背伸び

ハナミ

第1話ずっと見てたい

あれは真夏の蝉の鳴くころ

猫にストーカーされている

強面のお兄さんにあった

ドキドキ

した

心臓が爆発するくらい

真っ白な猫に

チャコールのスーツ

ボタンを見て

これは高いなって

だけど

鋭い

一重の綺麗な瞳

私も拾ってくれないかな?

親は帰ってこないし

学校には

お金入れてないし

退学

家も追い出される

女のお金の利用方法は

体かな?

なら

あの

黒豹みたいなお兄さんに全部全部もらって欲しい

そしたら

どれだけ

堕ちても

最初は

ピカピカだ

猫を仕方ないな

って抱き上げたほんの少し優しい目になったお兄さんの前に走り出した

なんでも

かんでも

お兄さんを肌に焼き付けるまでは

逃がさない

「私も連れてってお兄さん

思い出が欲しいの」

なるべく

余裕あるように見せてるけど

心臓は爆発

お兄さんは

「子供は家に帰って寝てろ」

「家も学校も親もいなくなって、これでも女だからなんとかなるかなって?

夜の世界にいけば

だけど、ズバッと言うけどお兄さんに食べられたいし食べたい。

迷惑だと思うけど最初は惚れた男がいい」

「初対面だが?」

お兄さんに、お兄さんが抱っこしている猫ごと抱きつく。私はハンターかも

ほんのり香るムスクの香り

「うん、だね。

今日なんの日か知ってる?

七夕だから巡り会えた。2時間でいい

私の最初の男になって欲しい

家はボロいけど、ボランティアだと思って。

最近で最後の恋

その先はお金と結婚する。

人間として生きるために、だから抱いて」

お兄さんは

ため息をつくと

「オッドアイか、黒と紅

俺が買ってやるよ、お前の人生って奴を

ただ

俺は重い

嫉妬深い

逃げられないぞ

お前には常に部下をつける 

自由はないぞ

それでもいいのか?」

低めの甘いバリトンの魅惑の誘惑

ヤンデレ?

って最高のご褒美

ずっと一人だった

誰かに執着されたことも

認められたことも

歪んだ私

歪んだお兄さん

ちゅ

とおでこにキスされた

「携帯ある?」

古い機種の携帯をみたお兄さんはにっこり

笑って

折りたたみ携帯を折った

過去はいらないとばかりに

私はにっこり笑った

ずっと求めていた

窒息死しそうな愛

「お前は逃げれないぞ、18になったら抱く。

お前から俺が欲しいと。

俺はお前の綺麗な瞳が濁るのと、投げやりな生き方をするのが許せない、名前は?」

「唯だよ、ねえ御願いがあるの。

もしお兄さんが先に死ぬ時は後追いを許して欲しい

私は一人はもう嫌なの

束縛して、がんじがらめに

一人にしないで」

頬にキスをして

「一人にしない、唯が先に死ぬ時は俺もついていくよ

不思議な日だな

猫に嫁に拾った

俺は弁護士だ。何もせずに俺たちの家に帰ろ

俺も唯に一目ぼれだったんだ

死んでも離さない

俺の名前は晃だよ」

晃さんの部下が高そうな車をまわしてくれて

その日から

愛を知り

生きる意味を知り

彼がいて、

彼の友達がいて

初めて、

笑ったのは晃さんに会ってから

お腹いっぱい食べたのは晃さんに会ってから

心配症の彼が半年に一回の人間ドッグにもなれた

私達の物語は始まったばかり

好きの温度はどれくらい?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

背伸び ハナミ @muneta

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ