◆◆ 002 -強欲な妹は知識を求める-(4/4)◆◆

『いかがですか。あなたも何かを訊いてみては?』


 キュッキュッと書いてトンと立てる。

 ほんとコイツ、謎の存在だよな。

 ピンと思い立ち、俺もカタカタと質問をエンターする。


 〝黒子 について、教えてください〟


【「黒子」という言葉は、様々な意味や文脈で使われるため、具体的な質問や詳細な指定があれば、それに基づいてお答えすることができます。以下では、一般的な意味や主な関連するトピックについてご説明します。


 1.作品『黒子のバスケ』(Kuroko no Basuke): 『黒子のバスケ』は、藤巻忠俊によって描かれたバスケットボールを題材とした漫画作品です。後にアニメ化や映画化もされ、大きな人気を博しました。物語は、「光と影」をテーマに、無名の存在だった主人公・黒子テツヤと、彼の仲間たちがバスケットボールで成長していく姿を描いています。


 2.「黒子」の意味: 「黒子」という言葉は、日本語の中で様々な意味で使用されます。一般的な意味としては、「目立たない存在」「存在感の薄い人」といったニュアンスがあります。また、「黒子」とは、顔や皮膚に現れる黒色の斑点やシミのことを指す場合もあります。


 3.他の作品やキャラクター名の「黒子」: 「黒子」という名前やキャラクターは、他の作品やアニメ、小説などでも使用されることがあります。具体的な作品名やキャラクター名を教えていただければ、それについて詳しくお答えすることができます。


 もし他に特定の質問やお話したい内容があれば、お知らせください。それに基づいてより具体的な情報や解説を提供します。】


 あまりの長さに、俺は麦茶を少し噴き出した。

 え、そうなるの? 俺が訊きたいのは時代劇に出てくるような黒子のことなんだが。


『もっと限定しなければいけませんね』


 黒子のキュッキュットン。

 お前の存在そのものを俺は問いかけたい。


 〝黒装束に身をまとった時代劇とか舞台で雑用する黒子のこと〟


【黒装束に身をまとった時代劇や舞台で雑用をする「黒子」は、一般的に「黒子(くろこ)」や「黒子役(くろこやく)」と呼ばれる存在です。以下に詳細を説明します。


 黒子は、主に日本の伝統的な時代劇や舞台演劇において、舞台装置や小道具の移動やセットの変更などの裏方業務を担当する人々を指します。彼らは通常、黒い装束(黒衣や黒マスク、または黒い頭巾)を身に着け、舞台上では存在感を抑え、観客の目から隠れるように行動します。


 黒子の役割は、舞台の流れをスムーズに保つために重要です。彼らは舞台上で効果的な演出を実現するために、静かに移動し、小道具や背景のセットを迅速に調整します。また、彼らは演者や他のスタッフと密接に連携し、劇中でのシーンの切り替えや演出の一貫性を確保する役割も果たします。


 黒子の仕事は重要ですが、一般的には観客からは目立たない存在であり、彼らの働きが見えることは稀です。それでも、彼らの努力が舞台の円滑な進行に貢献していることは確かです。


 黒子役は劇団や舞台プロダクションによって異なる場合がありますが、舞台裏での活動や研修を通じて経験を積み、舞台上の演出やスムーズな舞台運営に貢献しています。


 黒子役に関心がある場合は、地元の劇団や舞台プロダクションに参加することや、舞台裏でのボランティア活動などを通じて、実際に経験を積んでみることができます。】


 なんだろう、俺はそこまで訊いてねえよ。

 怒って席を立ったあいつの気持ちがちょっとわかるな。


「意外にこいつ、不便じゃね?」


 俺は率直な感想をそのまま口にする。


『でも訊かれた事には答えてくれますよ』

「なんか上から目線なんだよな、こいつの物言い。言いたいことだけ言って、そのまま言いっぱなし」

「うちの気持ちが少しはわかるやろ」


 冷蔵庫から持ち出してきたのか、アイスキャンディーをペロペロと妹が現れる。


「黒子さんもはい、どうぞ」

『これはかたじけない』


 妹は黒子にアイスキャンディーを渡した。

 かたじけない。なんて言葉をリアルで使う人間、はじめて会ったぞ。いやそれを言ったら、黒子の恰好で突然人の家に上がり込む人間も初めてだし、そもそもフリップで会話してるのもおかしいしな。


「うちに対するあにぃの物言いもいつもそうやん。言いたいことを言って、そのまま言いっぱなし。うちの気持ちなんて少しも考えへん」


 俺は妹からアイスキャンディーを受け取る。

 俺は黒子がどうやってアイスキャンディーを食べるか気になったが、ここはあえて兄の威厳を賭けて妹に正面から反論を行う。


「俺は兄としてお前の事を思ってだな」

「それが余計だって言ってるやん、言い過ぎやでほんま。うちだってアホやないんやから、少しは堪忍したりぃや」

『おふたりは本当に仲がよろしいですね(・∀・)』

「「やかましいわ!」」


 俺と妹は同時に黒子に対して反論を主張した。


 * * *


 その日の夜、俺はこっそりChatGPTに質問をした。

 本当に他愛のない質問だ。だがどうしてもこれを質問せずにはいられなかった。


 〝カップ焼きそばを作る時のボンっと音が立つのは何ですか?〟


【カップ焼きそばを作る際に「ボンっ」という音が立つのは、おそらく沸騰したお湯がカップの内部に入る際に生じる音かと思われます。お湯を注ぐと、熱いお湯が急激に乾燥したインスタント麺や具材に触れることで、蒸気が発生し、その圧力によって音が発生することがあります。この音は一時的であり、焼きそばが調理される過程での通常の現象です。】


 へえ×10。

 てかこの書き方できっちり答えてくれるのに、なんで黒子の事を訊いた時はああなった。

 賢いのか融通が利かないのかよくわからないな、これ。

 まるで……いや、やめよう。

 俺はそっと黒子が置いていったノートパソコンを閉じて居間を後にした。


 * * *


 あたしはどうしても気になっていたことがあったので、居間にある黒子さんが置いていったノートパソコンを開いた。

 もちろんChatGPTに質問するためだ。


〝カップ焼きそばを作る時のボンっと音が立つのは何ですか?〟


 ……あにぃに既に訊きたいことを聞かれていた。

 なんや、やっぱりあにぃも気になっていたんやね。

 ええと、返答は……んん?

 沸騰したお湯をカップに入れたときに音がする?

 これ、よく読むとおかしない?

 これ聞きたいのは、やきそばを作って台所にお湯を捨てる時の音やろ?

 あにぃはほんま人の話聞かないんやな。GPTジピットくんちゃんと答えれてないやん。

 これはうちがちゃんと聞いたらなアカンな。あにぃなんかのためじゃなく、GPTジピットくんの名誉のために。


 〝カップ焼きそばを作る時に使ったお湯をシンクに捨てる時のボンと音が立つ現象について教えてください〟


【カップ焼きそばを作る際に使ったお湯をシンクに捨てる際に「ボン」という音が立つ現象は、お湯がシンクに注がれた瞬間に生じる音です。この音の原因は、お湯がシンクに注がれる際に急速に冷却されることによるものです。


 お湯は高温であるため、シンクの冷たい表面との接触によって急速に冷え、その際に熱膨張や温度変化による圧力の変化が生じます。この圧力変化によって「ボン」という音が発生するのです。


 この現象は一時的なものであり、お湯が冷えるにつれて音も消えていきます。ただし、お湯を捨てる際には注意が必要です。熱湯は火傷の原因となるため、慎重に取り扱いましょう。】


 そうそう、これよこれ。うちが訊きたかったのはこれ。あーすっきりした。ほんまにもう、あにぃはうちがいないとだめなんやから。

 あたしは満足したのでノートパソコンを閉じて、階段を上がって二階の自分の部屋に戻ったのだった。


 002-強欲な妹は知識を求める- 了

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【】内 ChatGPTとのやりとりより引用

ChatGPT

https://openai.com/blog/chatgpt

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お読みいただきありがとうございました。

こんな感じで以降はChatGPTと実際にやりとりしながらお話が進行していきます。

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