第21話 『アリゲーターぱんくまらとビッグマムーシの一騎討ち』 その2


 『川岸の


   もとは田んぼに


     掛かる虹に


       手は届くまじ


         まぼろしの

    

           杖は出ず。』



 和戸尊は、言った。


 かれは、いまだに、杖なしでは歩けなかったのである。


 魔法の杖が欲しいと言うわけだ。


 なんとかして、かつてのトウキョウに戻らなくてはならないとは、思っていた。


 しかし、歩いてなんとかなるものではなかったのである。

 

 道はすでに無く、ただ、断崖絶壁が立ちはだかるから。

 

 もちろん、盟友、赤血がいるからである。



        🦎 


 

 アリゲーターぱんくまらと、ビッグマムーシは、やはり、闘わなければならないと、悟った。


 お互いの実力は、確認済みである。


 力は、互角である。


 一瞬でも、気を抜いた方が負けるだろう。


 


 『あらかわゆ


    うちいでてみれば


     真っ赤にぞ


       ふじのたかねに


        われはちりゆく』




 はるか彼方に、ふじのやまが見えている。


 


 


        


 


 


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