、ベルガモットの匂い大好きなんだぁ」



 お姉さんは、向かいのお客に身を乗り出す。

//SE 身を乗り出す衣擦れの音



「ほら、手首の匂い嗅いでみて。今日つけてる香水、アールグレイの香りだから」//声の距離が近くなる演出


「ね? いい香りでしょ?」//近距離演出ここまで



 お姉さんは、元の位置に戻る。



「これに、ラベンダーを入れたのが、もう一つのマッサージオイルだよぉ」



//SE 容器のキャップを外す音



「いい匂い? ふふ。そうでしょ? この匂いには、癒し効果があるんだよぉ~。さては、かなぁ~り精神的にもお疲れですなぁ?」


「こっちの匂いの方が好き? じゃあ、こっちにしようね」//ウインクしてる感じで



(第二話に続く)

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