17.おじさん、夜の動物園


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 253 名無しさん  ID:pssjitaa

 キルウェポン使ってる奴らいるっぽい


 254名無しさん  ID:uahugjaei

 >>253

 ソースあんの?


 276 名無しさん  ID:la9ajga0

 ウエノ周辺が特にやばいらしい


 292 名無しさん  ID:exagaw1

 >>276

 夜間は特に注意とのこと


 376 名無しさん  ID:xjgiklga903

 >>207

 ウエノには処女も出没するらしいぞ


 421 名無しさん  ID:29jagifjaa

 >>376

 処女さんのこと勇者って呼ぶのやめろ


 491 名無しさん  ID: puapijgiea

 >>421

 逆ゥ


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 ◇


 2042年10月初旬、PM10時――


 ジサンとサラはダンジョン”ウエノクリーチャーパーク”をうろついていた。


 日中人気のダンジョンであり、ジサンは人が少ないであろう夜間に探索することにしたのだ。


 ウエノクリーチャーパークには何やら悪い噂もあるらしく、特に夜間が注意ということでジサンは敢えてその時間を狙ったのだ。


 しかし、想像以上にプレイヤーが全然いなかった。


 ……流石に情報に踊らされすぎだろ、と思うジサンであった。




 ウエノクリーチャーパークには通常のダンジョンと異なる変わった特徴がある。


 全てのモンスターがそれぞれに与えられた小部屋に待機しており、レベルも表示されている。


 プレイヤーは自身でそれに挑戦するかどうかを選ぶことができるというわけだ。


 そのため、うろついているモンスターがおらず、挑戦しなければダンジョンであるにも関わらず比較的安全であるという点も珍しい。




 人もそんなにいないし、テイマーの認知度も多少上がってきたようなので、ジサンは魔物を使役することにする。


 ランクPの二体を配合してサラが生まれたため、現在の最高ランクはOとなっていた。


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 フェアリー・スライム   ランクO

 ライトニング       ランクO

 ギダギダ         ランクO

 ナイーヴ・ドラゴン    ランクN

 スケスケスケルトン    ランクM

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(さて……どいつにするか……)


 ジサンはまずナイーヴ・ドラゴンを確認する。


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 ■ナイーヴ・ドラゴン ランクN

 レベル:52


 HP:1176   MP:0

 AT:540    AG:222


 魔法:なし

 スキル:剛爪、クリムゾンブレス、体を休める

 特性:純粋、飛行

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 現在、唯一のランクNであるナイーヴ・ドラゴン。

 ランクNでも中位魔公爵と同程度の力があるのでそれなりに頼りになる。


 しかし、流石に人が来たときにナイーヴ・ドラゴンは目立ち過ぎる。


(今日は休んでいてもらおう……となると、こいつか……)


 ジサンが次に確認したのはフェアリー・スライムだ。


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 ■フェアリー・スライム ランクO

 レベル:60


 HP:987   MP:328

 AT:400   AG:649


 魔法:エレメント、メガ・ヒール

 スキル:まとわりつく、硬化タックル、妖精の歌

 特性:液状

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 ランクにしてO。上位魔公爵と同程度の実力がある。つまりサラが戦った自称シルフとエルフのハーフでシェルフ……のルィとも互角に戦えるポテンシャルを持っている。


 そして、フェアリー・スライムの良いところは見た目がゆるいことであった。


 スライムに羽が生えているだけのシンプルなデザインで、全く強そうに見えない上に、サイズもメロンくらいしかないので、ナイーヴ・ドラゴンと比較して、圧倒的に使いやすかった。


 ジサンはフェアリー・スライムを選択する。


「きゅうううううん」


 選ばれたフェアリー・スライムは嬉しそうにジサンにすり寄る。


 ジサンはそれを一撫でしてやる。


 ジサンはモンスターには比較的、自然に優しくできた。


 なぜならモンスターは喋らないからだ。


「…………」


 それを見て、喋るモンスターサラが羨望の眼差しを送る……


「きゅっ!?」


 フェアリー・スライムは危機感を覚えたのか、慌ててジサンから離れる。


(……さて)


 ぼったくりシェルフによると、100%テイム武器”契りの剣TM”を入手するための隠しボス:魔公爵:ドミクを出現させるには、まずは特定の条件を満たす必要があるらしい。


「……本当にあるのか」


「マスター……もし嘘だったらホッカイドウまでいって退場(ゲームオーバー)させてきます」


(いや、流石にそこまではしなくていいが……)


 ルィに提示された魔公爵:ドミクの出現条件はパーク内の三体の強モンスターの討伐であった。


「まずはゴリラからですね」


「あぁ、いくぞ」

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