05 冒険者パーティ追放

「貴様はもう不要だ。明日から来なくていい。」

突然、賢者から告げられた戦力外通告。

冒険者パーティから強制的に外すのだという。


この場には、賢者、戦士、弓使い、そして魔法担当のオレを含めた4名がいる。

パーティーメンバーでもある。

どうやら抜けるのはオレだけのようだ。


「なぜだ?」

「説明が必要か?」


「当たり前だ。理由も告げづに出て行けと言われ納得できるか。」

このパーティーは先日Bランク冒険者に昇格したばかり。

これからは高額な案件を受けるのに対し、オレが足手まといだそうで、

身勝手なオレが居るとパーティが崩壊するという理由で追い出された。

これはメンバー間で満場一致してるとのこと。オレを除いてだ。


「言っておくが、ここは議論の場ではない。貴様への報告だ。

 新し魔法使いは既に雇ってあるし、ギルドへの変更手続きも完了済みだ。

 もう貴様に居場所などどこにもない。」

表向きは足手まといと言っているが、要は口うるさいオレが邪魔なのだ。

リーダーでもないオレが指図するのが全員気にいらんのだろう。


「これから作戦会議を始める。

 部外者は出て行って頂けないだろうか?」

オレは眉間にしわを寄せ無言で部屋を後にした。


「旦那、終わりましたかい?」

外に出ると腰の曲がったオヤジがオレに近寄り声を掛けて来た。


「世話になった。」

オレは、そのオヤジに金貨20枚を手渡す。


「フリーの魔法使いを良く見つけられたな。」

「3年前に足を洗ったんですがね。

 1回だけ案件をこなしてくれたら金貨10と持ち掛けたら二つ返事で受けてくれたっすよ。」


オレは、パーティから追い出されたのではない。

むしろ円満にオレがパーティから抜け出たのだ。

ーーー 完 ーーー

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