冷徹少女の一年周期
@Yutaka_kannagi
第1話 出会い
4月1日、この日は新たな1年のの幕開けであると同時に、出会いと別れを意味している。
俺こと、-柊 和哉-は今日から高校生となる。朝の身支度を終わらせ、学校へ向かおうと家を出た。
「行ってきます!」
学校は電車で片道一時間の距離にある。登校中自分と同じ制服を着ている人が多くいた。
(今日からこの人たちと学校生活を送っていくのか。上手くやって行けるかな)
そう思ってるのは自分だけでは無いらしい。辺りを見てるとほとんどの人がソワソワしている。
(みんな緊張してるんだな。早く学校に着かないかな)
そんなソワソワした雰囲気が漂う電車にある女子が電車に乗ってきた。その瞬間、電撃が走ったかのような衝撃が起きた。
(なんだあの子)
電車に乗っていた男子はおろか、女子までもが目を奪われた。その女子は容姿端麗、スタイル抜群と誰もが見ても絶世の美女だった。
いつの間にか電車は学校の最寄りの駅に到着していた。駅から学校までは歩いてすぐの距離だ。
校門をくぐり、昇降口に貼られているクラス分けの紙を見て自分のクラスを確認した。
(俺のクラスは一年三組か)
自分のクラスが分かり教室に向かおうとした時、後ろから声がした。
「よっ、おはよう和哉」
「おはよう、颯馬」
今話しかけてきた -武田 颯馬- は中学校からの友達だ。1番と言ってもいいほどの大親友である。
「颯馬クラス何組だったんだ?」
「僕は三組だよ。和哉と同じクラスだね。今年もよろしくな」
「それは嬉しいな。初手でぼっちだけは避けられた」
そんな雑談をしながら自分たちの教室へ向かった。
教室に入ると、多くの人が自分の席に座っていた。既に仲良くなって話している人もいれば、まだ緊張しているのかスマホをいじっていたり、本を読んだりしている人もいた。
和哉は自分の席を確認し、颯馬と一旦別れた。初めの席は普通、名前順なところ先生のサプライズということで、初めからバラバラの席だった。そのおかげで和哉の席は一番後ろだ。
(まじか、当たりでもあるけどハズレでもあるな。この席)
高校では初めが肝心。そこで一番後ろの席は関われる友達も減ってしまう。そう思い少し悲しくなっていた和哉の心は一気に他のことに釘付けになった。
「おいおい、嘘だろ」
思わず声が出てしまう。なぜなら自分の隣の席に、電車で見かけた美少女が座ったからだ。
(神様ありがとう。高校生活充実させてみせるよ)
中学生の自分であったら躊躇して声をかけれなかったが、今は違う。勇気を振り絞り、和哉はその女子に声をかけた。
「おはよう!俺は 柊 和哉 。今年一年よろしくね!」
和哉の心臓の鼓動は今までにないほど激しかった。変な事言っていかなど、不安に思っているとその女子が口を開いた。
「うん、よろしく」
素っ気なく、目線は合わせず返事され動揺した。
(あれ、俺もしかしてなんかしちゃったか)
なにをやらかしたか分からず、ひたすら考えていると教室に先生らしき人が入ってきた。
「今年、この三組の担任となった 荒井 慎二 だ。よろしく頼む」
顔は少し怖いのに、とても元気で優しそうな先生でほっとした。さっきの動揺していた心など忘れるぐらいであった。
「それじゃあ、一時間目だが早速自己紹介をしてもらう」
そう言われ出席番号順に各々自己紹介をしていった。次はあの美少女の番だ。クラスの男子の目付きを変わり、その美少女へ視線が移った。
「‥‥冬島 陽菜です。‥‥よろしく‥‥お願いします」
その二言だけ残し、陽菜は自分の席に戻った。他のクラスメイト達は自分の趣味であったり、中学時代の部活のことであったりと話していたが、陽菜は全く話さなかった。
全員の自己紹介が終わり休憩時間となった。隣の席は騒がしかった。それはそうだ。可愛くてスタイルも良い、そんな人がクラスで人気にならないはずがない。
(凄い人気だな。肩身狭いなー)
隣を見ると陽菜は嫌そうな顔をしていた。すぐその場を去りたいというのがすぐにわかるほどだった。
「冬島さんってどこ中学校なの?」
「なんの部活やってた?」
「よろしくね!なんて呼べばいい?」
質問攻めにされ丸一日が過ぎた。放課後になり教室では仲良いグループで固まって話していた。
(結局友達は少ししかできなかったな。できなかったよりは何倍もマシだけど、、)
「和哉、一緒に帰ろうや!親睦会も含めてさ!」
「いいね!どこか帰りよるか!」
今日仲良くなった友達-八雲 智樹-とそんな約束をして学校を出た。どこにやるか話しながら駅に向かっていると、純白の髪の毛が目に入った。
「あ、冬島さんだ」
「今日の人気はすごかったからね。男女関係なく囲まれてたしね」
「俺からしてみれば傍迷惑だよ。隣が美少女なのは願ったり叶ったりだけど、横がずっと騒がしいのは勘弁だわ」
和哉は一人がいいと言う性格なわけではないけど、自分の周りが常に騒がしいのは嫌がる。静かな空気も好きである。
「でも冬島さんの隣の席って普通にあたりじゃない?他の男子からしてみればとっても羨ましいと思うよ」
「そうかもだけどさ。冬島さんって素っ気ないし、話しかけづらいんだよな。周りに人が常いるからタイミングもないんだよな」
「チャンスがあるだけマシだよ。話しかけてもまともに会話すらできないんだから、隣ならもしかしてってこともあるじゃん」
「そうなのかな...」
などと話しているうちに駅につき、最寄りの駅の近くにあったファミレスに入った。
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