第5話 それぞれ違う興味
「ミオ、大丈夫?」
「……大丈夫じゃないから寝ているんでしょ?」
ぐったりとベッドで横たわるミオに心配そうに声をかけるアリア。ミオのおでこに置かれた濡れタオルを取り、新しく持ってきた濡れタオルを交換してミオの顔色を見た
「今の体調はどんな感じ?」
「ちょっと吐きそうだけど、前の薬よりもまあ平気かな」
「なるほど……」
体調を聞いて、メモを取るアリア。真剣な顔をして記録する姿にミオが、はぁ。とため息をついた
「いつも思うけど、解毒薬とかなんで一緒に作らないの?」
「なんでって一緒に作った解毒薬も失敗しちゃったら困るでしょ?」
アリアの返事に表情を強張らせたミオ。その時におでこに置いていた濡れタオルがずり落ちた
「ついでだから今日もそのまま泊まっていく?」
「そうする……」
体をゆっくりと起こしながらアリアに返事をすると、飲み物が入ったコップを手渡され、恐る恐る一口飲むと、いつもより甘い紅茶に、ほっと胸を撫で下ろして、また一口ゆっくりと飲んだ。アリアも隣でミオの様子を見ながら紅茶を一口飲んだ
「そうだ、明日学校休みだし、一緒に杖を買いに行ってみる?」
そうミオが言うと、アリアがコップを両手に持ち首をかしげた
「杖を?どこで買うの?」
「お城で買えるの。欲しいって言ったら持ってきてくれて、ちょっとだけお城の中も見れるよ」
「ふーん」
「……興味なさそうだね」
紅茶を飲みながら返事をしたアリアに、ため息混じりにミオが言うと、何か思いついたのか、顔を上げると、紅茶を飲み干したコップを隣にあったテーブルに置いた
「そうだ。杖の代わりに私の知らない薬草とか貰えないかな?」
「言えば貰えるかも……たぶん」
アリアの問いかけにうーんと首をかしげながらミオが答えると、アリアも行こうかどうかと悩みはじめ、うーんと首をかしげた。行くか不安なそうな顔をしているミオを見て、アリアがうんと一度頷きニコッと微笑んだ
「じゃあ行ってみようかな。ミオ、早く元気になってね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます