登場人物:魔術高等院ステルヴィア編
一部ネタバレ要素も含んでいます。ご留意ください。
本編を読み進めたうえで、ご覧いただくことを推奨します。
登場人物は随時追加、既存の紹介内容も加筆修正していきます。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
★エレニディール
年齢不詳、身長百九十九セルク
当代スフィーリアの賢者で、過去の賢者含めてエルフ属は彼で五人目となる。
水氷の魔術を得意とし、代々のスフィーリアの賢者について回る
フィヌソワロの里のエルフであり、ゼンディニア王国十二将の一人、ヴェレージャに魔術の手解きをしたこともある。若い頃から外界に出て、修業と称して各大陸を渡り歩いていた。そこで出会ったビュルクヴィストに誘われ、魔術高等院ステルヴィアに入り、そのまま弟子となる。
やや淡青混じりの黄金色の髪を長く伸ばし、自然に垂らしている。なお、淡青が混じるのはフィヌソワロ出身のエルフ属の特徴でもある。端正な顔立ちでやや鋭角の目が知性を感じさせる。かなり細身の身体でありながら鞭のようにしなやかで、エルフ属特有の俊敏さも相まって基本的な体術は一とおりこなせる。ただし、武具の扱いはビュルクヴィスト同様、さほど得意ではない。
もともと魔術探求に熱心なところを、ビュルクヴィストの影響もあってか、さらにのめり込むようになっている。この師にして弟子あり、とよく言われている。本人もまんざら悪い気はしていない。
レスティーとの出会いは未だ明かされていない。いずれ描かれる時が来るだろう。
★ミリーティエ
年齢二十六歳、身長百七十二セルク
当代レスカレオの賢者で、ルシィーエットに師事する。ヒューマン属で、賢者就任からおよそ七年が経とうとしている。
火炎の魔術を得意とする。師であるルシィーエットにはまだまだ及ばないものの、飽くなき魔術探求心から固有魔術を複数有する。才能だけを見れば稀有な存在と言えよう。
見た目は童顔でかなり可愛い顔立ちをしている。柔らかな赤みがちの髪を肩辺りまで伸ばし、瞳も同系色で髪以上に赤みが弱まっている。
ステルヴィアでは研究室に閉じこもる日々を送っていたものの、身体を動かすことが好きで柔軟性にも富んでいる。快活な服装が好きで、三賢者内で武具の扱いが最も巧みなのも意外な一面だ。
声なき小鳥、能面少女、
魔術高等院ステルヴィア在籍中は、自身の性格が
人嫌いで、他者との接触を極度に嫌っていた。数日間、一言も口を開かないことなど日常茶飯事で、それ故にステルヴィア一の要注意人物と見られていた。
ルシィーエットの後継者選びから正式賢者就任までは紆余曲折があり、就任に強固に反対したのが他ならぬルシィーエットだった。最終的にはビュルクヴィストの院長権限をもってミリーティエをレスカレオの賢者に抜擢した。
師となったルシィーエットが手始めにやったことが、ミリーティエの性格完全矯正だった。その間、魔術の
賢者としての矜持を維持していくことに必死になるあまり、周囲がよく見えておらず、たびたび賢者内で衝突を起こしていた。特にエレニディールとは反りが合わず、彼は一足先にスフィーリアの賢者に就任したうえ、実力が抜きん出ていたため、嫉妬心などもあってか、反抗的な態度を取りがちだった。
それら全てをレスティーに粉砕されたことで、ようやく己の小ささに気づき、自身何たるかに目覚めることができた。
★コズヌヴィオ
二十九歳、身長百八十四セルク
当代ルプレイユの賢者で、オントワーヌに師事する。ヒューマン属で、賢者就任からおよそ九年が経とうとしている。
大地の力、土と熱の魔術を得意とする。ヒューマン属としては標準か、やや
彼もまたミリーティエ同様、賢者就任まで紆余曲折を経ている。魔術高等院ステルヴィア在籍時はミリーティエはある意味で真逆、全く目立たない存在だった。彼の同期には優れた者が多く、彼以上の賢者候補が片手で足りないぐらいにいた。
最終的に彼が選ばれた理由は、
彼もまたミリーティエほどではないにしろ、賢者就任から年数を経る毎に天狗になっていったた部分もある。同様にレスティーに完膚なきまでに圧し折られて以来、考えを改め初心に戻って日々修業に明け暮れている。
★ビュルクヴィスト
年齢不詳、身長百八十六セルク
先代スフィーリアの賢者で、エレニディールの師匠でもある。ヒューマン属で、現在は魔術高等院ステルヴィア院長を務める。
淡い黄褐色の瞳と同色の短めの髪を持ち、やや細身でありながら無駄な贅肉のない、引き締まった身体をしている。
代々スフィーリアの賢者は水氷の魔術を得意とし、ビュルクヴィストもそれに漏れず、固有魔術含めて様々な水氷の魔術を操る。一対一はもとより、大集団での乱戦状態での戦いにも長け、直接から間接まで多岐わたる魔術を駆使する。
魔力制御にも優れ、レスティーから学んだ魔力同調で他者に魔力を譲る渡すこともできる。魔術探求にも余念がなく、自分の知らない知識があると悔しがる、といった子供のような一面もある。
常に柔和な笑みを絶やさず、人当たりがすこぶるよい。初対面でもすぐに他者と打ち解けることができる。
飄々とした態度と誤解を生じかねない言動から各諸国要人から様々な意味で耳目を集める。大半は胡散臭さと恐ろしさだ。
現役賢者時代から、誰よりも各大陸へと頻繁に出かけて行っては、特段の用事もないのに、表見的には至って穏やかに、裏では政治的介入を主たる目的に王宮などへ出入りし、極秘の情報を入手してくるという大仕事を難なくこなしてきた。
本来、院長に就任する予定ではなかったものの、ルシィーエットが拒んだためにそのお鉢が回って来たという零れ話も。これは魔術高等院ステルヴィアのさらなる繁栄を考えると、賢明な措置だったことは言うまでもない。
★ルシィーエット
年齢不詳、身長百七十七セルク
先代レスカレオの賢者で、ミリーティエの師を務めてきた。ヒューマン属で、先代院長オレグナンの指名により、本来なら彼女こそが院長を務めるはずだった。それを彼女が拒絶したことでビュルクヴィストがとばっちりを受けた形で院長に就任する羽目になる。
一撃殲滅を至上主義とする。弟子ではないものの、マリエッタへの魔術の手ほどき時に常に掲げるのが、
「いちいち小さなことを気にするんじゃない。とにかく敵めがけて最大威力で一気にぶっ放せばいいんだ」
であったりする。
火炎の魔術を得意とし、それ以外の魔術はほぼ行使しない。行使できないわけではない。単に好みに合わないからだ。武具もほぼ使わない。こちらも使えないわけではない。ルシィーエットにとっては魔術を行使する方がより効率的なのだ。
ミリーティエの賢者就任を巡っては色々とあり、全てにおいて秀でた者こそが賢者になるべき、という考えのもとで強固に反対した。
現役賢者時代は圧倒的な炎をもって敵を一気に殲滅、真紅の長髪が舞い踊る様から女神とも鬼神とも呼ばれ、神秘的な美しい姿を披露していた。男以上に女からの声援が大きかったのも頷けるというものだ。
彼女も代々の賢者が受ける試練として、レスティーに圧し折られている。それ以来、誰よりもレスティーに心酔している。
百余年前の魔霊鬼との戦いにおいて命を失い、レスティーの力をもってして復活を遂げている。
★オントワーヌ
年齢不詳、身長二百六セルク
先代ルプレイユの賢者で、コズヌヴィオの師を務めてきた。ヒューマン属で、ビュルクヴィスト、ルシィーエットと並ぶ先代三賢者は史上最強と謳われている。その中で誰が最強なのかという議論が当時から勃発、当時者たる三人はあまりのくだらなさに辟易としているものの、専らの見解は下記のようになっている。
一対一の戦いならルシィーエット、集団戦ならビュルクヴィスト、その中庸にあるのがオントワーヌでいずれも器用に立ち回れる。結局は甲乙つけ難しだ。
大地の力、土と熱の魔術を得意とし、それ以外の魔術も高度に使いこなす。さらに武具も体術も巧みに扱う。武具、特に剣はなぜか気の合うヨセミナから、体術はレスティーから学んだ経験が今なお活かされている。
余談だが、パレデュカルが先代三賢者最強と推察するのもあながち間違いとは言えないところがあるのだ。
長身のうえ筋骨隆々たる肉体を持ち、鳶色の短い髪と瞳が特徴でもある。一見すると魔術師には見えない。見えずとも、この身体つきなのでおよその者は最初から彼を恐れ、突っかかっていくような愚か者はいない。
彼もまたルシィーエット同様、百余年前の魔霊鬼との戦いにおいて命を失い、レスティーの力をもってして復活を遂げている。
★オレグナン
年齢不詳、身長百八十七セルク
先代魔術高等院ステルヴィア院長で、ルシィーエットの前にレスカレオの賢者を務めていた。既に故人である。
鉄紺の短めの髪と瞳を持ち、時折眼鏡をかける。幼少の頃より、ヒューマン属の平均的な魔力量のおよそ数十倍を有し、魔術高等院ステルヴィアの門戸を叩く。
在籍時から目立って優秀な成績を収め、レスカレオの賢者に就任、その後に院長に就任した。
ステルヴィアでは身分に関係なく全て平等ではあるものの、貴族出身の者たちの圧力はやはり大きく、平民出身で院長に就任したオレグナンは相当の苦労を背負い込むことになった。
それが原因かどうかはともかく、その後は事なかれ主義で責任ある立場でありながら、優柔不断な部分も散見された。ルシィーエットが院長就任を蹴ったのは、間近でオレグナンを見てきたことも影響しているのは間違いない。
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