第10話 一緒に少しの休息を
「アリア!ちょっとアリアってば!」
ミオの大声とバシバシと体を叩かれ目を覚ましたアリア。うっすら目を開けて辺りを見渡すと、心配そうな顔をしてアリアを見るミオがいた
「あれ?ミオなんで?」
「何でじゃないよ!大丈夫?」
「うん、大丈夫……」
ミオに背中を支えられながらゆっくりと体を起こしまた辺りを見渡すと、テーブルにそのままの置かれたミオのおかずが見えた
「ご飯も食べず、こんなところで寝ていたの?それとも何かあったの?」
「わかんない。たぶん疲れて寝ちゃったのかな」
夜ご飯のおかずのお皿を寄せながら朝ごはんを置くミオを見ながら、アリアが昨晩の事を少し思いだしうーんと首をかしげる
「とりあえず、部屋で休んで。何か飲み物持ってくるから」
「うん、ありがとう」
キッチンに向かうミオの後ろ姿を見て、アリアも寝室に行こうとした時、ふと薬草を置いてある部屋を見た
「あっ、そういえば!」
少し開いていた扉をバンッと勢いよく開けて部屋の中に入ると、無造作に机に置いていたままだった薬草がヒラヒラと舞った
「せっかく完成しかけていたのに……」
机に置いていたお城で貰った薬草を見ると、思っていたような変化は見られず、しょんぼりとうつ向くが、まだ使えるかもしれないと、ガタガタと音をたてて窓を開けた
「アリア!ちゃんと休まなきゃダメでしょ!」
「ごめん……」
寝室に行こうとしていたミオが物音を聞いて、アリアの部屋に来ると薬草をいじろうとしていたアリアを見て少し怒りながら呼び止めた。机に飲み物を置くと、見覚えのある薬草を見つけて一つ手に取った
「これ傷薬?」
「うん、頼まれていたのにごめんね」
「倒れていたなら仕方ないよ。それよりアリアに使える薬はないの?」
「私に使える薬はないよ」
休むため薬草を片付けをながらミオに返事をすると、その返事にミオが呆れた様子で、はぁ。とため息をついた
「本当、いつも自分のお薬は使わないよね」
「だって効くけど不味いもん……」
と、ポツリと呟きながら答えると、片付けを終え、ミオが持ってきた飲み物を一口飲んだ
「じゃあ、薬を飲まないなら今日は薬草作りはお休みね」
「でも、乾かさないといけないものが……」
ミオの言葉に窓の近くにある薬草をチラッと見ながらそう言うと、ミオがアリアの腕をつかんでそのままグイグイと引っ張り無理やり寝室のベッドに寝かした
「薬草のことは私がするから。アリアはベッドから私に指示すればいいから、ほら急いで休む」
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