第16話

 初級ダンジョンに入ると突然、脳内にマップが出現したのだった。



「わっ!びっくりした!これって、この階のマップ?何これ!?」



 脳内マップは、まさになマップだった。完璧とはどういう事かと言うと、自分の場所は勿論のこと敵の場所、他の人やの場所までしっかりと描かれていた。



「自動マッピングってすごいなぁ~!描かなくていいって楽だし。マッピングのスキルを持っている人が人気なのがわかるよな~。前のパーティーは、止まって書くとすごい怒られたしな。あいつら、大丈夫かな?マッピングできてるかな?まぁ、あんだけ煩かったんだから大丈夫か!」



実際は、全くもって大丈夫ではなかった。今のハルトが知る由もなかった。



 実は、ハルトの持ってる自動マッピングと一般的なマッピングでは全く違うのだった。


普通のスキルマッピングは、自分が通った場所がしか描かれないし、況してや敵の場所や人、トラップ、宝箱など普通は描かれない。しかし、手書きのマップよりも正確でマッピングに時間を取られない事で重宝されている。


では、ハルトが持ってるマッピングは何が違うのか。それは、超幸運の効果で上位交換されたスキルなので実は自動マッピングを使える冒険者は世界でもハルトしかいないのだった。ダンジョンなどに入ると、自動で完成したマップが出来上がるのだ。

 しかし、ハルトはその事を知らずにいた。



「次は右に行って、真っ直ぐで右か。あれ?行き止まりだ•••••。おかしいな?宝箱があるはずなのに?まさか!?隠し宝箱?マジかー!」


 隠し宝箱は、レアアイテムが入っていることが多い。

烈火の剣に居た時に、俺が偶然見つけた隠し部屋に宝箱があり中にはマジックバッグが入っていた。

マジックバッグを見つけたのは俺だったけど、ヤマトに取り上げられた。あの時は、金銭面で問題があったからマジックバッグをオークションで高く売られてしまった。マジックバッグがあれば、持ち運びがかなり楽だし、ドロップアイテムだってもっと持って帰る事が出来たのになぁ。

 今の俺には、マジックバッグよりも優秀な空間魔法があるからいいけどね!



 隠し宝箱を開けると、そこには小さなテントが入っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る