何が何だか分からず呆然としていると、緋色の天使が意を決したように立ち上がり、椅子の上で踏ん反り返る金色の天使に襲いかかった。


 瞬間、山々がぶつかり合うような大きな音が響き渡り、辺りが深い霧に包まれた。


 霧の隙間から覗くと、椅子は後ろ向きに倒れ、そこから転げ落ちた金色の天使が苦しそうにのたうち回っている。


 緋色の天使は腰に帯びていた剣をさっと抜き、金色の天使に向かって振り下ろした。


 すると、悲痛な叫び声と共に金色の天使は跡形もなく消え去った。


 緋色の天使の咆哮が轟きわたる。


「空間」は燃え盛る炎に包まれた。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る