姉の親友と風呂入ることになった!マッサージしてくれた上、添い寝まですることに。えっ今、俺のこと大好きって言った!?

綾森れん@初リラ👑カクコン参加中

第1話、姉の親友がなぜか無駄に世話を焼いてきます

//SE 雨音、玄関扉の開く音


「いらっしゃ~い! 雨の中、大変だったでしょ。入って入って」


//SE 玄関扉が閉まる音


「きみの顔見るの久し振りだわ」


「最後に会ったのいつだっけ?」


「去年の年末、私が実家に帰ったとき以来よね」


「……」//久しぶりに会えた喜び


「元気にしてた?」


「なっ」//驚き


//演技依頼 両手のひらで自分の頬をはさむ


「べつにニヤニヤなんてしてないわよ!」


「……」//恥ずかしい


「半年ぶりに会えたんだから、喜んだっていいじゃない!」


「……」//冷静になろうと努める。


「荷物はそこらへんに置いておいてね」


//SE スリッパでフローリングの廊下を歩く音


「部屋の中、片付いてるでしょ?」


「きのう、きみのお姉ちゃんと一緒に掃除したのよ。弟くんにカッコ悪いところ、見せられないから」


「家事?」


「もちろん分担してやってるわ」


「きみのお姉ちゃんは料理もうまいし、キレイ好きだし」


「ほんと、きみのお姉ちゃんとシェアハウスできてよかったわ。彼女は昔から私の親友だけど、今じゃ自慢の奥さんよ――なんちゃって、冗談だってば!」


「……」//ふと気が付く


「あら? きみの髪の毛、ちょっと濡れちゃってるね」


「雨、すごいもんねぇ。タオル持ってくるから待ってて」


//SE パタパタとスリッパでフローリングを歩く音


「お待たせぇ。お姉さんが拭いてあげるねぇ。恥ずかしがらなくていいのよ!」


//SE タオルで髪を拭く音

SEに合わせてオノマトペを言う。


「わしゃわしゃわしゃっと」


//拭きながら


「このタオル、やわらかくて気持ちいいでしょ?」


「しかもすっごくいい匂いがするの。お気に入りの柔軟剤、使ってるんだぁ」


「もう一度、わしゃわしゃわしゃ―― お耳の中も失礼しまーす!」


//SE タオルが耳に触れる音


「あ、くすぐったかった? ごめんごめん。てへへっ」


「ちょっと髪の毛、乱れちゃったね。手櫛でとかしてあげる」


//SE 髪を手櫛で梳かす音

小声でささやく


「なでなで」


「はい、右向いて」


//無声音に近いささやき声で、


「こっちもなでなで」


「チュッ!」


「あ、ごめんごめん!」

「うっかり、こめかみにキスしちゃった!」


「……」//気まずい


「だって――」

「目ぇつむって髪を拭かれてるきみ、まつ毛長くてかわいいんだもん」


「……」//ドキドキしている


「いいなあ。私もきみみたいな弟がほしかったなあ」


「……」//ふと思いついて、いたずらっぽく


「ね、今日一日だけ、姉弟きょうだいごっこしない?」


「いいじゃないの。姉がもう一人いたって」


「むぅ……」//口をとがらせて


「それなら新妻ごっこなんてどうかしら?」


 冗談めかして気取った口調で、


「あなた、お風呂にします? お夕食にします? それとも、わ・た・し? なんちゃって!」


「……」//恥ずかしい


「ちょっとそんな目で見ないでよーっ! ノリノリでやった私がバカみたいじゃない」


「……」//焦って


「わーっ、ちょっと今来たばっかなのに帰ろうとしないで!」


 本気で懇願する。


「もうちょっと待てば、きみのお姉ちゃんも帰ってくるからさ!」


「お姉ちゃんが遅くなってる理由? さあ?」


「……」//不自然な間。どことなく怪しい。


「私も知らないのよ。まだ帰れないって連絡はもらってるんだけど」


「きっと何か大切な用事ができたんだわ。まあ気長に待ちましょ!」


 たった今、偶然思いついたように装って、


「あ、そうだ!」

「弟くん、おなかすいてない? 家出たの二時間くらい前でしょ?」


「何か作ってあげる!」


「遠慮しなくていいのよ!」


//SE がさごそと戸棚をあさる音


「ホットケーキでいいかしら?」


「ちょうどホットケーキミックス買ってあったの。牛乳と卵もあるし、ささっと作っちゃうわ」


「そのあいだに手ぇ洗ってうがいしてきてね!」


//SE ホットケーキミックスと卵・牛乳を混ぜるとき、ボウルにハンドミキサーがあたる軽やかな音


//SE サラダ油を引いたフライパンの上で、ホットケーキが焼ける音


「……」//おいしそうな匂いを吸い込んで、


「う~ん、卵とバニラエッセンスのいい香り! ほら見て、こんがりキツネ色でおいしそうでしょ? しかも、ふわっふわ!」


//SE 焼けたホットケーキを皿に乗せる際、フライパン返しが皿にあたる音


「バターとメープルシロップをかけて―― できあがり!」


//SE テーブルに皿を並べる音


「さ、テーブルについて。私が切り分けてあげる」


//SE 食器にナイフとフォークが当たる音


「はい、お口あーん! ほらぁ、遠慮しないで」


「向かいに座ってると、ちょっと遠いわね。となりに移動しちゃおっと」


//SE 立ち上がって席を移動し、となりの椅子に座る音

 すぐ近くでささやく


「この生地の弾力、見て? ふわっふわよ? ふ・わ・ふ・わ!」


「やさしい卵の香りが、きみを誘ってるわ。はい、あ~~~ん」


「……」//食べる様子を見て満足している。


「ふふっ、よくできました! おいしいでしょう?」


「いっぱい食べてね!」


「私もいただきまぁす」


//SE ナイフが皿にあたる音

 自分のホットケーキを切り分けている。


「んぐんぐんぐ」


//演技依頼 片方の手のひらを頬にあてて、ホットケーキを口に入れたままややくぐもった発音で、


「甘ぁい。幸せだわぁ――」


 * * *


 「食べ終わったら眠くなってきちゃった? 私のベッド貸してあげるから、きみのお姉ちゃんが帰ってくるまで、ひと眠りする?」


「あっでも、そういえばそうね。雨に濡れたし、汗もかいたわよね。ベッドに横になる前にお風呂に入るのが正解ねっ!」


「ふぇ?」//すっとぼけて


「もちろん知ってるわよ、泊まるつもりじゃないってことくらい。きみのお姉ちゃんから聞いてるもん」


「安心して。お風呂から出たあとの着替えなら貸すから」


「じゃ、お湯張ってくるわね」


//SE スリッパでフローリングの廊下を歩く音

 だんだん遠ざかる


//SE 水音

 少し離れた浴室から聞こえる


 * * *


「お風呂、入ったわよー」


「……」//意外そうに首をかしげる


「どうしたの? 私を指差して、そんなに目を丸くして」


「……」//ハッとして


「もしかして――」

「私が水着に着替えたから、びっくりしてる?」


「……」//自慢


「このビキニ、かわいいでしょ? きみのお姉ちゃんと海に行く予定があってね、一緒に選んだのよ」


「結局、無地の白ビキニに落ち着いたんだけど、シンプルで飽きのこないデザインでいいでしょ?」


「変なポーズなんか取ってないわよ! 水着と私の魅力が伝わるように、セクシーなポーズしてあげてるんじゃない」


「どしたの?」


「……」//彼をのぞき込むために、息遣いの聞こえる距離まで近づく。

 小声で、


「なんか固まってるけど大丈夫? 私のスタイルがいいから、目が釘付けになっちゃった?」


「違うの?」


 意外そのものといった様子で、


「なんで水着に着替えたのか分からないですって?」


//演技依頼 勢いよく腰に手を当てて


「決まってるじゃない。一緒にお風呂に入って、きみの背中を流すためよ」


「さ、きみも服脱いで」


「だって着たままじゃ、お湯に浸かれないじゃないの」


「お風呂場で裸になるのは普通でしょ?」


「私のこと気にしてるの?」


「平気よ、平気!」


「私の実家にも甥っ子がいるの。兄の長男なんだけどね」


「だから男の子の裸なんて、見慣れてるわ」


「甥っ子の年齢? なんでそんなこと訊くのよ」


「……」//思い出そうと記憶をたどる。


「えーっと確か来年、小学校に上がるんじゃなかったかしら」


 馬鹿にしないで、と言いたげな様子で、


「きみがずっと大人だってことは分かってるわよ! でも私は、年齢で人を差別しない広い心を持っているの」


「こまかいこと言ってないで、ほら脱いだ脱いだ!」




─ * ─




次回はビキニ姿のお姉さんと一緒にお風呂回!

何が起こるのか!?

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