第26話
「お、俺が………ハルトに負けた•••••」
決闘で俺にボロ負けしたヤマトは、どうして負けたことに納得がいかなかったのかまた騒ぎ始めた。
「ウソだウソだ!!これは、何かの間違いだ!!これは、ハルトが何かイカサマをしたにきまってる!」
「はぁ~。ヤマト、いいかげんにしろよ。お前は、俺に負けたんだ。もう、これ以上辞めろ。周りをみてみろ!」
決闘は、闘技場で行われるが見学は自由だから、たくさんの冒険者や一般人なんかも見学をしている。一部では賭け事などをしているみたいだが、俺をしらない奴は烈火の剣のヤマトに賭けているのが大半だろう。
実際は、俺の圧勝という事で幕を閉じたのだが俺にかけていたのが少数だったらしく三人組の女の子が喜んでいた。
あれ?俺にかけてくれたのあそこの三人だけなの?とか思っていたら三人が俺に手を振っていた。
思わず手を振返してしまったが、三人とも喜んでいた。
「クソ!俺が本気でやってたらお前なんかボロ雑巾だったんだぞ!今日は、調子が悪かっただけだ!調子に乗るなよ!」
「ボロ雑巾?いやいや、今のお前のほうがボロ雑巾だと思うけどな?ヤマト?大丈夫か?」
俺が、烈火の剣にいた時はヤマトの強さがすごく羨ましかった。あんな風に俺も戦えたらいいのに。って思いながら、素振りを何百、何千とやっていた。けど、剣術スキルに反映すらしなくて役立たずとパーティーメンバーに言われ続けてきた。
「•••••••うるせぇー!」
ヤマトが叫ぶ中、空気を読めず俺に話しかけてきた人物がいた。
「ヤマト!良いこと思いついたんだけど!ハルトでいいじゃん!新しいパーティーメンバー!」
突然話に入り込んできたのはルナだった。何を言っているんだ?と思いながら、あることに気が付いてしまった。
「お前ら、そう言えばパーティーメンバーを探してたけど俺が抜けてからダンジョンにアタックしたんだよな?まさか、お前ら•••マッピング出来なくてアタックダウンしたのか?」
アタックダウンとは、ダンジョン攻略で一、二階層でアタック失敗する事など恥ずかしい行為をいう。特に、Bランク冒険者からアタックダウンをまずしないのが普通だ。Cランクになったばかりの冒険者などはよくアタックダウンをしてしまう事があるがそれは、ダンジョンについてまだ理解していないからそれを徐々に勉強しながら学んでいく。だからBランクでアタックダウンするというのは、物凄く恥ずかしい事なのだった。
「「「••••••••••」」」
烈火の剣のメンバーが、急に黙ったため周りにいた冒険者も騒ぎ始めた。
「マジかよー!アタックダウンしたのか!?」
「あいつらいつも偉そうにしてたのにウケるぜぇー!あはっはっは!」
「アタックダウンだってよ~」
「嘘だろー!」
冒険者の騒ぎが大きくなってしまったので、取り敢えず個室を用意してもらってサブギルドマスターとヒナノさん、烈火の剣、俺で話をすることになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます