24.おじさん、悩む

 手に入れたならすぐに試したい。


 それがゲーマーの心理というものだ。


 契りの剣TMを使いたい。ただそれだけだ。


「サラ……あと一体だけ……」


「勿論です! マスター……どこまででもお供致します」



 ◇



 うわぁ……何この状況……


 ジサンはその現場を発見してしまう。


 って、あれ……ツキハさん!?


 集団に襲われていたのは先ほどまで共にいた女勇者、ツキハであった。


 やばいのか……この状況……


 でも、ツキハさんなら自力で何とか……俺が行っても足手まといになるだけかも……


 ジサンは無意識に自分自身が助けに行かなくていい理由、助けに行くことが無駄であった場合の想定を探してしまう。


(うわ……)


 だが、状況は次第にエスカレートする。


 ツキハは殴られ、涙を流している。


「なぁ、サラ……助けに行った方がいいのだろうか?」


 この期に及んで、ジサンは自身で決断ができず、他人にアドバイスを求める。


 だがそれは……ジサンが持たざる者で無くなった証。


 なぜなら、それは”相手”がそこにいるからこそできること。


「マスター! ここにいるのはなぜでした?」


「え……?」


「その剣の”試し斬り”にちょうどいいのでは?」


 アドバイザーはにっこりと言う。


「…………テイム対象がいないだろ……」


 ジサンはふふっと笑ってしまう。


===

2時間後に次話上げます。

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